メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン 2020年版 第2版

9年ぶりの大改訂で、より臨床に即した内容にアップデート!

編 集 日本めまい平衡医学会
定 価 2,860円
(2,600円+税)
発行日 2020/06/30
ISBN 978-4-307-37126-1

B5判・104頁・図数:13枚・カラー図数:1枚

在庫状況 あり

メニエール病診療に携わるすべての医療者に必携の診療ガイドラインが、9年ぶりに大改訂。
診断基準と重症度分類、症状と診断、治療、疫学について最新の知見を含めて詳細に解説した。特に治療においては、重要なテーマをクリニカルクエスチョンとしてシステマティックレビューを行い、エビデンスに基づいた治療方針を提示した。また、類縁疾患の遅発性内リンパ水腫も加えた。
より臨床に即した内容にアップデートされた充実の1冊。
CQ・推奨一覧
メニエール病(Meniere's disease)診断基準2017年
メニエール病の間歇期の治療アルゴリズム

1.要約
2.作成委員会
3.資金提供・スポンサー・利益相反
4.作成の背景と沿革
5.作成目的ならびに目標
6.利用者
7.対象
8.エビデンスの収集
9.エビデンスの評価
10.推奨および推奨度の決定基準
11.リリース前のレビュー
11.1 外部評価者によるレビュー
11.2 外部・内部評価者による指摘点とガイドライン作成委員会の対応
11.3 パブリックコメント
11.4 パブリックコメントとガイドライン作成委員会の対応
12.更新の計画
13.推奨および理由説明
14.患者の希望
15.治療アルゴリズム
16.実施における検討事項
17.メニエール病の疾患概念・病因・病態
17.1 メニエール病の疾患概念
17.2 メニエール病の病因・病態
18.メニエール病の疫学
19.メニエール病の診断基準
19.1 日本めまい平衡医学会のメニエール病の診断基準2017年
1)メニエール病(Meniere's disease)診断基準2017年
2)メニエール病非定型例(Atypical Meniere?s disease)診断基準
20.メニエール病の重症度分類
20.1 メニエール病重症度分類
20.2 メニエール病総合的重症度
21.鑑別診断
21.1 急性めまいの診療フローチャート
1)問診
2)診察
21.2 良性発作性頭位めまい症
21.3 前庭神経炎
21.4 めまいを伴う突発性難聴
21.5 急性低音障害型感音難聴
22.メニエール病の症状
22.1 めまい
22.2 聴覚症状
23.メニエール病の検査
23.1 聴覚機能検査
23.2 平衡機能検査
23.3 内リンパ水腫推定検査
1)蝸電図検査
2)グリセロール検査
3)フロセミド検査
4)利尿剤負荷cVEMP 検査
5)メニエール病の内リンパ水腫推定検査の陽性率
23.4 内リンパ水腫画像検査
1)内リンパ水腫画像検査の原理
2)内リンパ水腫画像検査の種類
3)内耳造影MRI の撮像方法
4)内リンパ水腫の判定
5)メニエール病の内リンパ水腫画像検査の陽性率
24.メニエール病の治療
24.1 急性期の治療
1)メニエール病のめまい発作急性期の治療
2)メニエール病のめまい発作に伴う急性感音難聴の治療
24.2 メニエール病の間歇期の治療(治療アルゴリズム)
1)生活指導
2)薬物治療
3)中耳加圧治療
4)内リンパ嚢開放術
25.メニエール病の治療効果判定基準
26.メニエール病の治療のClinical Question
CQ 1 メニエール病に抗めまい薬は有効か?
CQ 2 メニエール病に利尿薬は有効か?
CQ 3 メニエール病に抗ウイルス薬は有効か?
CQ 4 メニエール病に中耳加圧治療は有効か?
CQ 5 メニエール病に対する内リンパ嚢開放術は有効か?
CQ 6 メニエール病に選択的前庭機能破壊術は有効か?
1.ゲンタマイシン鼓室内注入療法
2.前庭神経切断術
27.メニエール病非定型例の治療
28.両側メニエール病の治療
29.遅発性内リンパ水腫
29.1 遅発性内リンパ水腫の疾患概念・病因・病態
29.2 遅発性内リンパ水腫の疫学
29.3 遅発性内リンパ水腫の診断基準
29.4 遅発性内リンパ水腫の重症度分類
1)遅発性内リンパ水腫重症度分類
2)遅発性内リンパ水腫総合的重症度
29.5 遅発性内リンパ水腫の症状
29.6 遅発性内リンパ水腫の検査
1)遅発性内リンパ水腫の平衡機能検査・聴覚検査
2)遅発性内リンパ水腫の内リンパ水腫推定検査
3)遅発性内リンパ水腫の内リンパ水腫画像検査
29.7 遅発性内リンパ水腫の治療
29.8 遅発性内リンパ水腫の治療のClinical Question
 『メニエール病診療ガイドライン2011年版』は、厚生労働省難治性疾患克服研究事業前庭機能異常に関する調査研究班(2008〜2010年度)により作成され、2011年に発刊された。今回、9年後に『メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版』として発刊することとなった。
 このガイドラインの改訂に際しては、平成26〜29年度厚生労働省研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性平衡障害に関する調査研究班」および平成27年〜29年度の日本医療研究開発機構研究費難治性疾患実用化研究事業「難治性めまい疾患の質を高める研究班」の研究活動により、遅発性内リンパ水腫を含むメニエール病診療ガイドラインの改訂に関する調査研究が行われ、診断基準と重症度分類、症状と診断、治療、疫学について最新の知見を含めた検討が行われた。特に治療において重要なテーマをクリニカルクエスチョンとしてシステマティックレビューが実施され、診療ガイドライン改訂(案)が作成された。本診療ガイドライン委員会では、その診療ガイドライン改訂(案)を元に、「Minds 診療ガイドライン作成手引き2014」に準拠して診療ガイドラインの策定を行った。そして、診療ガイドライン2020年版は日本めまい平衡医学会の理事会の審議を経て完成された。
 いうまでもなくメニエール病は、難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作が反復する内リンパ水腫疾患である。一方、遅発性内リンパ水腫は平成27年に指定難病に指定された。両疾患ともめまい発作が反復する内耳性疾患であり、日常生活に支障を来す患者が少なくない。
 本診療ガイドラインが、メニエール病や遅発性内リンパ水腫の診療の知識の普及と診療技術の向上に役立ち、めまいに悩む患者の福音となれば幸いである。

2020年4月

メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版作成委員長
將積 日出夫