第5集 医療と心

編 者 加我 君孝 / 高本 眞一
定 価 2,420円
(2,200円+税)
発行日 2003/08/15
ISBN 978-4-307-00440-4

B5判・136頁・図数:136枚

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 医の原点の講義は私の心にも深く刻み込まれていますし,学生も、深く感激し,後から聞いてもあの話は良かったと言っていますから、やはり本物の感動が講師の先生方から学生に伝わったのは事実でしょう。超一流の講師の先生方の真実への情熱,またその話を咀嚼できる東京大学の医学生の成熟度に誇りを持つことができました。
 昨年2年目ではこの素晴らしい話を学生だけに聞かせるのはもったいないということになり, 病院のナースや一般の方にも広く公開しました。毎回出席してくださる方々もおられ,励ましの感想も書いていただきました。河合隼雄,有馬朗人,石坂公成,杉村隆,加賀乙彦,柳田邦男,安達良英,高崎直道各先生方が,皆さん別々の言葉でありながら,しかし医療医学が病に倒れた患者のためであることを種々の切り口から心を込めて語って下さいました。この講演をこのままにしておくのはもったいなく,金原出版の協力により,このような立派な冊子に編集することができました。これが医学生だけでなしに,一般の方にも「医の心」を伝える縁となれば,編者としても幸せです。
「医の原点」を企画してより
■医療における人間関係
河合 隼雄(文化庁長官・京都大学名誉教授)
近代医学における体と心の区別
医学と医療学
患者との関係のあり方−身も心も入った関係
医者と患
者及び患者の家族の人間関係
心と体の関係
医療チームの人間関係
講演後の質問に答えて
■作品としての医療−求められる「2.5人称の視点」−
柳田 邦男(ノンフィクション作家,評論家)
医療とは何か
「あなたは今,一番何がしたいですか」
「生きられた時間」の獲得
いのちを見る眼−
他者とわが身
「生と死」の人称性
「2.5人称の視点」と治療的自我
物語を生きる人間
コミュニケーション−「医師もまた言葉を使う人である」
「私の代表作」という意識  医療者の内面的成熟とアート
医の心とアート  講演後の質問に答えて
■医の原点−自分が病気になった経験から−
杉村  隆(国立がんセンター名誉総長)
医療をされる側,する側誤診−膵臓癌と診断される/誤人−肺癌と診断される/腎結石(silent)発見から本当
の病気へ/無症状性心筋梗塞/めまい発作   医の原点からの独創性  講演後の質問に答えて
■私の糖病記−移植医療の素晴らしさ−
安達 良英(元新日本製鐵重役)
移植手術を受けるに至った経緯
 腎移植/心臓弁移植
移植医療の素晴らしさ
 普通の体で普通の生活を/移植者へのアンケート結果/移植者のことば/臓器移植は一般医療/医療費の節減日本・欧米 臓器移植数  
何故日本で移植は増えないのか−日本人論に結びつくのか−
 脳死の定義/臓器提供の条件/日本人の生死観・遺体観/隣人愛/移植医療についての認識/「(日本で移植が増えない)その最大の理由は公共の福祉に関心が低い国民性にあるのではないか」
私の期待する「医師」とは
講演を終えて
講演後の質問に答えて