必ずアクセプトされる医学英語論文 改訂版 完全攻略50の鉄則

大幅に改訂。英語論文執筆のノウハウを50の鉄則に基づき解説。

著 者 康永 秀生
定 価 3,520円
(3,200円+税)
発行日 2021/03/19
ISBN 978-4-307-00491-6

A5判・200頁・図数:17枚・カラー図数:1枚

在庫状況 あり

いかなる発見も、論文に書かれなければ何も残らない。そして自分の研究成果を世界中の一人でも多くの人に知らしめたければ論文は英語で書くに限る。エレガントな表現など必要ない。冗長・曖昧さを排した簡潔で的確な英語表現技術、論文各パーツにおける論理性・一貫性を重視した論述・構成のノウハウ等々、初版を大幅に改訂し、それらの具体的な手法をさらに厚く説明した。本書が掲げる50の鉄則がアクセプトへの最短の道を照らす。


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第1章 医学論文を書くための心構え
<論文執筆準備のための鉄則>
[鉄則1] 自分が論文を書く意義を見つめ直す。
[鉄則2] 書かなければ、何も残らない。
[鉄則3] 「書く」ことを意識して「読む」。
[鉄則4] 研究計画段階から論文を書き始める。
[鉄則5] 論文執筆に要する時間の短縮を心がける。

第2章 Fool-proof Englishの表現技術
<Fool-proof Englishの鉄則>
[鉄則6] Fool-proof English(誤りのない無難な英語)の表現技術を身につける。
[鉄則7] 冗長・曖昧な表現を徹底的に排除する。
[鉄則8] 動詞を制する者、作文を制する。
[鉄則9] 論文に頻出する形容詞・副詞を押さえる。
[鉄則10] 文と文のつなぎ方を意識する。

第3章 Introductionの書き方
<Introductionの鉄則>
[鉄則11] Introductionは4パラグラフ構成を基本とする。
[鉄則12] 各パラグラフに意識的にkey sentenceを挿入する。
[鉄則13] 冗長な先行文献解説を排除する。
[鉄則14] 末尾の研究目的に向かって、一直線に論理展開する。

第4章 Methodsの書き方
<Methods の鉄則>
[鉄則15] Methodsの再現性(reproductivity)を最重視する。
[鉄則16] デザイン、セッティング、適格基準、介入・曝露を明記する。
[鉄則17] アウトカムの定義と測定法を明記する。
[鉄則18] 統計解析方法を完璧に記述する。

第5章 Resultsの書き方
<Resultsの鉄則>
[鉄則19] Resultsには一切の価値判断を交えず、事実を客観的に淡々と書く。
[鉄則20] Methodsの順に沿って実験・観察結果を簡潔明瞭に書く。
[鉄則21] Table とFigureをself-explanatoryにする。
[鉄則22] Table・Figure と本文の重複記載を避ける。
[鉄則23] Resultsにおける定型表現を用いたfool-proof Englishに徹する。

第6章 Discussionの書き方
<Discussionの鉄則>
[鉄則24] Discussion全体を通じた論理一貫性を強く意識する。
[鉄則25] 冗長・曖昧・蛇足を一切排除する。
[鉄則26] すべてのトピックをConclusionに向かって一直線につなげる。
[鉄則27] 研究の新規性(novelty)を強調する。
[鉄則28] Resultsに基づいて議論する。言えないことは言わない。
[鉄則29] “spin”は厳禁。
[鉄則30] Limitationの記載をはしょってはならない。

第7章 Abstractの書き方
<Abstractの鉄則>
[鉄則31] 「完全、正確、明快(complete, accurate and clear)」を追求する。
[鉄則32] キモとなる統計分析結果を厳選して示す。
[鉄則33] 可能な限り、相対リスクだけでなく絶対リスクも示す。
[鉄則34] AbstractのConclusionに論文のすべてを凝縮する。

第8章 Title の書き方
<Titleの鉄則>
[鉄則35] Title には一語たりとも無駄なwordを含めてはならない。
[鉄則36] 簡潔かつ必要十分な情報を含むTitleを書く。
[鉄則37] 体言止めを旨とし、完全文タイトルを避ける。

第9章 投稿から掲載まで
<投稿の鉄則>
[鉄則38] 投稿前に原稿の体裁を完璧に整える。
[鉄則39] Authorの要件を満たさない者をco-authorに加えるべきでない。
[鉄則40] Aims and Scopeに合う適切な投稿先を選択する。
[鉄則41] 記念受験するべからず。身の程を知るべし。

第10章 投稿から掲載まで
<Revisionの鉄則>
[鉄則42] Rejectされても落ち込まない。
[鉄則43] Rejectに対するappealは時間の無駄と心得る。
[鉄則44] Revisionには初回投稿時より心血を注ぐ。
[鉄則45] Editor・Reviewerに敬意を払う。
[鉄則46] 厳しい査読コメントにも耐えて修正する。

第11章 査読コメントの書き方
<査読の鉄則>
[鉄則47] 建設的、教育的、学術の発展に寄与するようなコメントを心がける。
[鉄則48] 過度に批判的なコメント、攻撃的なコメントはご法度。
[鉄則49] Limitationを許容する。
[鉄則50] 再査読の時点での新たな追加修正要求はご法度。

索引
はじめに

 本書初版は、2016年に上梓されて以降、多くの読者の方々のご支持をいただき、何度も増刷を重ねてきた。お読みいただいた皆様に深く感謝申し上げる。
 筆者の専門は臨床疫学である。本書は、単なる英語の知識にとどまらず、臨床医学・疫学・統計学の知識を背景とした、医学英語論文執筆の高度なメソッドを伝授する内容となっている。
 本書の内容は、筆者が教鞭を執る東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻(School of Public Health)の演習に沿っている。東大生以外の方々にもその内容を広く伝えたいという思いで、一冊の本にまとめた次第である。
 実際、本書初版の出版以降の反響は大きく、筆者は多くの大学や学会での講演にご招待いただいた。そこで医学研究を志す多くの臨床家と巡りあうこともできた。本書を読んで論文執筆に取り組み、アクセプトにたどり着くことができた、という声も多数うかがった。本当に喜ばしく、教育者冥利に尽きる思いである。

 現在も筆者は、東京大学で大学院生や若手研究者の研究指導に当たっている。主宰する教室では、コンスタントに毎年約50本の英文原著論文が国際誌にアクセプトされている。筆者はそのすべての論文の草稿を推敲し添削する作業に日々追われている。
 そうした日常を重ねていくうちに、本書初版で書き切れなかった内容が多くあることに気がついた。そこで今回、初版を大幅に改訂し、新しい内容を組入れた第二版を上梓するに至った。
 本書の骨格である“fool-proof English(誤りのない無難な英語)の鉄則”というコンセプトは堅持している。すなわち、(i)non-nativeでも書ける、冗長な(redundant)表現・曖昧な(ambiguous)表現を一切排除した文章表現技術を身につけること、(ii)論理(logic)と構成(organization)を強く意識した論文の書き方を養うことを重視する。第二版では、それらの具体的な手法に関する説明を厚くした。さらに、科学論文で頻出する動詞、形容詞・副詞や、文と文のつなぎ方に関する詳説を追加した。各章の記載は大幅に修正・追加し、コラムも一新した。
 本書第二版の構成は初版をほぼ踏襲している。第1章では、医学論文を書くための心構えをまとめた。第2章では、fool-proof Englishの表現技術について詳述した。第3章から第8章までは、原著論文の各パーツ(Introduction, Methods, Results, Discussion, Abstract, Title)ごとの執筆手順についての解説である。第9章は投稿までの準備と実際の投稿作業、第10章は査読意見への対応から採択・掲載までの道のりを詳しく説明している。第11章は査読コメントの書き方を解説している。
 各章ごとに論文執筆のための鉄則を挙げ、それらをまとめて、医学英語論文執筆・完全攻略のための50の鉄則に仕上げた。
 本書の対象読者は、まだ論文を書いたことのない若手の医師・医学研究者だけでなく、論文を書くことを億劫に感じている臨床医、さらには若手の論文執筆を指導しなければならない立場の上級医である。
 本書初版に引き続き、第二版執筆中にも絶えずご支援をいただいた金原出版の編集者である山下眞人氏にも心からお礼を申し上げる。

2021年3月
康永 秀生