胃癌取扱い規約 第15版

TNM分類第8版に連動し、臨床・病理の各領域を幅広く改訂!

編 集 日本胃癌学会
定 価 4,104円
(3,800円+税)
発行日 2017/10/20
ISBN 978-4-307-20375-3

B5判・88頁・図数:12枚・カラー図数:83枚

在庫状況 あり

7年ぶりの改訂となる本版は、TNM分類第8版と連動し、進行度に臨床分類が設定されるなど大きく改訂された。病理でもWHO分類(2010)やBecker分類(2011)と比較できるようにするなど、国際的な情報共有がより深化した。また、食道癌や大腸癌など他の取扱い規約との整合性も配慮されている。さらに構成や項目順序の見直し、記載すべき事項を網羅したチェックリストの新設など、より利用しやすいものとした。
第1部 規約と説明
I.記載法の原則
II.原発巣の記載
 1.病巣の大きさと数
 2.占居部位
  1)胃と食道胃接合部領域の区分
  2)残胃癌
III.検体の取扱い
 1.生検材料の取扱い
 2.外科切除材料の取扱い
  1)所見記載
  2)切除胃の処理方法
  3)切除材料の固定方法
  4)切出し方法
  5)郭清リンパ節の検索方法
 3.内視鏡切除材料の取扱い
  1)標本の固定、肉眼観察および切出し
IV.肉眼型分類
 1.基本分類
 2.0型(表在型)の亜分類
 3.肉眼型分類の記載法
 肉眼型写真
V.壁深達度(T)
VI.病巣内の消化性潰瘍、潰瘍瘢痕の有無(UL)
VII.リンパ節転移の記載
 1.リンパ節の解剖学的定義と領域リンパ節
 2.リンパ節転移の記載法
  1)リンパ節転移の程度(N)
  2)リンパ節転移度
VIII.その他の転移
 1.その他の転移の有無と部位(M)
 2.肝転移(H)
 3.腹膜転移(P)
 4.腹腔洗浄細胞診(CY)
IX.進行度
 1.進行度分類(臨床分類)
 2.進行度分類(病理分類)
X.切除断端と腫瘍の遺残
 1.切除断端の臨床的(肉眼的)評価
  1)手術標本の切除断端
   (1)近位断端(PM)
   (2)遠位断端(DM)
  2)内視鏡切除標本の切除断端
   (1)水平断端(HM)
   (2)垂直断端(VM)
 2.腫瘍の遺残(R)
XI.病理学的所見
 1.切除標本の病理学的記載事項(チェックリスト)
 2.組織型分類の基準
 3.組織型
 4.組織型分類の説明
 [1]良性上皮性腫瘍
   (1)腺腫
    a.腸型
    b.胃型
 [2]悪性上皮性腫瘍
  1)一般型
   (1)乳頭腺癌(pap)
   (2)管状腺癌(tub)
    a.高分化(tub1)
    b.中分化(tub2)
   (3)低分化腺癌(por)
    a.充実型(por1)
    b.非充実型(por2)
   (4)印環細胞癌(sig)
   (5)粘液癌(muc)
  2)特殊型
   (1)カルチノイド腫瘍
   (2)内分泌細胞癌
   (3)リンパ球浸潤癌
   (4)胎児消化管類似癌
   (5)肝様腺癌
   (6)胃底腺型腺癌
   (7)腺扁平上皮癌
   (8)扁平上皮癌
   (9)未分化癌
   (10)その他の癌
 [3]悪性非上皮性腫瘍
  1)軟部腫瘍
   (1)消化管間質腫瘍(GIST)
   (2)平滑筋性腫瘍
   (3)神経性腫瘍
   (4)その他の軟部腫瘍
  2)リンパ腫
 [4]転移性腫瘍
 [5]腫瘍様病変
   (1)過形成性ポリープ
   (2)胃底腺ポリープ
   (3)粘膜下異所性胃腺
   (4)異所性膵
   (5)炎症性線維状ポリープ
 [6]消化管ポリポーシス
   (1)家族性大腸腺腫症
   (2)Peutz-Jeghers症候群
   (3)Cronkhite?Canada症候群
   (4)若年性ポリポーシス
   (5)Cowden病
   (6)その他のポリポーシス
XII.癌の浸潤増殖様式および脈管侵襲
 1.癌の浸潤増殖様式(INF)
 2.病巣内の消化性潰瘍、潰瘍瘢痕の有無(pUL)
 3.脈管侵襲
  1)リンパ管侵襲(Ly)
  2)静脈侵襲(V)
XIII.切除断端の病理組織学的評価
 1.手術標本の切除断端
  1)近位断端(pPM)
  2)遠位断端(pDM)
 2.内視鏡切除標本の切除断端
  1)水平断端(pHM)
  2)垂直断端(pVM)
XIV.薬物・放射線治療の組織学的効果判定基準
XV.胃生検組織診断分類(Group分類)
 1.原則
 2.分類
 3.補足説明
 4.記載例
組織型写真

第2部 薬物・放射線治療の評価
I.治療開始時の患者の状態
 1.一般状態(Performance Status)
 2.併存疾患の記載
 3.治療前評価
II.治療に関する記載
 1.薬物治療
 2.放射線治療
  1)治療方針
  2)照射法
  3)照射部位
III.臨床的治療効果
 1.全般的自他覚所見
 2.治療効果判定方法(RECIST 1.1に準拠)
  1)対象病変の計測性について
   (1)測定可能病変
   (2)測定不能病変
  2)効果判定基準
   (1)標的・非標的病変の定義
   (2)標的病変の効果判定基準
   (3)非標的病変の効果判定基準
   (4)標的または非標的病変を有する症例の時点効果判定
   (5)非標的病変のみを有する症例の時点効果判定
   (6)CRとPRを確定するための最良総合効果
 3.胃原発巣の治療効果判定方法
IV.薬物有害反応
V.生存期間等について
 1.全生存期間(OS)
 2.生存期間中央値または50%生存期間(MST)
 3.生存率
 4.無増悪生存期間(PFS)
 5.無増悪期間(TTP)
 6.無再発生存期間(RFS)
 7.無病生存期間(DFS)
 8.治療成功期間(TTF)
 9.奏効期間
 10.完全奏効期間
VI.その他

 略語表
 索 引
 胃癌取扱い規約は1962年に臨床・病理胃癌取扱い規約として第1版が出版されて以来、これまでに13回の改訂が行われている。これまでの改訂により、早期胃癌の概念の確立、生検グループ分類、ESD/EMR治療法の確立など、世界の胃癌診断と治療法における先駆者としての位置を確立してきた。また、胃癌取扱い規約は、我が国の胃癌診断および治療の指針として広く利用されるだけでなく、現在我が国に存在する27にも上る癌取扱い規約の基本となっている。
 2010年に行われた第14版胃癌取扱い規約の改訂では、日本胃癌学会は胃癌取扱い規約と胃癌治療ガイドラインの役割を明確にし、胃癌取扱い規約では胃癌の進行度、治療や診断の状況を記録するための腫蕩の状態(原発巣、転移巣、進行度)と治療の状態の評価(手術・内視鏡治療の根治性および薬物の効果判定)を記録するための基本的ルールを示すこととし手術を含む各種治療法とその適応など、臨床における具体的な治療の指針は治療ガイドラインに移行し、新しいエピデンスに基づき随時更新することした。また、国際的ながんのステージングとして利用されるTNM分類およびAJCCステージングとの整合性および翻訳可能性を図り、TNM分類の改訂時期に合わせることとした。2016年にはUICCから第8版TNM分類が出版されたことより、日本胃癌学会においても、第15版胃癌取扱い規約の出版を行うこととなった。
 第15版胃癌取扱い規約における編集の基本概念は第14版胃癌取扱い規約に準じ、我が国独自の分類も堅持するが、 TNM分類、食道癌および大腸癌取扱い規約との整合性もできるだけ配慮した。変更した個別の記載内容および記載順に関しては、より臨床医・病理医が利用しやすいものとした。
 第15版胃癌取扱い規約がこれまで以上に胃癌患者の適切な診断・治療に貢献することおよび国際的にも我が国の胃癌診療の高いレベルが評価され、ますます胃癌の診断と治療に関わる情報発信が日本から行われることを祈念する。

2017年10月
日本胃癌学会胃癌規約委員会
委員長 落合 淳志