がん研胃癌データ解析ブック 1946-2007 第2版 データベースと解析ソフト

診療、学会発表、論文作成等に使える胃癌データと解析ソフト

編 著 中島  聰總 / 山口 俊晴 / 佐野 武
定 価 6,600円
(6,000円+税)
発行日 2012/02/13
ISBN 978-4-307-20294-7

B5判・96頁・図数:80枚・カラー図数:80枚

在庫状況 なし

がん研消化器外科の胃癌診療に関するdynamic database。2006年刊行の前著に3年分のデータと解析ソフトを追加。1946年から2007年にわたる15,604例255変数という単独施設のものとしては世界最大のデータをCD-ROMに収録、付属の解析ソフト(Windows版Excel対応)により読者は自由に解析し、診療・研究に利用できる。胃癌取扱い規約第14版(TNM第7版)、胃癌治療ガイドライン第3版に準拠。

『第2版序』より
初版と第2版との相違点は以下の通りである。
1.初版に含まれていた癌研消化器外科における1946〜2004年までの胃癌データに2005〜2007年の3年間のデータを追加し、合計15,604例のデータを収載したこと。
2.深達度、リンパ節転移度、遠隔転移、ステージ分類を胃癌取扱い規約第14版(TNM分類第7版)ならびに胃癌治療ガイドライン第3版に準拠して記載したこと。
3.臨床医が日常診療や学会発表、論文作成において繁用するクロス集計、生存率、胃癌の局所リンパ節への部位別転移率の計算ソフトをデータにリンクして、すぐに計算可能にしたことである。

 第2版の目的は、学会や日常診療に役立つdynamic databaseの構築である。日常診療におけるカルテや手術所見、病理報告書の記載はそのままでは統計的処理ができない。いずれにしてもspread sheet型、あるいはカード型のデータベース化することが必要である。さらにデータベースは利用されなければ意味がない。
 そこで、クロス集計、生存率、部位別リンパ節転移率などの繁用する計算式をExcelのMacro-commandを用いて作成し、データにリンクして利用できるようにした。したがって、初版のように多様な図表を用意する必要がなくなり、必要なデータを各利用者がその都度必要に応じて作成することができるようにした。また、得られたデータをそのままExcelのメニューからグラフ化することも可能である。部位別リンパ節転移率の表では術式を入れることによってD1、D1+、D2の郭清範囲を色別に表示している。
 また、癌の進展(T、N、M)やStageなどは最新の胃癌取扱い規約、胃癌治療ガイドラインに準拠している。3つの計算式を実際に利用する手引きとしていくつかのサンプルを用意した。実際に計算してみてサンプルと比較すれば、利用方法の習得に役立つであろう。データの部分は17MBとやや重いが、解析ソフトは軽いので、普通のノートパソコンで軽快に動作する。将来はiPadのようなデバイスでも利用できるようにしたい。
 上記の3つの計算以外の計算を研究用に行いたい場合は、従来どおり各自の手持ちの統計ソフトに取り込んで解析する必要がある。データはExcel formatで格納されているから、SAS、JMPには問題なく取り込める。
はじめてお使いになる方へ

CIH胃癌DB集計Excelご利用ガイド
 1.はじめに
  1.1 CIH胃癌DB集計Excelについて
  1.2 CD-ROMに含まれるファイルの構成
  1.3 動作環境
 2.Excelのセキュリティ設定
  2.1 Excelのセキュリティ設定を行う
 3. CIH胃癌DB集計Excelの画面構成について
  3.1 起動後の画面について
  3.2 表紙
  3.3 ファイル選択
  3.4 作業選択
  3.5 抽出条件設定
  3.6 クロス集計
  3.7 生存率
  3.8 転移率
  3.9 Work
 4.まとめと例示:各種集計表の作成
  4.1 クロス集計表の作成
  4.2 生命表の作成
  4.3 転移率の算出
 5.作業を終了する
  5.1 作業内容を保存する
  5.2 作業を終了する

胃癌データベース解説
 図1 Fileの構成
 表1 File別にみた症例数の年代別構成
 表2 胃癌単発手術症例(File F)の年代別切除率、腫瘍遺残度、術後合併症率、直死率、5生率
 表3 年代別Stage分類(v7)の分布
 図2-1 年代別症例分布
 図2-2 年代別Stage別症例分布
 表4 単発胃癌手術を症例(File F)の年代別術後生存率
 図3 同生存曲線
 表5 単発切除症例(File H)におけるStage(v7)別術後生存率
 図4 同生存曲線
 図5 単発切除症例のStage別5生率の年代推移
 表6 TNM Stage分類、v6 vs v7の相関
 表7 TNM Stage v6とv7の症例分布の相関と5生率(File H)
 表8、図8 切除症例における早期癌/進行癌の比率の年代推移
 表9 腫瘍の大きさの年代推移
 表10 単発胃癌症例(File B)の占居部位の年代推移
 表11 年齢層と占居部位の相関
 表12 手術年代別にみたリンパ節転移度
 表13 深達度とリンパ節転移度の相関
 表14 肉眼的および組織学的深達度の相関と5生率
 表15 占居部位別にみたリンパ節転移度
 表16 占居部位と深達度からみたリンパ節転移率と5生率
 表17 分化型で肉眼的M癌の占居部位別・大きさ別発現頻度と5生率
 表18 未分化型癌で肉眼的M癌の占居部位別・大きさ別発現頻度、転移頻度と5生率

胃癌Coding表