臨床放射線

画像診断レポート ここだけは落とせない! 主治医に伝えるべきポイント

2022年10月臨時増刊号(67巻 11号)

企 画
定 価 9,350円
(本体8,500円+税)
在庫状況 あり
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第1章 脳神経
1 脳腫瘍
大山 潤
2 脳梗塞
藤原 広和
3 脳出血
金子 智喜
4 脱髄/代謝/中毒性疾患
檜垣 文代
5 変性疾患
辰尾 宇一郎
6 感染症
勝部 敬
第2章 頭頸部
1 頭頸部癌
久保 優子
2 感染症・炎症性疾患
池之内 穣
第3章 呼吸器
1 肺癌:検診 (胸部X線/CT検診)
丸山 雄一郎
2 肺癌:病期診断の基本
西山 晃
3 縦隔腫瘍
原 眞咲
4 間質性肺炎
杉浦 弘明
5 感染性肺炎
佐藤 晴佳
6 閉塞性肺疾患
松岡 伸
第4章 心臓・大血管
1 虚血性心疾患
中西 理子
2 大動脈瘤
関口 達也
3 心臓サルコイドーシス
宮川 正男
4 肺塞栓症・深部静脈血栓症
田村 全
5 末梢動脈疾患
三田 祥寛
第5章 消化器
1 肝腫瘍
南口 貴世介
2 胆嚢/胆管腫瘍
高山 幸久
3 膵癌
野田 佳史
4 膵嚢胞性疾患
桑鶴 良季
5 急性膵炎
蒲田 敏文
6 消化管腫瘍
西牟田 雄祐
7 腸閉塞・消化管ヘルニア
伊牟田 真功
第6章 産婦人科
1 子宮頸癌/体癌
谷尾 宜子
2 卵巣/卵管腫瘤
竹内 麻由美
3 子宮筋腫
高濱 潤子
4 子宮内膜症
武輪 恵
第7章 腎泌尿器
1 腎腫瘍
竹山 信之
2 腎盂尿管/膀胱腫瘍
宗 近次朗
3 前立腺癌
有田 祐起
4 尿路結石・尿路感染症
高橋 哲
5 副腎/後腹膜腫瘍
山田 隆之
第8章 乳房
1 乳癌:検診
坂 佳奈子
2 乳癌:術前
中島 一彰
3 乳癌:術後の変化と再発
久保田 一徳
第9章 骨軟部
1 骨腫瘍
谷 千尋
2 軟部腫瘍
古田 寿宏
3 椎間板ヘルニア
中塚 智也
4 関節リウマチ
神島 保
 2022 年の臨時増刊号は「画像診断レポート ここだけは落とせない!主治医に伝えるべきポイント」のタイトルで画像診断レポート作成の要点をテーマとした。画像診断レポート(画像診断報告書、読影レポート)はCT やMRI などによって得られた情報から、重要なものをわかりやすくまとめ、依頼医(主治医)へ届けるものである。1996 年の診療報酬改定で画像診断レポートの作成に保険点数がつくようになり、さらにその後、要件を満たせば画像管理加算1〜3 の算定ができるようになり、病院経営上も一定の影響がある。
 我が国では画像診断レポートに記載すべき内容に関して統一した提言はないが、多くの大学病院の放射線科では、米国放射線学会(America College of Radiology:ACR)や欧州放射線学会(European Society of Radiology:ESR)が掲げているものに準じてレポートが作成されている。画像診断レポートは、将来的には構造化報告書(structured report:SR)のように記載方法が統一され、その在り方も変化していくことが予想されるが、その場合も「放射線科医と主治医のコミュニケーションツール」という本質は変わらない。読者の放射線診断医の皆様も、「どのようにレポートを作成すれば主治医の意図に応え、患者の健康に寄与できるか」と日々工夫されていることと思う。
 本増刊号では、画像診断レポートを作成する機会の多い疾患を対象に、それらの読影経験が豊富な施設の先生方に執筆をお願いした。画像診断レポート作成には様々な流儀があるが、各筆者には、疾患の概要や画像検査がオーダーされる状況、読影のポイントも示しつつ、筆者が考えるレポート作成のポイントを解説していただいた。画像所見によっては追加の検査や早期の加療が必要となる場合もあり、レポートへの記載だけでなく主治医に直接連絡すべき事例について触れられている稿もある。また、レポート作成に焦点を当てた企画ではあるが、読影ポイントについても多く記していただいている。放射線科の若手医師と放射線科を志す研修医にとっては日々の修練のために、放射線診断専門医にとっては専門外の領域を読影する際に参考になるような内容となっている。また、「画像診断についてさらに理解を深めたい」あるいは「合同カンファレンス時に画像所見の見方に悩んでいる」というコメディカル(診断放射線技師や看護師)の読者にも参考としていただけるのではないかと思う。
 本増刊号の内容が、読者の皆様の日々の画像診断・レポート作成に役立つように祈念する。最後に、コロナ禍で厳しい業務環境の中、執筆の難しいテーマにもかかわらずご協力いただいた筆者の皆様に厚く御礼申し上げる。

2022年10月
『臨床放射線』編集委員会