嚥下障害診療ガイドライン 2018年版 (DVD付) 第3版

大改訂で大幅アップデート! 総合的な診療指針がここに完成!

編 集 日本耳鼻咽喉科学会
定 価 3,630円
(3,300円+税)
発行日 2018/09/10
ISBN 978-4-307-37121-6

B5判・88頁・図数:1枚

在庫状況 あり

6年ぶりの大改訂で、アルゴリズム、総論やCQなど、全編にわたって大幅にアップデートされた。
2012年版の「耳鼻咽喉科外来における対応」という枠を外した、嚥下障害の総合的診療指針が完成した。解説項目は最新の内容に更新し、基礎知識のブラッシュアップに効果的。CQ数は11から14に増え、より細かく診療に対応できるような問題設定がなされた。
付録DVDでは、嚥下内視鏡検査・造影検査動画がみられる。総合的かつ実践的なガイドラインに仕上がっている。
第1章 序論
嚥下障害診療アルゴリズム
1-1 本ガイドラインについて
1-2 対象患者

第2章 総論
2-1 問診
2-2 精神機能・身体機能の評価
2-3 口腔・咽頭・喉頭などの診察
2-4 嚥下機能評価のための簡易検査
2-5 嚥下内視鏡検査
2-6 嚥下造影検査
2-7 対応基準
2-8 経過観察を行う場合の注意点
2-9 嚥下指導を行う場合の注意点
2-10 専門的な医療機関に紹介する場合の注意点
2-11 保存的治療
2-12 外科的治療
2-13 「評価や治療の適応外」と判断した場合の注意点

第3章 Clinical Question(CQ)
CQ1 認知障害は嚥下機能に影響を及ぼすか?
CQ2 気管切開は嚥下機能に影響を及ぼすか?
CQ3 嚥下機能評価に簡易検査は有用か?
CQ4 嚥下機能評価に嚥下内視鏡検査は有用か?
CQ5 通常の喉頭内視鏡検査と嚥下内視鏡検査の方法・観察点における違いは何か?
CQ6 嚥下造影検査が必要と判断されるのはどのような場合か?
CQ7 頭頸部癌の化学放射線治療による嚥下障害にどう対応するか?
CQ8 口腔ケアは誤嚥や嚥下性肺炎の発症予防に有用か?
CQ9 嚥下障害に薬物治療は有効か?
CQ10 嚥下訓練のエビデンスはどこまでわかっているか?
CQ11 介護環境の整備は嚥下性肺炎の発症予防に有用か?
CQ12 経口摂取の導入や食事内容・形態のレベルアップの判断に嚥下内視鏡検査は有用か?
CQ13 胃瘻は嚥下障害患者の管理に有用か?
CQ14 誤嚥防止手術はQOLを改善するか?

索引
2018年版(第3版)の序

 超高齢社会の到来により嚥下障害患者が増加している。高齢者が良好なQOLを維持するために、在宅や介護施設における嚥下障害患者への対応は社会的、医学的にも大きな問題となっている。また嚥下障害を有する幼小児への対応についても課題が多く、医療の現場における嚥下障害の診断・治療の充実は急務である。
 嚥下障害診療に携わる医療者は、嚥下器官の解剖や機能、嚥下運動の生理などの基盤的知識が不可欠である。したがって口腔・咽喉頭の解剖と機能を熟知し、嚥下内視鏡や嚥下造影検査に精通している耳鼻咽喉科医が嚥下障害診療の主な役割を担うことにより、正確な診断と適切な治療方針の策定・実施ならびに指導が可能になり、診療上の安全や患者の安心が担保される。
 しかしながら嚥下障害の診療は、障害の原因が多岐にわたることから、耳鼻咽喉科医だけではなく他科の医師や言語聴覚士など多職種の医療連携が重要であり、リハビリテーション科医、神経内科医、呼吸器内科医、消化器内科医、消化器外科医、そして咀嚼や舌による送り込みなど口腔相を担う歯科医師をはじめ言語聴覚士、看護師、管理栄養士など、多くの分野の医療スタッフの協力が不可欠となる。特に在宅や介護施設における嚥下診療においては、かかりつけ医やケアマネージャーの理解や協力も必要となる。
 このような背景から、日本耳鼻咽喉科学会の関連する学会である日本嚥下医学会では、嚥下診療の質の向上と円滑な医療連携を図る目的で、所属専門領域学会の認定専門医に対しての“嚥下相談医”、ならびに認定言語聴覚士や認定看護師などに対する“嚥下相談員”の制度を構築した。これにより嚥下障害患者に対して適切な対応が促進されることが期待される。
 日本耳鼻咽喉科学会では、2008年に「嚥下障害診療ガイドライン」の初版を発刊し、2012年に嚥下造影検査を加筆するなどの改訂を加えた。そして嚥下診療に関する診断・治療技術の進歩に伴い、新たな知見の追加や内容の充実を図るため、今回の改訂となった。初版および第2版では、ガイドラインの利用者を主に耳鼻咽喉科医として初期対応に重きを置いていたが、第3版では嚥下障害診療に関わる全ての医療者を対象とし、評価や治療についても具体的な内容が盛り込まれている。このガイドラインが耳鼻咽喉科医をはじめとする関連領域の医師や歯科医師のみならず、嚥下障害患者に関わる医療スタッフや他職種の方々に広く利用され、さらに行政や医師会にも広く活用され、今後増加すると考えられる在宅や介護施設における嚥下障害患者のQOLの向上に大いに貢献することを期待する。
 最後に、本ガイドラインの策定に携わった委員会の先生方のご努力に深く感謝を申し上げる。

2018年8月
一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会理事長
東京慈恵会医科大学名誉教授
森山 寛