新版ESDアトラス 総論・食道・胃 編 [Web動画付]

豊富な症例でESDを徹底解説!中上級者も満足の大ボリューム!

著 者 豊永 高史
定 価 19,800円
(18,000円+税)
発行日 2024/04/25
ISBN 978-4-307-10215-5

B5判・448頁・カラー図数:3000枚

在庫状況 あり

症例数:約150症例、総動画時間:約70時間、総画像数:3,000枚以上。圧倒的なボリュームで、基礎から限界への挑戦まで、ESDの現在の到達点を網羅した。知りたい部分をピンポイントで解説するshort動画と、エキスパートな術者が解説しながら行ったライブセミナー動画の2種類で、手技の細部から戦略まで全てが見られる。困難な症例も多く提示・解説した、ESDで高みを目指す医師に必携の書。
1章 総論
1.序説
 1 困難例・限界例への挑戦
 2 提示症例の選択

2.ESDの原理とクオリティコントロール
 1 適切な切開・剥離深度と困難例の対処
 <適切な切開・剥離深度の定義>
 <代表的な困難例と消化管壁の血管構築>
 <血管密度と難易度の差異>
 <適切な剥離深度を得る手技上のコツ>
 <剥離深度を維持するための手技上のコツ>
 <線維化を伴う症例>
 <アプローチ困難例への対処>
 2 根治性の評価と求められる標本の質

3.ESDの主要3method
 1 従来法(ConventIonal flap creatIon method : CFM)
 2 トラクションデバイス併用法(TractIon devIce assIsted ESD : TA-ESD)
 3 ポケット法(Pocket creatIon method : PCM)
 4 主要3methodの使い分け

4.準備とセットアップ
 1 ESDに求められる技量とトレーニング
 <内視鏡操作とストロークの基本>
 <トレーニング方法>
 <ハンズオンセミナー>
 2 セットアップと内視鏡室のレイアウト
 <周辺機器と各種デバイス・製剤>
 <スコープの選択とアタッチメントの装着法>
 <トラクションデバイス>
 <TrIangulatIon実現の取り組み>
 <EndoTrac>
 <標本の回収と取り扱い>
 <周術期管理>

5.高周波手術装置
 1 高周波手術の原理
 <最低限の基礎知識>
 <モノポーラとバイポーラ>
 <切開とは>
 <凝固とは>
 <デューティーサイクルとクレストファクター>
 2 機種の性能と使い方
 <基本性能>
 <モードの構成>
 <機種別モードの特徴と使い方>
 >ICC200/350 ─内視鏡治療に革命をもたらした歴史的な名機─
 >VIO200D/300D ─多彩なモードと調節法─
 >VIO3 ─桁違いのスペックと簡便な使い分け─

6.FlushKnIfe
 1 FlushKnIfeの開発・改良とその意義
 <Short needle knIfe>
 <FlushKnIfe>
 <FlushKnIfe BT>
 <FlushKnIfe BT-S / N-S>
 2 FlushKnIfeの各種ストローク
 <セットアップの注意点>
 <マーキング>
 <粘膜切開>
 <粘膜下層剥離>
 <ナイフ操作とスコープ操作の協調>
 <FlushKnIfeによる出血コントロール>
 <ナイフを没突させることができるメリット>
 <ナイフの選択>
 <切開・剥離時におけるランドマークと意識の持ち方>

 付説 FlushKnIfeと止血鉗子による出血対策
 <FlushKnIfeによるプレ凝固>
 <鉗子による止血術>
 <Coagrasper Gの開発と使い方>
1章 総論 文献

2章 食道

1.基本症例
 1 従来法:CFM
 症例2-1-1-1) 中部食道0-IIc / CFM・片側フラップ
 症例2-1-1-2) 中部食道0-IIb+IIa / CFM・両側フラップ
 ライブ症例2-1-1-3) 中部食道0-IIa+IIc / CFM・片側フラップ
 2 ポケット法:PCM
 症例2-1-2-1) 中部食道IIa+IIb / PCM
 ライブ症例2-1-2-2) 中部食道0-IIa+IIc / PCM・筋層損傷
 3 トラクションデバイス併用法:TA-ESD
 ライブ症例2-1-3-1) 中部食道0-IIa+IIc /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例2-1-3-2) 中部食道0-IIb / TA-ESD・EndoTrac T type /筋層露出
 4 PCM+TA-ESD
 ライブ症例2-1-4-1) 中部食道0-IIa+IIc /PCM+TA-ESD・EndoTrac

2.広範囲切除例
 1 亜全周性切除
 ライブ症例2-2-1-1) 中部食道0-IIa+IIc・亜全周性病変 /TA-ESD・EndoTrac
 ライブ症例2-2-1-2) 中部食道0-IIa・亜全周性病変 / TA-ESD
 2 全周切除
 症例2-2-2-1) 中部食道0-IIa+IIb・全周性病変 / 従来法
 症例2-2-2-2) 中部食道0-IIc・全周性病変 / TA-ESD
 ライブ症例2-2-2-3) 中部食道0-IIa+IIb・全周性病変 / TA-ESD
 ライブ症例2-2-2-4) 中部食道0-IIa+IIb・全周性病変 / TA-ESD
 3 狭窄対策

3.困難例・特殊症例
 1 中・下咽頭、頸部食道
 ライブ症例2-3-1-1) 下咽頭表在癌 / TIVA・喉頭展開 / TA-ESD
 参考ライブ症例2-3-1-2) 下咽頭表在癌0-IIa 20 mm
 症例2-3-1-3) 頸部食道表在癌0-IIa+IIc 30 mm /挿管全身麻酔・喉頭展開 / TA-ESD
 症例2-3-1-4) 頸部食道表在癌0-IIc 30 mm / CFM → TA-ESD
 2 ESD/CRT後再発・異時多発病変
 症例2-3-2-1) ESD後瘢痕近傍IIc / TA-ESD
 ライブ症例2-3-2-2) ESD後瘢痕近傍IIb / TA-ESD
 症例2-3-2-3) CRT後再発全周性病変 / 従来法
 参考ライブ症例2-3-2-4) CRT後胸部中部食道 1/3 周性0-IIb 病変
 ライブ症例2-3-2-5) 下部食道1/3 周性IIc・亜全周性ESD後異時多発 / TA-ESD
 3 食道静脈瘤合併例
 症例2-3-3-1) 胸部中部食道0-IIc 病変・静脈瘤合併 /直前EVL・CFM
 症例2-3-3-2) 下部食道半周性IIb+IIc・静脈瘤合併 /事前EIS・CFM(両側フラップ)
 症例2-3-3-3) 下部食道亜全周性IIc・F2 静脈瘤合併 /前治療なし・TA-ESD
 ライブ症例2-3-3-4) 胸部中部食道0-IIc 病変・静脈瘤合併 /前治療なし・CFM → TA-ESD
 参考症例2-3-3-5) 胸部中部食道・局注による血腫処理例 / CFM
 参考ライブ症例2-3-3-6) 胸部中部食道・マーキングによる巨大血腫処理例
 ライブ症例2-3-3-7) 中部食道0-IIc+IIb・solItary venous dIlatatIon合併例 / TA-ESD
 4 憩室合併・筋層欠損例
 症例2-3-4-1) 胸部中部食道憩室に伸展する病変 / TA-ESD
 参考症例2-3-4-2) 胸部中部食道憩室に伸展する病変・胸腔鏡合同手術症例
 ライブ症例2-3-4-3) 胸部中部食道亜全周性切除・部分的筋層欠損例
 参考症例2-3-4-4) 食道筋層欠損例
 参考症例2-3-4-5) 食道下部全周性病変・剥離中筋層裂傷
 5 Barrett食道腺癌
 ライブ症例2-3-5-1) Barrett食道腺癌ESD後異時多発病変 /PCM+TA-ESD
 ライブ症例2-3-5-2) Barrett食道腺癌・全周性病変 / TA-ESD
 6 アカラシアに合併した食道表在癌
 症例2-3-6-1 食道ESD後POEM施行例
 参考症例2-3-6-2) POEM後食道ESD施行症例 / TA-ESD
 ライブ症例2-3-6-3) 胸部上部食道0-IIc 病変・POEM後 / TA-ESD
 参考ライブ症例2-3-6-4) 食道アカラシア straIght type / POEM
 参考症例2-3-6-5) 食道粘膜下腫瘍 / POET(SET)
 参考症例2-3-6-6) 食道アカラシア /POEM・3 mm FlushKnIfe BT-S
2章 食道 文献

3章 胃

1.噴門部
 1 噴門部小弯および前後壁
 症例3-1-1-1) 体上部後壁IIc / CFM
 症例3-1-1-2) 残胃噴門部前壁IIa+IIc / CFM
 ライブ症例3-1-1-3) 噴門部小弯側亜全周性病変 / CFM
 症例3-1-1-4) 噴門小弯側3/4周性病変・食道胃静脈瘤合併 / CFM
 症例3-1-1-5) 噴門小弯側3/4周性病変 / V字PCM
 ライブ症例3-1-1-6) 噴門部前後壁同時多発小病変 /PCM、CFM → TA-ESD
 2 大弯唇大弯にかかる病変
 症例3-1-2-1) 噴門部大弯側中心3/4周性のIIa / CFM
 症例3-1-2-2) 噴門部大弯中心半周性IIc / CFM・Clutch Cutter併用
 ライブ症例3-1-2-3) 噴門部大弯後壁 I+IIa / PCM
 ライブ症例3-1-2-4) 大弯唇大弯EMR後遺残IIa病変 /PCM → TA-ESD
 ライブ症例3-1-2-5) 大弯唇大弯IIc / PCM
 症例3-1-2-6) 噴門部大弯IIa / EMRC
 3 全周切除
 症例3-1-3-1) 噴門部全周性IIa / CFM
 症例3-1-3-2) 噴門部全周性I+IIa / PCM → TA-ESD
 症例3-1-3-3) 亜全周性広範IIa / CFM

2.穹窿部
 1 PCM
 症例3-2-1-1) 残胃穹窿部頂部前壁よりIIa+IIc / PCM
 2 トラクション併用
 症例3-2-2-1) 穹窿部大弯後壁IIc / TA-ESD・EndoTrac T type
 3 ライブ症例
 ライブ症例3-2-3-1) 穹窿部大弯IIc / TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-2-3-2) 穹窿部後壁大弯IIc /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-2-3-3) H.pylorI 未感染胃・穹窿部頂部IIa /TA-ESD・EndoTrac T type
 4 参考症例
 参考症例3-2-4-1) 穹窿部頂部IIc、UL(+) / TA-ESD
 参考症例3-2-4-2) 穹窿部巨大隆起性病変 / PCM+TA-ESD

3.体上部・体中部
 1 体上部前壁
 症例3-3-1-1) 体上部前壁小弯IIc / CFM
 ライブ症例3-3-1-2) 残胃前壁IIc / TA-ESD・EndoTrac
 ライブ症例3-3-1-3) 体上部前壁IIa / PCM+TA-ESD・EndoTrac
 ライブ症例3-3-1-4) 体上部前壁IIa /PCM、Retroflex tractIon technIque:RTT
 2 体上中部小弯・後壁
 ライブ症例3-3-2-1) 体中部小弯後壁IIc+IIb / CFM
 症例3-3-2-2) 体中部小弯大型IIa / CFM(BIlateral flap)
 ライブ症例3-3-2-3) 体中部小弯前壁IIa /CFM → TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-3-2-4) 体中部後壁IIc / CFM
 ライブ症例3-3-2-5) 体上部小弯後壁ESD後瘢痕近傍IIa+IIc /PCM・RTT+TA-ESD
 ライブ症例3-3-2-6) 体上部後壁IIc /PCM+TA-ESD・EndoTrac T type
 参考ライブ症例3-3-2-7) 体上部後壁大弯よりの病変
 3 胃体上部中部大弯
 症例3-3-3-1) 体中部大弯IIc / CFM
 症例3-3-3-2) 体上部大弯後壁IIc /CFM → Short ST hood、TA-ESD
 症例3-3-3-3) 体上部大弯IIc /CFM → TA-ESD・ClIp snare lIftIng
 ライブ症例3-3-3-4) 体上部大弯IIc /PCM → TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-3-3-5) 体上部大弯I+IIa /PCM+TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-3-3-6) 体中部大弯IIc+IIb /PCM+TA-ESD・浸水法併用
 4 UL病変
 <切除範囲の決定>
 <高度線維化領域の剥離>
 <モードの選択とアレンジ>
 (1)筋層と粘膜下層の境目が同定可能な症例
 症例3-3-4-1) 体中部小弯後壁UL(+)IIc 病変
 ライブ症例3-3-4-2) 体中部小弯後壁IIa+IIc UL(+) / CFM
 (2)筋層と粘膜下層の境目が不明瞭な症例
 症例3-3-4-3) 体中部小弯後壁IIc・UL(+) / CFM
 症例3-3-4-4) 体中部小弯後壁IIa+IIc・UL(+) / PCM
 症例3-3-4-5) 体上部後壁小弯IIc・cT1b癌 /PCM(myectomy/EMD)
 ライブ症例3-3-4-6) 体上中部小弯IIb+IIc・UL(+) /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-3-4-7) 体上部後壁IIc・UL(+) /PCM→TA-ESD(myectomy / EMD)

4.体下部・胃角部
 1 小弯側・近接困難例
 症例3-4-1-1) 体下部小弯IIc+IIa / CFM
 症例3-4-1-2) 体下部小弯IIa+IIc / CFM → TA-ESD・EndoTrac
 症例3-4-1-3) 体下部小弯IIa+IIc / PCM(Dot Butterfly)
 ライブ症例3-4-1-4) 体下部小弯微少IIc / CFM → TA-ESD
 症例3-4-1-5) 胃角部小弯IIa / TA-ESD(糸シース付きクリップ)・困難化例
 症例3-4-1-6) 胃角部小弯IIa・UL(+)・近接困難 / エアアシスト
 ライブ症例3-4-1-7) 胃角部小弯IIa・近接困難 / エアアシスト
 症例3-4-1-8) 胃角部小弯前壁UL(+)IIc・近接困難 /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-4-1-9) 体下部小弯ESD後瘢痕近傍IIc /TA-ESD・EndoTrac T type
 2 大弯にかかる病変
 ライブ症例3-4-2-1) 体下部大弯前壁IIc / CFM
 症例3-4-2-2) 体下部前壁大弯IIc /PCM+TA-ESD・EndoTrac C type
 ライブ症例 3-4-2-3) 体下部大弯前壁IIc・UL(+) /CFM→TA-ESD・CSL
 ライブ症例3-4-2-4) 体下部後壁IIa・ESD後異時多発病変 /PCM+TA-ESD・EndoTrac T type
 参考ライブ症例 3-4-2-5) 体下部後壁大弯よりIIc / PCM+TA-ESD
 ライブ症例3-4-2-6) 体下部大弯IIc・UL(+) / TA-ESD→PCM

5.前庭部
 症例3-5-1-1) 前庭部大弯IIa / CFM
 症例3-5-1-2) 前庭部小弯IIa / TA-ESD・EndoTrac T type
 症例3-5-1-3) 前庭部小弯IIa+IIc / PCM(Dot Butterfly)
 症例3-5-1-4) 前庭部小弯前壁IIc・ESD後瘢痕近傍 /CFM → TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-5-1-5) 前庭部3/4 周性IIa /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-5-1-6) 前庭部小弯ESD後瘢痕近傍IIa+IIc /TA-ESD・EndoTrac T type

6.幽門前部・幽門輪・十二指腸球部
 ライブ症例3-6-1-1) 幽門前部IIc / TA-ESD・EndoTrac
 症例3-6-1-2) 前庭前部・幽門輪3/4周・球部反転可/CFM → TA-ESD・糸付きクリップ
 症例3-6-1-3) 幽門前部4/5周・球部反転可/TA-ESD・糸・シース付きクリップ
 症例3-6-1-4) 幽門輪〜十二指腸球部下壁IIa・球部内反転不可 /TA-ESD・EndoTrac T type
 ライブ症例3-6-1-5) 球部下面?s+IIa・球部内反転不可 /TA-ESD・EndoTrac T type
 症例3-6-1-6) 十二指腸球部下面IIa / TA-ESD・EndoTrac T type
 幽門症例3-6-1-7) 前庭部〜球部前面上面IIa・球部内反転不要/EndoTrac・Short ST hood
 症例3-6-1-8) 前庭部〜十二指腸球部亜全周性I+IIa・球部内反転可 /CFM
 症例3-6-1-9) 幽門前部〜十二指腸球部Is / 中止例
 症例3-6-1-10) 幽門前部〜十二指腸球部 2/3 周性I+IIa・球部内反転不可 / TA-ESD・EndoTrac
 ライブ症例3-6-1-11) 幽門輪全周性IIa+IIc /TA-ESD・EndoTrac T type

7.広範囲切除と通過障害
 1 広範囲切除狭窄例
 症例3-7-1-1) 前庭部同時多発性IIc・拡張後遅発性穿孔例 /二期的切除・CFM
 症例3-7-1-2) 前庭部大弯〜小弯後壁ESD後遺残再発IIa+IIc・狭窄解除例 / CFM
 2 広範囲切除通過障害
 症例3-7-2-1) 体下部〜前庭部・広範IIa / 通過障害保存治療上限例
 症例3-7-2-2) 広範囲切除通過障害・嘔吐、胃破裂 / EAP施行例
 症例3-7-2-3) 広範囲切除通過障害・貧血進行、潰瘍治癒遅延 /EAP施行例
 症例3-7-2-4) 幽門輪を含む広範囲切除

8.残胃
 1 縫合線にかかる病変
 症例3-8-1-1) 残胃噴門部縫合線にかかるIIc / CFM
 症例3-8-1-2) 残胃小弯縫合線近傍の小病変 / TA-ESD・EndoTrac
 参考症例3-8-1-3) 残胃噴門部小弯前壁IIc病変
 症例3-8-1-4) 残胃小弯縫合線に接するIIa・post ESD coagulatIon syndrome / TA-ESD・EndoTrac T type
 2 残胃大弯
 症例3-8-2-1) 残胃大弯IIb・後出血、遅発性穿孔 /TDA・ClIp snare lIftIng
 症例3-8-2-2) 残胃大弯前壁IIb・ 遅発性穿孔 / DLS
 ライブ症例3-8-2-3) 残胃大弯IIc / PCM → TA-ESD・EndoTrac
 3 残胃吻合部
 症例3-8-3-1) 残胃BIllrothI吻合部大弯IIa / CFM
 ライブ症例3-8-3-2) 残胃BIllrothI吻合部IIa / CFM → TA-ESD
 症例3-8-3-3) 残胃BIllrothII吻合部大弯IIa / CSL
 症例3-8-3-4) 残胃BIllrothII吻合部大弯IIb /TA-ESD・反転アプローチ
 症例3-8-3-5) 残胃BIllrothII吻合部大弯後壁IIa・術中穿孔例 / CFM
 症例3-8-3-6) 残胃BIllrothII吻合部前壁IIa /TA-ESD・EndoTrac(prototype)
 症例3-8-3-7) 残胃BIllrothII吻合部後壁大弯IIc / PCM
 症例3-8-3-8) 胃全摘術後吻合部IIc+IIa / PCM+TA-ESD
 ライブ症例3-8-3-9) 残胃BIllrothII吻合部大弯IIa / TA-ESD
 ライブ症例3-8-3-10) 残胃BIllrothII吻合部大弯IIa / TA-ESD
 ライブ症例3-8-3-11) 残胃BIllrothII吻合部小弯後壁半周性IIa /TA-ESD・EndoTrac T type

9.胃管
 症例3-9-1-1) 胃管縫合線上のIIa / CFM
 症例3-9-1-2) 胃管癌ESD後遺残再発性IIa+IIc / CFM
 症例3-9-1-3) 胃管縫合線にかかるIIa+IIc・Post ESD coagulatIon syndrome / CFM
 症例3-9-1-4) 胃管癌亜全周性切除・狭窄解除例
 ライブ症例3-9-1-5) 胃管後壁IIc+IIa / PCM → TA-ESD /体位変換
 参考症例3-9-1-6) 食道亜全摘胃管再建術後通過障害・内視鏡的形成術
3章 胃 文献
 本書の初版を2006 年に上梓した当時、ESD は普及途上の段階であった。既に本邦では保険収載され日常診療として広く実践されるに至っている。海外でもその有用性は広く認識され、普及の一途を辿っている状況である。一方、欧米を中心に海外ではSleeve gastroplasty やPOEM/POET, 内視鏡的全層切除・縫合術など、Flexible endoscopic surgery の一つ術式としてESD は捉えられている。さらにDevice assisted ESD として、技術に頼らず誰でも迅速に施行できることを目指した機器の開発が続いている。しかし、本邦では高い内視鏡技術を背景に、精緻で老練な独特の進化を遂げているようにも映る。今後大がかりなデバイスの併用や内視鏡的全層切除の応用などで困難例が簡単に切除できる時代が訪れるかもしれない。しかし、高額なデバイスの併用が医療経済に与える影響は無視できない。安易な全層切除も慎むべきであろう。今後どのような時代が訪れるとしても、ESD の現在の到達点をまとめておく意味はあると思われる。
 初版では臓器・状況に応じてデバイスを使い分けることを提案した。しかし、その後筆者のESD はFlushKnife をメインデバイスとし、症例に応じてmethod、テクニック、アクセサリーデバイスを使い分ける方法に変容していった。初版の内容も従来法のstrategy としては未だに有効であると自負しているが、具体的な手技が現状と異なっていることは否めない。なるべく早く実際に施行しているESD の全貌をまとめておきたいと考えていた。
 構想10 年。よく耳にするフレーズである。本書にもそれは該当し、長年構想を練ってきた。症例を集積、内容や提示の仕方などを検討し、本格的な原稿の準備に取りかかったのはコロナ禍で国内外出張がなくなった2020 年春からである。1 年程で準備できると高を括っていたが、主要3method で施行した各部位のESD 症例をそれぞれ提示することを企画したところ、膨大な量となった。やむなく上下2 巻に分けて出版することとなり、未だ下巻『大腸・十二指腸・各地のライブ症例 編(仮)』は準備の途上である。ライブ症例は2018 年頃から収録に着手。初版では動画の供覧はDVD によらざるを得ず、提示できる時間に限りがあった。今の時代はサーバーから閲覧する方式で限界はない。結果、これも膨大な作業を要することとなった。症例によっては長時間に及ぶものもある。適宜、再生速度を早めるなどして視聴していただきたい。
 本書では、比較的古い症例から直近の症例まで、かなり長い期間の症例が混在している。糸シース付きクリップでのトラクションを報告したのが2011 年。PCM を始めて施行したのは2013 年12 月。VIO3 の導入が2018 年3 月。EndoTrac の導入もその頃である。症例は部位順に提示してある。時代背景は使用しているデバイスやmethod を基に推測していただきたい。最近の話題は浸水法であろう。万一穿孔した際は腹膜播種の恐れもあり、当初は否定的な意見を抱いていた。しかし、十二指腸においては本法の役割が大きく、その準備として他臓器、特に大腸では状況に応じて併用するようになった。2022 年秋から時に試みるようになり、2023 年から状況、症例に応じて比較的積極的に併用している。困難状況を解決する上で一定の役割を担っている状況である。本書の対象臓器では浸水法を要する割合は少ないが、水際での処置は最も避けるべきであり、水没回避か思い切って浸水か状況に応じて躊躇なく選択している。
 今後もデバイスの改良・開発、method 等の刷新は続いていくと思われる。しかし、過去の手法が完全に廃れるわけではない。新しい方法も以前の方法と見比べることでその真価や取り組むべき改善点も明らかになると思われる。本書がESD、特に困難例へ取り組む読者に少しでも参考になることを願っている。

2024年2月
豊永 高史