第I章 高齢者診療で必要な基礎知識
1 超高齢社会における医療の仕組みと皮膚科診療
磯貝 善蔵
2 健康寿命を延ばすために
佐竹 昭介・荒井 秀典
3 老化の発症機序
(1)老化の分子機構
川口 耕一郎・丸山 光生
(2)表皮の老化
船坂 陽子
(3)真皮の老化
山本 俊幸
(4)毛髪の老化
大山 学
4 認知症の診断、対策、予防
井桁 之総
5 高齢者診療時の注意点
(1)診察の注意点
植木理恵
(2)処方の注意点
今井 博久・熊澤 良祐
(3)看護の注意点
飯坂 真司・田中 秀子
(4)栄養管理の注意点
金子 健彦
(5)高齢者の口腔ケアで留意すべきこと-口腔乾燥と口腔カンジダ症への対応-
片倉 朗
(6)性差による老化の違い-高齢女性のみえない皮膚疾患とその対応-
檜垣 祐子
COLUMN(1)高齢者施設の疫学調査より
常深 祐一郎
6 在宅医療
(1)在宅医療の仕組みと用語
木下 三和子
(2)在宅医療の診療報酬算定と書類作成
服部 尚子
(3)在宅医療における皮膚科医の役割
袋 秀平
COLUMN(2)総合病院で行う往診
城野 昌義
COLUMN(3)皮膚科在宅診療を次世代に継承する
古結 英樹
第II章 高齢者診療で遭遇する皮膚疾患
1 褥瘡
(1)褥瘡の評価法
門野 岳史
(2)褥瘡の保存的治療
安部 正敏
(3)褥瘡の外科的治療:適応と実際
帆足 俊彦
(4)チーム医療のなかでの褥瘡の予防とケア
入澤 亮吉
2 光老化
(1)光老化とは
森田 明理
(2)サンスクリーン剤の評価法と使い方
菊地 克子
COLUMN(4)M式サンスクリーン塗布法
宮地 良樹
COLUMN(5)児童生徒から始める皮膚癌の予防
島田 辰彦
COLUMN(6)光老化対策とビタミンD
森脇 真一
(3)シミの診断と治療について
長濱 通子
COLUMN(7)老人性疣贅の治療
川端 康浩
(4)皺の診断と治療
河野 太郎・今川 孝太郎・赤松 正
3 皮膚悪性腫瘍
(1)頭頸部に好発する皮膚悪性腫瘍
吉野 公二
(2)高齢者の陰部の皮膚悪性腫瘍
岸 晶子
(3)手術困難症例への対応-Fungating Cancer Wounds に遭遇したとき-
中川 浩一・清原 ?夫
4 リンパ腫の診断と治療
菅谷 誠
5 難治性掻痒性皮膚疾患の診断と治療
種井 良二
6 高齢者に多い水疱症
鈴木 瑛子・白鳥 実友・立石 千晴・鶴田 大輔
7 高齢者の帯状疱疹
渡辺 大輔
8 高齢者の真菌感染症
佐藤 友隆
9 疥癬
西尾 晴子
10 高齢者にみられるその他の皮膚疾患
(1)顔面、頸部の皮膚病変
天野 博雄
(2)臀部、陰部の皮膚病変
高橋 美咲・福田 英嗣
(3)内臓病変と関連する皮膚病変
末木 博彦
COLUMN(8)老人性という病名は今の時代にそぐわない
相馬 良直
日本は2007年に高齢化率が21.5%となり、“超高齢社会” に入りました。2016年10月現在、高齢化率は27.3%であり、今後はより上昇を続けると予想されています。外来や病棟においても、高齢者の占める割合はさらに急増するでしょう。老化や高齢者に関する知識を備えておくことは、もはや医師として必須ではないでしょうか。
高齢者の皮膚疾患や、高齢者が抱えるさまざまな問題は、診療の面において独特のものがあります。また皮膚科の在宅医療についても、今後需要がさらに高まると考えられ、覚えておきたいトピックの1つですが、それらすべてを網羅するのは容易ではありません。
そこで今回本誌では、「美しく老いるために 高齢化に備える皮膚科診療」として、高齢者を診療する際に是非ともおさえておきたい項目をまとめて特集といたしました。
第I章は皮膚科医も知っておくべき老化の基礎・高齢者への全般的な対応をまとめ、第II章では各皮膚疾患について高齢者視点で考える、という構成になっております。
日々の診療・仕事に追われる多忙な先生方に、本書がお役立ていただけましたなら幸いです。