子宮体がん治療ガイドライン 2018年版 第4版

5年ぶりの改訂! 保険収載に伴い腹腔鏡下手術のCQを大幅に更新

編 集 日本婦人科腫瘍学会
定 価 3,672円
(3,400円+税)
発行日 2018/09/15
ISBN 978-4-307-30138-1

B5判・264頁・図数:3枚

在庫状況 あり

5年ぶりの改訂となる2018年版では、保険収載に伴い腹腔鏡下手術のCQが大幅に更新された。
既存項目についても検索式を用いた網羅的な文献検索を行いアップデート。計46のCQを収載している。
また、本邦でのエビデンスが十分でないCQには、「明日への提言」としてガイドライン委員会の見解が示された。「GRADEシステム」の考え方を導入すべく、CQや推奨の文言も工夫している。
CQ、推奨一覧
フローチャート1 子宮体癌の初回治療:術前にI・II期と考えられる症例
フローチャート2 子宮体癌の初回治療:(1)子宮摘出後に子宮体癌と判明した症例/(2)再発低リスク群を想定して行われた手術の後に再発中・高リスク群と判明した症例
フローチャート3 子宮体癌の初回治療:術前にIII・IV期と考えられる症例
フローチャート4 子宮体癌の術後治療
フローチャート5 子宮体癌の再発治療
フローチャート6 妊孕性温存療法(子宮内膜異型増殖症または類内膜癌G1相当)
フローチャート7 子宮癌肉腫の治療
フローチャート8 子宮肉腫の治療
フローチャート9 絨毛癌の治療

■本ガイドラインにおける基本事項
I 進行期分類/II リンパ節の部位と名称/III 組織学的分類/IV 手術療法/V 術後再発リスク分類/VI 化学療法/VII 放射線治療/VIII 緩和ケア

■第1章 ガイドライン総説

■第2章 初回治療(特殊組織型を含む)
総説
I 子宮摘出術式/II リンパ節郭清/III 病理組織型
CQ01 術前にI期と考えられる症例に対する子宮摘出術式は?
CQ02 術前にII期と考えられる症例に対する子宮摘出術式は?
CQ03 骨盤リンパ節郭清の意義と適応は?
CQ04 傍大動脈リンパ節郭清(生検)の意義と適応は?
CQ05 大網切除術の適応は?
CQ06 卵巣温存は可能か?
CQ07 漿液性癌または明細胞癌に対して推奨される手術術式は?
CQ08 進行期推定に有用な画像検査は?
CQ09 子宮摘出標本の術中迅速病理組織学的検査は術式決定に有用か?
CQ10 センチネルリンパ節生検結果によるリンパ節郭清の省略は可能か?
CQ11 手術に際して腹腔細胞診を行うべきか?
CQ12 腹腔鏡下手術の適応は?
CQ13 子宮摘出術後に子宮体癌と判明した症例の取り扱いは?
CQ14 再発低リスク群を推定して行われた手術の後に再発中・高リスク群と判明した症例の取り扱いは?
CQ15 根治的放射線治療の適応は?

■第3章 術後治療(特殊組織型を含む)
総説
CQ16 術後補助療法の適応と推奨される治療法は?
CQ17 術後化学療法に推奨される薬剤は?
CQ18 術後補助療法として黄体ホルモン療法は奨められるか?
CQ19 術後放射線治療の適応は?

■第4章 治療後の経過観察
総説
CQ20 治療後の経過観察の間隔は?
CQ21 治療後の経過観察に内診や腟断端細胞診を行うべきか?
CQ22 治療後の経過観察に血清腫瘍マーカーの測定や画像検査を行うべきか?
CQ23 治療後のホルモン補充療法(HRT)は奨められるか?

■第5章 進行・再発癌の治療
総説
I 進行癌/II 再発癌
CQ24 術前にIII・IV期と考えられる症例に対して手術療法は奨められるか?
CQ25 切除困難または病巣残存が予想される進行癌に対して術前治療は奨められるか?
CQ26 腟断端再発に対する治療法は?
CQ27 腟断端以外に再発した症例に対して手術療法は奨められるか?
CQ28 切除不能または残存病巣を有する進行・再発癌に対して化学療法は奨められるか?
CQ29 切除不能または残存病巣を有する進行癌、腟断端以外の再発癌に対して放射線治療は奨められるか?
CQ30 進行・再発癌に対してホルモン療法は奨められるか?

■第6章  妊孕性温存療法(子宮内膜異型増殖症または類内膜癌G1相当)
総説
CQ31 子宮内膜異型増殖症または類内膜癌G1相当で妊孕性温存を希望する場合の治療は?
CQ32 妊孕性温存療法後の経過観察の間隔と検査は?
CQ33 妊孕性温存療法施行時の病変遺残例あるいは再発例に推奨される治療法は?
CQ34 妊孕性温存例に対して排卵誘発を行ってもよいか?

■第7章 癌肉腫・肉腫の治療
総説
CQ35 子宮癌肉腫に対して推奨される手術術式は?
CQ36 子宮癌肉腫に対して推奨される術後治療は?
CQ37 子宮癌肉腫の進行・再発例に対する治療法は?
CQ38 子宮平滑筋肉腫に対して推奨される手術術式と術後治療は?
CQ39 子宮内膜間質肉腫に対して推奨される手術術式と術後治療は?
CQ40 子宮平滑筋肉腫・子宮内膜間質肉腫の切除不能進行例や再発例に対して推奨される治療法は?

■第8章 絨毛性疾患の治療
総説
CQ41 侵入奇胎、臨床的侵入奇胎、および奇胎後hCG存続症に対して推奨される化学療法は?
CQ42 絨毛癌に対して推奨される化学療法は?
CQ43 絨毛癌に対する手術療法の適応は?
CQ44 絨毛癌に対して放射線治療は有用か?
CQ45 PSTT、ETTに対して推奨される治療法は?
CQ46 hCG低単位持続例の取り扱いは?

■第9章 資料集
I 抗悪性腫瘍薬の有害事象一覧
II 略語一覧
III 日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会業績

文献検索式
索引
 日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会が2002年に設置され、宇田川康博初代委員長と八重樫伸生第2代委員長のご尽力によって、初版の『卵巣がん治療ガイドライン2004年版』、『子宮体癌治療ガイドライン2006年版』、そして『子宮頸癌治療ガイドライン2007年版』が刊行されました。その後、片渕秀隆第3代委員長にバトンタッチされ様々な改訂が重ねられ、婦人科がんの中で最後に残っていた『外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版』が発刊されました。現在は最新の卵巣がん2015年版(第4版)、子宮体がん2013年版(第3版)、子宮頸癌2017年版(第3版)が臨床の現場で活用されており、今回5年の歳月を経て第4版の子宮体がん治療ガイドラインの改訂・発刊に至りました。

 ガイドラインは発刊されると必ず、日本癌治療学会がん診療ガイドライン評価委員会より評価を受け、その評価をもとにガイドライン改訂時に指摘を受けた点を改善するべく検討委員会で討論し、ガイドライン作成の方向性を確認しながら進めていきます。本ガイドラインでは、第1章 総説にその作成手順が詳細に記載されております。是非お読み頂きたく思います。
 今回の子宮体がん治療ガイドライン2018年版(第4版)では、子宮頸癌治療ガイドライン2017年版(第3版)と同様に、以下の点を追加・改変・変更いたしました。

■ ガイドライン評価時に指摘され改善したこと
1.ガイドライン推奨決定過程、COIについて第1章 総説に詳細に記載しました。
2.ガイドライン作成に婦人科医、放射線腫瘍医、腫瘍内科医、病理医だけでなく薬剤師、看護師、患者会代表者にも加わって頂きました。
3.エビデンス収集を日本図書館協会の協力を得て検索式を用いて行い、ガイドライン巻末にまとめて掲載しました。

■ 委員会内で指摘され改善したこと、あるいは追加した内容など
1.本邦でのエビデンス、臨床的検証が不足しているCQに関しては、「明日への提言」としてガイドライン委員会の意見を掲載しました。
2.巻頭にCQ、推奨、推奨グレードをまとめて一覧表として掲載しました。
3.今回改訂の子宮体がん治療ガイドライン2018年版(第4版)では、大きなCQの変更はありませんが、体癌に対する腹腔鏡下手術の保険診療が可能になったことから、「腹腔鏡下手術の適応は?」という文言に変更しました。
4.2014年度ガイドライン委員会内に立ち上げられたガイドライン検証委員会(委員長:三上幹男)にて、婦人科がん治療ガイドラインの検証・問題点・今後の登録事業への反映ということを目的に、日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会データベースを用いてガイドライン導入による治療動向の変化、予後の改善について検討を行いました。本ガイドラインには、検証委員会からパブリッシュした論文も引用されました。

■ 今後のこと
ちょうど、本ガイドライン改訂に着手した2014年頃に、ガイドライン作成法として「GRADEシステム」という新たな方法論が導入されました。従来のエビデンスのみに偏ることなく、エビデンス総体という考え方、そのエビデンス総体と患者が受ける益と害のバランス、患者の価値観や好みまでを考慮して推奨を決めていくという方法です。今回の改訂では残念ですが、そこまでは踏み込んでいませんが、少しでも新しい方法を取り入れるべく努力をしています。その例として、CQの文言の工夫、あるいはグレードC1には「提案する」という表現の採用などがあります。現在改訂作業中の卵巣がん治療ガイドラインでは、さらに多くの新たな方法を取り入れていく予定であります。

 最善を尽くして完成させたガイドラインでありますが、日本婦人科腫瘍学会会員諸氏、本書を手にされた多くの方々、そしてご後援頂いた日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産科婦人科内視鏡学会、婦人科悪性腫瘍研究機構、日本放射線腫瘍学会、日本病理学会にさらなるご叱正を請いながら、次の改訂に繋げていくことは申すに及びません。
 今回の作成にあたり、宇田川康博名誉教授、八重樫伸生教授、片渕秀隆教授の歴代委員長には常に貴重で的確なご助言を頂きました。また、作成のパートナーである永瀬智副委員長、そして、小林裕明、山田秀和、長谷川清志、藤原寛行の各小委員長、田畑務担当理事、金内優典主幹事、各CQ担当ガイドライン作成委員各位の懸命且つ献身的なご尽力に深甚なる謝意を表します。さらに、理事会、代議員会、会員の皆様の暖かいご支援に心からお礼申し上げます。最後に、編集の過程で昼夜を問わずご苦労頂いた本学会事務局の安田利恵さん、ならびに金原出版株式会社編集部の安達友里子さんをはじめ関係の方々に感謝申し上げます。

2018年9月
日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会
委員長 三上 幹男