PT・OTのための運動学テキスト 第1版補訂版 基礎・実習・臨床

国試出題傾向も踏まえた、療法士のための実践的運動学テキスト。

編 集 小柳 磨毅 / 山下 協子 / 大西 秀明 / 境 隆弘
定 価 6,600円
(6,000円+税)
発行日 2021/02/20
ISBN 978-4-307-75066-0

B5判・586頁

在庫状況 あり

初版をさらに洗練させ、国試出題傾向も踏まえた内容とした。総論では内容を大幅に刷新し、より簡潔で明快な記述とした。各論の各項目では理解の基礎となる正常運動の理論を解説し、その理論を確認するために療法士養成校で採用可能な実習課題を設定し解説した。さらに実際のリハ場面で遭遇する機会が多い事例につき豊富な症例写真・臨床データを用い解説し、実習と臨床における病態運動学を関連づけた。卒前教育に最適のテキスト。
■総論

・運動学の定義
・生体力学─Kinematics
・生体力学─Kinetics
  力学の基礎
  筋トルク(関節モーメント)実習
  筋生理学
  筋電図1:運動学実習
  筋電図2:臨床運動学
・生体力学─運動学習
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・生体力学─運動分析


■各論

・肩甲帯・肩
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・肘・前腕
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・手関節・手
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・骨盤帯・股
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・膝・下腿
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・足・足関節
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・頭部・顔面
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・脊柱
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・運動連鎖
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・姿勢
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・歩行
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学―画像による歩行分析
・斜路(屋外)歩行
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・走行
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・車いす移動
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・投球動作
  基礎運動学
・跳躍
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・寝返り・起き上がり
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・立ち座り─起立着座動作
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・階段昇降
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・杖歩行
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・腕立て伏せ
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学
・胸郭
  基礎運動学
  運動学実習
  臨床運動学

コラム1 大腿骨頭の中心性移動(migration)と関節可動域の低下
コラム2 膝関節側方不安定性
コラム3 膝関節後方不安定性
コラム4 関節リウマチにおける術前の膝屈曲拘縮(人工膝関節全置換術後の膝自動伸展不全)の原因
コラム5 関節リウマチ患者の階段降段動作と降段動作困難の原因
コラム6 関節リウマチ外反扁平足と足部(中・後足部)の手術、およびwindlass actionと逆windlass action
コラム7 関節リウマチの軸椎垂直亜脱臼
コラム8 関節リウマチの環軸関節前方亜脱臼


 人の運動機能を対象とする理学療法士や作業療法士にとって、解剖学や生理学などの基礎医学を基盤として、生体運動を物理学の視点から捉える力は必須の能力である。このため評価や治療の中核となる運動学は、臨床と教育のいずれにおいても重要な位置を占める。
 療法士に対する運動学の教科書として長く用いられてきた良書があるが、基礎となる正常運動の理論に対し、これを確認する実習とともに臨床における病態運動学を関連づける教科書がこれまで存在しなかった。卒前教育では運動学実習と臨床運動学が運動学の理解を促進することから、新たなテキストの必要性を感じてきた。そこで我が国に理学療法士と作業療法士が誕生して半世紀を経たいま、療法士自らが基礎と臨床を結びつける運動学の教科書を作成するべく、本書の発刊を企画した。
 本書の構成は総論として運動学の定義、kinematics とkinetics の概説と実習課題を示した。さらに運動学習は基礎と実習、臨床に分けて解説し、運動分析についてもその目的と手法を示した。各論では第一に四肢と脊柱、頭部と胸郭の運動学をそれぞれ、基礎、実習、臨床の項目に分類し、相互の関連を理解しやすいように解説した。第二に全身の運動が関与する姿勢と運動連鎖については、章を設けて局所との関連を含めて詳述した。第三として理学療法士や作業療法士が評価や治療の対象とする動作のメカニズムについても、基礎と臨床が結びつく構成とした。動作の対象は寝返りや立ち上がりなどの基本動作をはじめ、重要度の高い歩行と屋外歩行、階段昇降や杖歩行、車いす移動についての章を設け、さらに走行や跳躍、投動作なども取り入れた。全章を通して基礎医学や臨床医学などの関連領域の知識に関する記述は最小限に止め、運動学の講義と実習に関する内容に集約した。また、できる限り図表を用い、明解な解説を行うことを心がけた。さらに実習の項では、運動の三次元的な理解を深めるため、模型による確認や生体における運動課題を示した。
 前述の如く、療法士の視点から編集・執筆した本書が、今後、療法士を目指す学生の運動学教育に貢献することを心より期待している。
 本書は編者らの責により、企画から出版までに想定以上の時間を要した。その間、常に献身的な支援を頂いた金原出版編集部の鈴木素子氏、ならびに前専務の小林一枝氏に深甚なる謝意を申し上げる。

平成26年12月
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