前庭リハビリテーションガイドライン 2024年版

平衡訓練/前庭リハビリテーションのガイドラインが誕生!

編 集 日本めまい平衡医学会
定 価 3,300円
(3,000円+税)
発行日 2024/02/20
ISBN 978-4-307-37136-0

B5判・100頁・カラー図数:9枚

在庫状況 あり

前庭リハビリテーションはめまい患者の日常生活動作(ADL)改善目的で行われるが、日本国内ではかつて様々な訓練方法が混在していた。日本めまい平衡医学会はその標準化を目的に、本ガイドラインを策定した。訓練方法をイラストで詳細に解説し、11のCQでシステマティックレビューに則ってエビデンスを解析し、推奨を作成した。エビデンスによって標準化された前庭リハビリテーションを学ぶために、必携・必読・必修の1冊。
前庭リハビリテーションガイドライン2024年版の発刊にあたって
Clinical Question (CQ)・推奨一覧

第1章 作成の経緯・概要
1 要約
2 作成委員会
3 資金提供・スポンサー・利益相反
4 作成の背景と沿革
5 作成目的ならびに目標
6 利用者
7 対象
8 エビデンスの収集
9 エビデンス総体の評価
10 推奨作成
11 リリース前のレビュー
 11.1 外部・内部評価者によるレビュー
 11.2 外部・内部評価者による指摘点とガイドライン作成委員会の対応
 11.3 パブリックコメント
 11.4 パブリックコメントとガイドライン作成委員会の対応
12 更新の計画
13 推奨および理由説明
14 患者の希望
15 実施における検討事項
16 前庭リハビリテーションの定義と目的
17 前庭リハビリテーションの対象
18 前庭リハビリテーションのメカニズム
 18.1 動的前庭代償を促進する平衡訓練
 18.2 前庭脊髄反射(半規管脊髄反射)の適応を誘導する平衡訓練
 18.3 前庭動眼反射(半規管動眼反射)の適応を誘導する平衡訓練
 18.4 前庭脊髄反射(耳石器脊髄反射)の適応を誘導する平衡訓練
 18.5 感覚代行を誘導する平衡訓練
 18.6 慣れを誘導する平衡訓練

第2章 前庭リハビリテーションの訓練方法
1 座位 頭部運動訓練
2 立位 バランス訓練
3 歩行訓練
4 慣れを誘導する訓練
5 段階的前庭リハビリテーションの実施方法

第3章 前庭リハビリテーションの評価
1 自覚症状の評価
2 他覚所見の評価
 2.1 眼球運動検査
 2.2 バランス・歩行検査
3 その他の評価

第4章 クリニカルクエスチョンClinical Question (CQ)
CQ1 慢性期の一側末梢前庭障害に前庭リハビリテーションは有用か?
CQ2 慢性期の両側末梢前庭障害に前庭リハビリテーションは有用か?
CQ3 急性期・亜急性期の末梢前庭障害に前庭リハビリテーションは有用か?
CQ4 高齢者の末梢前庭障害に前庭リハビリテーションは有用か?
CQ5 末梢前庭障害以外のめまい・平衡障害に前庭リハビリテーションは有用か?
CQ6 理学療法士の介入とホームエクササイズを併用した前庭リハビリテーションは有用か?
CQ7 ホームエクササイズのみによる前庭リハビリテーションは有用か?
CQ8 前庭リハビリテーションにはどの程度の訓練回数、時間、期間が必要か?
CQ9 前庭リハビリテーションはめまいによるQOLの低下の改善に有用か?
CQ10 前庭リハビリテーションはめまいに伴う抑うつや不安の改善に有用か?
CQ11 バイオフィードバックなどの医療テクノロジーを用いた前庭リハビリテーションは有用か?

第5章 参考資料・略語一覧表
1 参考資料
訓練動画QRコード
 1.1 座位 頭部運動訓練
 1.2 立位 バランス訓練
 1.3 歩行訓練
 1.4 慣れを誘導する訓練
2 略語一覧表

索引
前庭リハビリテーションガイドライン2024年版の発刊にあたって

 一側の末梢前庭が障害されると、めまいや平衡障害が出現するが、前庭代償により次第に回復する。しかし、前庭代償が遅延してめまい・平衡障害が持続する例も少なくない。前庭代償が遅延し、頭部や身体の動きによりめまい・平衡障害が誘発される末梢前庭障害患者に対して、日常生活動作(ADL)を改善し、転倒リスクを軽減して円滑な社会活動を営めるようにする目的で、平衡訓練/前庭リハビリテーション(vestibular rehabilitation)が行われる。
 平衡訓練/前庭リハビリテーションは、1940 年代に Cawthorne と Cooksey らにより考案された。その後、頭部と眼の運動、立位や歩行における頭部と身体の運動などを組み合わせた平衡訓練/前庭リハビリテーションが提唱された。2015年のコクランレビューでは、末梢前庭障害患者に対する前庭リハビリテーションは中等度から強いエビデンスがあり安全で効果的な方法であると報告されている。米国では前庭リハビリテーションを専門職とする理学療法士が存在し、多くの医療現場で前庭リハビリテーションが実施されている。
 本邦においては、1990 年に日本平衡神経科学会(日本めまい平衡医学会の前身)が「平衡訓練の基準」を提案した。以来、外来での訓練指導、冊子を配布してのホームエクササイズ、集団での訓練指導などの様々な形態で、医師主導のもと平衡訓練/前庭リハビリテーションが行われてきた。しかし、各施設で異なる訓練方法で前庭リハビリテーションが行われているという問題点があった。そこで日本めまい平衡医学会が「平衡訓練の基準」を「平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準2021 年版」に改訂し、メカニズムに基づいた訓練方法の標準化を提案した。本ガイドライン作成委員会では、この2021 年版をもとに、「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020ver.3.0」に準拠して前庭リハビリテーションガイドラインの策定を行った。そして、『前庭リハビリテーションガイドライン2024 年版』は日本めまい平衡医学会の理事会の審議を経て完成した。
 本ガイドラインの作成に携わっていただいた委員の先生方に深甚なる敬意と謝意を表すとともに、本ガイドラインがめまい診療の質の向上と前庭リハビリテーション普及に役立ち、めまい・平衡障害に悩む患者の福音となれば幸いである。

2024年2月

前庭リハビリテーションガイドライン2024年版作成委員長
伏木 宏彰