現代の組織学 第3版

著 者 山田 安正
定 価 10,467円
(9,515円+税)
発行日 1994/02/20
ISBN 978-4-307-03040-3

B5判・546頁・図数:772枚

在庫状況 あり

今回の改訂では、新しい知識のうちから「是非これだけは」と思うものだけを取り入れるようにした。また、第15章の「感覚器」は肉眼レベルの話を極力除いて簡潔にした。
1 序論
 1. 組織学で扱う世界
 2. 組織学の研究手段
  A. 顕微鏡
  B. 標本の作製
  C. 特殊な研究法
 3. 結果の解釈の問題
2 細胞
 1. 細胞質小器官
  1) 細胞膜と単位膜
  2) ミトコンドリア
  3) ゴルジ装置
  4) 粗面小胞体
  5) リボゾーム
  6) 滑面小胞体
  7) 有窓層板
  8) 水解小体
  9) ペルオキシゾーム
  10) 細糸と微細管
  11) 中心子
 2. 細胞質封入体
 3. 核
 4. 核の分裂
  1) 無糸分裂
  2) 有糸分裂
  3) 減数分裂
3 上皮組織
 1. 上皮の分類
 2. 上皮細胞の表面の特殊化
  1) 自由面にみられる特殊化
  2) 側面にみられる特殊化
3) 基底面の特殊化
  付.上皮の異常
3. 腺
4 結合組織
 1. 本来の結合組織
  1) 疎性結合組織
  2) 緻密結合組織
  3) 弾性組織
  4) 脂肪組織
  5) 細網組織
  6) 膠様組織
  付1. 間葉組織
  付2. 細網内皮系と単核食細胞系
  付3. 結合組織の系統樹
 2. 血液
  1) 赤血球
  2) 白血球
  3) 血小板
  4) 血漿
  付.血液の異常
 3. 造血
  1) 骨髄での造血
  2) リンパ組織での造血
 4. 支持組織
  1) 軟骨
  2) 骨
  付1. 骨の発生
  付2. 関節包と滑膜
5 筋組織
 1. 骨格筋
 2. 心筋
 3. 平滑筋
6 神経組織
 1. 神経細胞
  1) 細胞体
  2) 樹状突起
  3) 軸索とその鞘
  4) 末梢神経の構築
  5) シナプス
  6) 神経終末
 2. 支持細胞
  1) 神経膠細胞
  2) 衛星細胞
  3) シュワン細胞
  付1. 髄膜
  付2. 脳の血管
7 脈管系
 A. 血管系
 1. 心臓
  1) 心臓壁
  2) 心臓の弁
  3) 刺激伝導系
 2. 動脈
  1) 弾性型の動脈
  2) 筋型の動脈
  3) 細動脈
 3. 毛細血管
 4. 静脈
  1) 細静脈
  2) 小静脈
  3) 中等大の静脈
  4) 大きな静脈
  付1. 動静脈吻合
  付2. 心臓と血管の異常
 B. リンパ管系
 1. 毛細リンパ管
 2. リンパ管
8 リンパ性器官
 1. リンパ管
 2. 牌臓
 3. 胸腺
 4. 扁桃とリンパ小節
9 消化器系
 A. 消化管の一般構造
  付. 粘膜と漿膜
 B. 腺の一般構造
 1. 口腔
  1) 口唇
  2) 歯
  3) 舌
  4) 扁桃
  5) 唾液腺
 2. 咽頭
 3. 食道
 4. 胃
  1) 表面上皮
  2) 胃腺
  3) 幽門腺
  4) 筋層と漿膜
 5. 十二指腸
 6. 空腸と回腸
 7. 結腸
 8. 虫垂
 9. 直腸
 10. 肝臓
 11. 胆路
  1) 毛細胆管
  2) ヘリング小管
  3) 肝管と胆嚢管
  4) 胆嚢
  5) 総胆管
 12. 膵臓
  付. 消化管の病変
10 呼吸系
 1. 鼻腔
 2. 喉頭
 3. 気管と気管支
 4. 肺
  付. 呼吸器の病変
11 泌尿系
 1. 腎臓
  1) 腎小体
  2) 近位曲尿細管
  3) ヘンレわな
  4) 遠位曲尿細管
  5) 芳糸球体装置
  6) 集合管と乳頭管
  7) 腎臓の血管
 2. 腎杯と尿管
 3. 膀脱
 4. 尿道
  付. 腎臓の病変
12 男性生殖系
 1. 精巣
 2. 精巣上体
  付. 精巣の付属物
 3. 精管と精索
 4. 精管膨大部
 5.精嚢
 6. 前立腺
 7. 尿道球腺
 8. 陰茎
13 女性生殖系
 1. 卵巣
 2. 卵管
 3. 子宮
 4. 腟
 5. 外陰部
 6. 胎盤
 7. 謄帯
14 内分泌器官
 1. 下垂体
  1) 腺性下垂体
  2) 神経性下垂体
 2.副腎とパラガングリオン
 3. 甲状腺
 4. 上皮小体
 5. 松果体
15 感覚器
 1.眼
  1) 眼球
  付1. 眼の発生
  付2. 眼底
  2) 副眼器
  付. 眼球の血管
 2. 耳
  1) 外耳
  2) 中耳
  3) 鼓膜
  4) 内耳
 3. 味蕾
 4. 嗅上皮
 5. 皮膚
  1) 表皮
  2) 毛
  3) 爪
  4) 真皮と皮下組織
  5) 皮膚の神経終末
  6) 皮膚の腺
  7) 乳房
第3版の序

改訂第2版を出してから7年が過ぎて、ようやく第3版を出版する運びとなった。
前回の改訂では、前半(総論)の改訂が主となって、後半の改訂が不十分なままになっていたので、今回は、後半の各論を主として手を加えた。
一般に、こういう本では、改訂の度に新しい内容がつけ加わって、次第に膨大なものになっていくのが普通である。もちろん、学問の世界は絶えず進歩しているのだから、新しい知識が増えていくのは当然のことである。
しかし、はじめて解剖学なり組織学なりに接する学生諸君に対して最新の知識を提供することが、本当に必要なのかどうか。むしろ、古典的といえるような、基本的な事柄をしっかり理解してもらうことの方が大切なのではあるまいか。
しかし、だからといって、20年も30年も昔の知識にしがみついていていいわけはない。その辺の「かねあい」が難しいと思うのである。
そんなわけで、今回の改訂では、新しい知識のうちから、「是非これだけは」と思うものだけを取り入れるようにして、それ以外の箇所では、むしろ内容を整理することに努めた。特に第15章の「感覚器」は、肉眼レベルの話を極力除いて簡潔にしたつもりである。
その他の章でも、不正確な図や分かりにくい図をかなり大幅に入れ替え、説明の文章もなるべく短くすることに心がけた。
これで完成したというものではないが、今後もできるかぎり改訂を重ねて、少しずつでも分かりやすく、使いやすい本にしたいと思っている。読者諸氏のご叱正を頂ければ幸いである。

1994年2月
著者