国がんドクター片井の胃外科手術

圧倒的なイラスト数で、胃癌手術の術者と助手の手技を徹底解説!

著 者 片井 均
定 価 16,200円
(15,000円+税)
発行日 2016/03/18
ISBN 978-4-307-20353-1

216頁・カラー図数:315枚

在庫状況 あり

開腹手術、腹腔鏡手術に2大別される胃癌の手術。早期胃癌に対する腹腔鏡手術が増加していく一方で、進行胃癌に対する標準手術はあくまで“開腹による”D2郭清胃切除であり、日本で胃癌手術を行う限り、郭清を伴う開腹手術手技の習得は必須である。本書は、長年、国がんで技術を磨いた著者の開腹手術手技の集大成となる。胃全摘を中心に縮小手術から拡大手術まで、臨場感あふれるイラストで術者と助手の手技を徹底解説する。
〜総論 編〜

第 1 章 ものの考え方

1.1 郭清を伴う手術を行う動機づけ

1.2 郭清を伴う手術を行うための心構え

1.3 Zero mortality

1.4 屁理屈でも理屈

1.5 謙虚であれ

1.6 言い聞かせている言葉


第 2 章 手術の基本手技

2.1 手術の基本

2.2 胃癌手術に必要な手術器具



〜手術実技 編〜

第 3 章 進行胃癌に対する標準手術

3.1 胃全摘術(D2)

3.2 食道浸潤胃癌に対する手術(開腹横隔膜切開による食道裂孔へのアプローチ)

3.3 食道浸潤胃癌に対する手術(左開胸開腹アプローチ)

3.4 膵臓に関して

3.5 幽門側胃切除(D2)

3.6 幽門側胃切除後のRoux-en-Y再建法―がんセンターの標準再建


第 4 章 早期胃癌に対する縮小手術

4.1 幽門保存胃切除(D1+)

4.2 自律神経温存・空腸間置再建による噴門側胃切除(D1+)


第 5 章 拡大手術

5.1 腹部傍大動脈リンパ節郭清

5.2 残胃全摘術(胃癌に対する幽門側胃切除後の残胃癌)
胃癌の手術は開腹手術、腹腔鏡手術(ロボット手術を含む)に2大別されます。腹腔鏡手術の症例数の増加は著しく、早期胃癌の多くに腹腔鏡手術が行われようになってきています。進行胃癌に対する標準手術はあくまでも開腹によるD2郭清胃切除です。外科医は日本で胃癌手術を行う限り郭清を伴う開腹手術手技をきちんと身に着ける必要があります。
 郭清を伴う開腹胃手術は、難しい手術ではありますが、エキスパートが長年試行錯誤の末、磨かれた技術により「標準化」というハードルはすでに越えています。しかしながら、常にビデオ撮影されている腹腔鏡手術と異なり習熟した術者のビデオを見る機会は必ずしも多くありません。難しい手術も一つひとつの要件をこなすことができれば、その手技の習得は決して困難ではありません。
 国立がん研究センター中央病院(国がん)というhigh volume centerに従事している医師として、開腹手術の技術の伝承を行うことを責務と考え本書を出版することにしました。私自身は外科医になり約30年が経ち、国がんに奉職してからも20年が経過しました。生来、決して器用だとは思っていません。諸先輩に叱られ、指導を受け一人ひとりの患者の治療に全身全霊をささげる中で、一つひとつ学び、手術手技を向上させてきました。教育機関ですので多くの若手外科医の指導にもあたってきました。そのような私だからこそ後継者に、自分自身が学んだことをきちんと伝授できるという自負があります。
 国立がん研究センター胃外科には過去、現在に多くのスタッフがいます。手術のコンセプトは同じで、完成図も同じですが、手術完了までの工程、道具は異なります。本書はあくまでも、私が長年従事している国がんで技術を磨いた、私自身のものの考え方による、私自身の手術手技なので書名を「国がんドクター片井の胃外科手術」といたしました。
 ビデオによる教育が発達した現在でも、手術手技を身に着ける方法の一つとして良い手術書を繰り返し読み、シミュレーションを行うことは最も大切なことと考えています。本書が胃癌の外科治療に従事する外科医の良い参考書となることを願っています。
 2016年3月 片井 均