皮膚科の臨床

ウイルス感染症

2010年11月号(52巻 12号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 ウイルス感染症
黄色ブドウ球菌および溶連菌感染症を合併し敗血症に至ったKaposi水痘様発疹症の1例
松崎 ひとみ
腹筋麻痺を伴った帯状疱疹の1例
安部 美穂
腹筋麻痺と麻痺性イレウスを合併した帯状疱疹の1例
木村 雅明
妊娠中に帯状疱疹を発症しRamsay-Hunt症候群を合併した1例
小谷 和弘
AIDS患者にみられたKaposi肉腫の1例
上嶋 祐太
Kaposi肉腫からAIDSが判明した1例
辻 真紀
好酸球性膿疱性毛包炎からAIDSが判明した1例
熊田 朗子
イミキモドが有効であったAIDS患者に生じた伝染性軟属腫の1例
松下 佳代
肛囲に生じた巨大尖圭コンジローマの1例
馬場 義博
■Clinicolor
多彩な皮疹を呈した第2期梅毒疹
林 韻欣
■巻頭言
老人性紫斑
鎌田 英明
■臨床講義
皮膚抗酸菌感染症
清島 真理子
■臨床研究
当院における難治性脱毛症患者39例の検討−第1報:病型別の特徴−
岸本 和弘
■随想
「杢太郎」落ち穂拾い(23)序曲を歌う(2)
上野 賢一
■症例
PGE1誘導体(オルノプロスチル)によってその発症を抑制できた小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの1例
池村 志麻乃
劇症1型糖尿病を発症したサラゾスルファピリジンによる薬剤性過敏症症候群の1例
佐藤 かすみ
播種性糞線虫症による出血性肺炎で死亡した重症薬疹
西尾 晴子
非イオン性ヨード造影剤の血管外漏出をきたした3例
池上 隆太
著明な心嚢水および胸水を認めたアレルギー性肉芽腫性血管炎の1例
日景 聡子
3D-CT Angiographyが診断に有用であった側頭動脈炎の1例
澤田 詩織
下腿潰瘍を生じた原発性マクログロブリン血症の1例
眞部 恵子
再発性多発性軟骨炎の1例
菅谷 広野
尋常性乾癬患者に生じた象皮病の1例
桑原 慎治
慢性リンパ性白血病に合併したALアミロイドーシスの1例
松田 芳和
Hatchet Flapを用いて修復した膝蓋部低温熱傷の1例
芳賀 貴裕
遊走性紅斑を呈したライム病の3例
長谷部 育恵
多彩な皮疹を呈した第2期梅毒疹
林 韻欣
脂腺母斑を合併した皮下皮様嚢腫の1例
大浪 薫
皮下に生じたSclerotic Fibromaの1例
大島 昇
Hobnail Hemangiomaの1例
永廣 利恵
乳頭部に生じた基底細胞癌の1例
青笹 尚彦
外陰部に発生したNeuroendocrine Cell Carcinomaの1例
山田 英明
■MiniReport
汎発性光沢苔癬の1例
中嶋 康之
放射線療法が奏効したAngiolymphoid Hyperplasia with Eosinophiliaの1例
長村 蔵人
頸部結核性リンパ節炎の1例
安岡 英美
陰茎縫線嚢腫の1例
西山 有希子
Folliculosebaceous Cystic Hamartoma の1例
飯田 剛士
特異な外観を呈した外陰部懸垂性線維腫の1例
黒川 麻里子
鼻尖部に生じたSolitary Plexiform Neurofibroma
今中 愛子
背部に生じた増殖性外毛根鞘性嚢腫の1例
永岡 譲
術後18年目に局所皮膚再発した乳癌の1例
浅野 千賀
 「○○に対し××療法が有効であった△例」という論文は昔からたくさんありますし、本誌にもしばしば掲載されます。有効性の最終的な確認のためにはランダム化二重盲検比較試験が必要であることはいうまでもありませんが、1例ずつの経験の積み重ねがエビデンスにつながっていくのですから、たとえ1例の経験であっても報告する価値のある症例はたくさんあります。ただその場合重要なのは、「○○に対し××を行ったらよくなった、だから有効なのだ」という論理ではだめだということです。もしかすると××をやらなくても(自然経過で)よくなったかもしれないし、あるいは同時に行っていた別の治療が効いたのかもしれません。

 アトピービジネスの例を挙げるまでもなく、ニセ治療、イカサマ治療の横行は医療にとって大きな脅威となります。その意味で今年8月、最近話題のホメオパシーについて、日本学術会議の金澤一郎会長がその効果を全面的に否定する会長談話を発表したのは大英断だったと思います。これを受けてすぐに日本医師会と日本医学会は、この金澤談話に全面的に賛成すると発表しました。非科学的な治療行為により医療現場が混乱することがないように努めるのも我々の責務だと思います。

 ホメオパシーの効果といわれるものの大部分はいわゆるプラセボ効果と思われますが、「○○に対し××を行ったらよくなった、だから有効なのだ」という論理ではホメオパシーと何ら変わりがありません。有効であった、と結論するのであれば、確かに××療法の効果であることを読者が十分に納得できるように論じてもらう必要があります。皮膚科においては皮疹という眼に見えるものを相手にしているので、プラセボ効果というのはあまりないと思いますが、自然軽快ではないか、同時に行っていた他の治療の効果ではないか、などについては十分に考慮して頂きたいと思います。そしてもし有効性にいくばくかの
疑問が残るようなら、「有効であった」とはせず、「有効と思われた」「××を用いて治療した」などの抑えた表現にするのが正しい科学的態度でしょう(なおこの一文は本号に掲載された特定の論文を指してのものではないことを念のため申し添えます)。

(相馬良直)