マンモグラフィ診断の進め方とポイント 第5版補訂版
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最新『乳癌取扱い規約』を反映! マンモグラフィ診断の決定版!
著 者 |
東野 英利子 / 角田 博子 / 秋山 太 |
定 価 |
7,480円 (6,800円+税) |
発行日 |
2025/08/20 |
ISBN |
978-4-307-07136-9 |
B5判・420頁
最新『乳癌取扱い規約 第19版』における病理組織記載法の改訂や新設に伴う用語変更を反映した。保険診療の現況もアップデートされている。これまでどおり全119症例の読影術を実践的に解説し、Web上でマンモグラムを拡大できる画像サービスにより実践対策が可能である。各種認定試験、レベルアップ試験に活用されているマンモグラフィ診断の決定版。
1章.基本的撮影法と追加撮影法
I.基本的撮影法(MLO撮影およびCC撮影)
1.MLO撮影およびCC撮影に共通するよいマンモグラフィ(特にポジショニング)とは?
2.MLO撮影において重要なことは?
3.CC撮影において重要なことは?
II.追加撮影法
1.ML(mediolateral)撮影
2.外側強調(exaggerated)CC撮影
3.スポット(spot)撮影
4.拡大撮影
5.接線撮影(tangential view)
6.Eklund technique(インプラントによる豊胸術後の撮影法)
7.Cleavage view(valley view)
2章.トモシンセシス(および合成2D画像)<新設>
I.トモシンセシス(および合成2D画像)
1.トモシンセシスの原理
2.読影の実際
3.利点
4.欠点
5.注意点
3章.乳房の正常構造
I.正常乳房のマンモグラム
II.乳房の構成と評価法
1.4つの乳房構成
2.乳房構成の評価
III.乳房の微細構造
4章.マンモグラム読影にあたっての基本事項
I.撮影装置の基本(被ばくを含む)
1.マンモグラフィの種類
2.マンモグラフィ撮影装置の概略
3.モニタ
4.被ばく
5.撮影条件の表示
II.読影の基本
1.読影の基本
2.読影手順
3.読影手順のカスタマイズ
5章.病変の位置
I.1方向撮影の場合
II.2方向撮影の場合
1.診療マンモグラムの場合
2.検診マンモグラムの場合
3.1方向でしかみえない場合の考え方
6章.読影と所見用語の説明
I.カテゴリー判定
1.検診カテゴリー
2.診断カテゴリー
II.所見の解説
1.腫瘤
2.石灰化
3.その他の所見
7章.マンモグラム読影の実際
I.腫瘤
1.境界明瞭平滑な腫瘤
2.微細分葉状、微細鋸歯状、境界不明瞭な腫瘤
3.スピキュラを伴う腫瘤
II.局所的非対称性陰影(FAD)
1.真の腫瘤と乳腺の一部との鑑別
2.真の腫瘤かどうかの判定
III.石灰化
IV.その他の所見
V.総合的な判定
1.1つの疾患が複数の所見を呈する場合
2.2方向撮影での評価
3.比較読影
4.いわゆる総合判定
8章.読影のピットフォール<新設>
I.見落とし、読みすぎを防ぐポイント
1.“Milky way”をチェック
2.2方向撮影で1方向のみ描出された病変をどう読むか
3.脂肪で押される乳腺組織が腫瘤の辺縁のようにみえる場合のチェック方法
4.MLO撮影の上方外側部分にはバリエーションが多い
5.内側あるいは下方部分の非対称性のdensityに注意
6.乳頭直下部分に注意
7.乳腺組織の辺縁をぐるっと一回りチェック
8.左右乳房の撮影条件をチェックしよう
9.比較の方法?脂肪の位置関係で病変を知る
9章.病理
I.腫瘤
1.境界明瞭平滑な腫瘤
2.微細分葉状、微細鋸歯状、境界不明瞭な腫瘤
3.スピキュラを伴う腫瘤
II.石灰化
1.壊死型
2.分泌型
3.間質型
III.その他の所見
1.構築の乱れ
IV.乳癌のサブタイプ分類
V.組織学的治療効果の判定基準
1.判定基準分類
Appendix
1.ステレオマンモグラフィガイド下吸引式組織生検について
2.石灰化を指標とした針生検の病理診断
10章.症例(全119症例)
腫瘤(35症例)
石灰化(25症例)
構築の乱れ(16症例)
FADを含む非対称性所見(10症例)
術後(14症例)
正常バリエーション等(12症例)
豊胸術等(3症例)
炎症性乳癌(2症例)
妊娠・授乳期乳癌(2症例)
初版本を上梓してから、早くも23年の歳月が流れました。今、改めて初版を手に取ると、その薄さに驚くとともに、この本が読者の皆様と共に歩んできた道のりを感じずにはいられません。版を重ねるごとに厚みを増し、継続して出版できていますのも、ひとえに、本書を日々の診療でご活用くださる先生方お一人おひとりのお力添えの賜物です。心より御礼申し上げます。
さて、医学の進歩は絶え間なく、この数年でも乳癌診療を取り巻く環境は大きく変化しました。特に『乳癌取扱い規約』が第19版へと改訂されたことは大きな節目です。これを受け、第5版で用いていた第18版準拠の用語や記述を、現在の診療に即したものへと刷新する必要が生じました。
今回の補訂版では、症例そのものは変更せず、全ての記述を最新の規約に準拠させることで、より信頼性の高い情報をお届けできるようにいたしました。
今後もより多くの皆様に本書を手に取っていただき、わが国の乳がん検診と診療の質の向上に少しでも貢献できることを、心から願っております。
2025年7月
角田 博子
東野 英利子