不育症学級 改訂3版

不育症のバイブル、待望の改訂3版!

著 者 杉 俊隆
定 価 2,200円
(2,000円+税)
発行日 2019/11/01
ISBN 978-4-307-30142-8

A5判・168頁・図数:9枚・カラー図数:31枚

在庫状況 あり

妊娠しても生児を得られない「不育症」。流産や死産、新生児死亡などを2回以上繰り返すと不育症の疑いがあるといわれています。本書は、不育症診療の第一人者である著者が毎月開催している患者さん向け説明会“不育症学級”を書籍化したもの。好評の初版(2009年)、改訂版(2014年)に続く改訂3版では、不育症の基礎知識はもちろん、最新の検査や治療、AMED不育症研究班の研究成果など、新たな知見をわかりやすく解説します。
 はじめに
 改訂版のまえがき
 改訂3版のまえがき

・流産とは
・染色体異常と自然淘汰
・生化学的妊娠(化学流産)
・年齢と流産率

<ひとやすみ>真実を知り、諸行無常を知る

・35歳女性の反復流産、習慣流産の頻度
・AMED不育症研究班
・AMED不育症研究班提言 −不育症の概念−
・AMED不育症研究班提言 −不育症の頻度−
・既往流産回数と次回妊娠成功率
・偶発的流産を繰り返す確率
・不育症のリスク因子
・不育症の治療成績

<ひとやすみ>不育症検査が全て異常なしの場合、原因不明不育症と考えるべきか、不育症ではないと考えるべきか

・不育症一次スクリーニング AMED不育症研究班提言2019 推奨スクリーニング
・不育症一次スクリーニング AMED不育症研究班提言2019 選択的検査

<ひとやすみ>「どうせ検査をしてもアスピリンかヘパリンでしょ」という意見に対して

・不育症一次スクリーニング AMED不育症研究班提言2019 研究段階の検査
・不育症一次スクリーニング AMED不育症研究班提言2019 推奨されない検査
・高プロラクチン血症
・黄体機能不全と不育症
・甲状腺疾患と不育症
・子宮形態異常と不育症
・正常子宮、弓状子宮
・中隔子宮、双角子宮
・中隔子宮、双角子宮 厚生労働省不育症研究班報告
・重複子宮、単角子宮
・中隔子宮以外の子宮奇形 厚生労働省不育症研究班報告
・子宮奇形の治療
・子宮鏡下中隔切除術
・開腹子宮形成術

<ひとやすみ>不育症的宗教観

・夫婦染色体異常と不育症
・相互転座
・相互転座の配偶子の組み合わせ
・ロバートソン転座
・ロバートソン転座の配偶子の組み合わせ
・着床前診断の手順
・染色体異常をもつ不育症患者の本当の流産率は?
・染色体転座をもつ不育症患者に着床前診断を行うべきか

<ひとやすみ>免疫とは

・抗リン脂質抗体
・血液凝固異常と不育症
・血液凝固異常の存在を疑うべき状況
・キニノーゲンを認識する抗PE抗体の発見
・抗PE抗体陽性不育症患者の生児獲得率

<ひとやすみ>抗PE抗体はなぜ流産を起こすのか、ヘパリンはなぜ有効なのか

・第XII因子活性低下(<60%)
・抗第XII因子抗体の発見
・抗第XII因子抗体(ウエスタンブロット法)
・カリクレイン-キニン系の破綻と不育症
・妊娠マウスの胎盤病理所見
・胎盤のアポトーシス(細胞死)
・第XII因子欠乏症 AMED不育症研究班提言2019
・プロテインS欠乏症 、プロテインC欠乏症
・プロテインS欠乏症と深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症
・EGFを認識する抗プロテインS抗体の発見
・プロテインS欠乏症 AMED不育症研究班提言2019

<ひとやすみ>血液凝固

・血液凝固異常による不育症の治療
・低用量アスピリン療法
・低用量アスピリン療法の副作用
・低用量アスピリン療法前後の血小板凝集能
・アスピリンはいつまで飲むべきか

<ひとやすみ>アスピリン

・ヘパリン療法

<ひとやすみ>ヘパリン

・同種免疫異常と不育症
・夫リンパ球免疫療法の治療成績
・その他の免疫療法

<ひとやすみ>信頼性の高い情報はどのようにしたら見分けられるのか

・着床障害
・アメリカでの着床障害における学会の対立
・抗リン脂質抗体陽性者と陰性者における体外受精の状況
・体外受精反復不成功症例 妊娠、生化学的妊娠歴なし (n=14)
・不育症リスク因子の陽性頻度
・抗リン脂質抗体と抗核抗体が陽性の体外受精着床障害患者に対するヘパリンとアスピリン療法の偽薬を用いた無作為、二重盲検法による研究

<ひとやすみ>胚移植からのヘパリン投与は着床障害に効くどころか、着床を邪魔する可能性がある

・EGFを認識する抗第XII因子抗体の発見
・自己抗体を介したEGF系の破綻
・EGF系の破綻による着床障害に対する治療

<ひとやすみ>EMBに基づかない不育症対策

・杉ウイメンズクリニックの不育症スクリーニング検査
・当院の抗リン脂質抗体検査
・採血後血漿処理がdRVVT値に与える影響
・dRVVTデータ比較(n=68)
・当院で行っているその他の血液凝固系検査
・血小板凝集能(レーザー散乱粒子計測法)
・内分泌、免疫系検査
・超音波検査

<ひとやすみ>ストレスと不育症

 おわりに
 索引
 著者略歴
改訂3版のまえがき

 前回の改訂時は、平成20年度(2008年度)から3年間行った厚生労働省不育症研究班の業績、不育症診療の提言を紹介しましたが、その後、厚生労働省不育症研究班は、日本医療研究開発機構(AMED)不育症研究班と名前を変え、2016年から3年間、再度研究が続行されました。そして、この度、「不育症管理に関する提言 2019」を出すことができました。今回の改訂は、それに合わせたものです。今回の改訂では、2011年に厚生労働省不育症研究班が提言を発表してから8年が経ち、その後の不育症研究の進歩、日本独自の新しい不育症管理の提言を踏まえ、内容をアップデートしました。