形成外科診療ガイドライン7 体幹・四肢疾患 乳房再建/腋臭症/漏斗胸/臍ヘルニア/四肢先天異常

EBM視点で初めて作成された形成外科領域の診療ガイドライン。

編 集 日本形成外科学会 / 日本創傷外科学会 / 日本頭蓋顎顔面外科学会
定 価 3,850円
(3,500円+税)
発行日 2015/07/03
ISBN 978-4-307-25720-6

B5判・180頁

在庫状況 あり

7編で構成。I:乳房再建は基本術式と、各要因を考慮した術式を述べた。II:腋臭症は臨床経験に基づいた。III:漏斗胸はNuss法手術を中心とした。IV:臍ヘルニア・突出症は臍欠損も取り上げた。V:四肢先天異常は合指症、母指多指症、多合指症をまとめた。VI:四肢再建は日常形成外科診療に絞った。VII:殿部・外陰部再建は殿部・会陰部の皮膚欠損、陰茎・陰嚢欠損、膣・外陰欠損、骨盤内死腔の再建
法を述べた。


ガイドライン作成にあたって

ガイドラインについて

第I編 乳房再建診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 乳房再建
  1.乳房再建の必要性と許容性
   CQ1 患者の満足度を上げるか?
   CQ2 局所再発の発見を遅らせることはないか?
   CQ3 シリコーンインプラントによる乳房再建後の患者は、再建しない患者と比べて癌の再発率に差がある     か?
  2.再建手術の適応
   CQ4 喫煙歴のある患者に勧められるか?
   CQ5 肥満患者には勧められるか?
   CQ6 高齢患者に勧められるか?
   CQ7 胸壁への放射線治療歴のある患者に勧められるか?
   CQ8 胸壁への術後照射が予定されている患者に一次再建術は勧められるか?
   CQ9 乳癌の家族歴がある患者に勧められるか?
  3.再建手術の至適時期
   CQ10 乳房温存手術後の一次再建は二次再建より望ましいか?
   CQ11 Skin(Nipple)-sparing mastectomy 術後の一次再建は二次再建より望ましいか?
   CQ12 進行乳癌術後患者の二次再建は一次再建より望ましいか?
  4.合併症
   CQ13 化学療法は乳房再建術後合併症の発生を増加させるか?
   CQ14 放射線照射後に人工物を用いた乳房再建術を行った場合、自家組織による再建術と比べて合併症の      発生率に差はあるか?
  5.再建術式
   CQ15 両側乳房切除後の一次再建では、人工物による再建が勧められるか?
   CQ16 シリコーンジェルインプラントによる乳房再建後の患者において、インプラント破損率と被膜拘縮      発生率が予想されるか?
   CQ17 シリコーンジェルインプラントによる乳房再建後の患者において、マッサージは被膜拘縮予防に対      して有効か?
   CQ18 テクスチャードタイプのインプラントはスムーズタイプのインプラントと比較した場合、被膜拘縮      の発生率が低くなるか?
   CQ19 インプラントを大胸筋下に挿入する場合と大胸筋上に挿入する場合で、術後の質感と合併症に差は      あるか?
   CQ20 再建術にエキスパンダーの使用は有効か?
   CQ21 エキスパンダーを使用する場合、テクスチャードタイプのエキスパンダーの方がスムーズタイプの      エキスパンダーと比較して被膜形成の程度は軽度か?
   CQ22 乳房全摘術後の患者に対して腹直筋皮弁は有効か?
   CQ23 腹直筋皮弁による乳房再建術後の患者は出産が可能か?
   CQ24 腹部手術の既往歴がある患者に対して、腹直筋皮弁による乳房再建術は可能か?
   CQ25 遊離TRAM 皮弁(DIEP を含める)は、有茎TRAM 皮弁に比べて合併症の点において優れているか?
   CQ26 広背筋皮弁は勧められるか?
   CQ27 拡大広背筋皮弁による乳房再建術は勧められるか?
   CQ28 広背筋皮弁で再建する場合、胸背神経を温存するか切断するかにより、再建乳房の状態に差を生じ      るか?
   CQ29 乳癌全摘後の患者に対して穿通枝皮弁は有効か?
   CQ30 遊離DIEP 皮弁は遊離TRAM 皮弁(muscle sparing flap:筋体温存腹直筋皮弁を含む)と比較して術      後合併症が少ないか?
   CQ31 遊離皮弁の移植床血管の選択によって手術結果に差が出るか?
   CQ32 自家脂肪注入法を行った場合、長期的に術後形態は保持されるか?
   CQ33 自家真皮脂肪移植は推奨されるか?
   CQ34 乳輪乳頭形成は勧められるか?

第II編 腋臭症診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 腋臭症
  1.病態
   CQ1 有病率にはどのような特徴があるか?
   CQ2 アポクリン腺やその他の皮膚付属器との関連性はあるか?
   CQ3 遺伝的特徴はあるか?
   CQ4 その他の身体的特徴があるか?
   CQ5 程度を変化させる因子はあるか?
  2.検査
   CQ6 必要な問診項目は何か?
   CQ7 診断に必要な検査は何か?
   CQ8 グレード評価はどうするか?
   CQ9 診断基準はどうするか?
  3.保存的治療法
   CQ10 消毒薬は有効か?
   CQ11 抗生物質は有効か?
   CQ12 生活指導(食生活、嗜好品、入浴など)は有効か?
   CQ13 腋毛処理は有効か?
   CQ14 制汗剤やデオドラント製品などは有効か?
  4.外科的治療法
   CQ15 外科的治療法の適応を決める基準はあるか?
   CQ16 術式選択の基準はあるか?
   CQ17 有毛部皮膚切除法は有効か?
   CQ18 剪除法(皮弁法)は有効か?
   CQ19 特殊手術機器(超音波吸引装置、クワドラカット・シェーバーなど)による手術は有効か?
   CQ20 血腫予防法として有効な方法は何か?
   CQ21 切除後の皮膚の固定法として有効な方法は何か?
  5.その他の治療法
   CQ22 医学的脱毛術(レーザー、絶縁針脱毛など)は有効か?
   CQ23 エステティックサロンにおける除毛術(光、電気分解など)は有効か?
   CQ24 ボツリヌストキシン局所注射療法は有効か?
   CQ25 多汗症内服療法は有効か?
   CQ26 多汗症外用療法は有効か?
   CQ27 多汗症治療法に対し交感神経節破壊術や交感神経節離断術などは有効か?

第III編 漏斗胸診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 漏斗胸
  1.診断
   CQ1 単純レントゲン撮影は有用か?
   CQ2 CT 撮影は有用か?
   CQ3 遺伝は関係するか?
   CQ4 呼吸機能・心機能に影響するか?
  2.保存的治療
   CQ5 吸引療法は有効か?
  3.観血的治療
   CQ6 胸骨翻転術は有効か?
   CQ7 胸骨挙上術は有効か?
   CQ8 Nuss 法は有効か?
   CQ9 Nuss 法は成人症例にも有効か?
   CQ10 Nuss 法のバー挿入期間は何年が適切か?
   CQ11 Nuss 法バー抜去後に後戻りは起こるか?
   CQ12 Nuss 法は患者の満足度を上げるか?
第IV編 臍ヘルニア・突出症診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 臍ヘルニア、臍突出症
  1.保存的治療
   CQ1 保存的療法は有効か?
   CQ2 保存的療法は開始時期や継続期間で効果に違いがあるか?
   CQ3 保存的療法の合併症はどのようなものがあるのか?
   CQ4 保存的療法はヘルニア治癒後の臍の醜形を軽減するか?
  2.外科的治療
   CQ5 至適手術時期はいつか?
   CQ6 皮弁法は有効か?
   CQ7 腹直筋形成は有効か?
   CQ8 臍形成術において臍の大きさをコントロールするために、臍部、臍周囲の皮膚切除は有効か?
   CQ9 臍形成術の合併症発生頻度は高いのか?また、どのような合併症があるのか?
 2章 臍欠損
  1.治療
   CQ10 植皮による臍形成術は有効か?
   CQ11 皮弁による臍形成術は有効か?
第V編 四肢先天異常診療ガイドライン
作成にあたって
 1章 多合趾症
  1.分類
   CQ1 外観を重視した分類は有用か?
  2.治療方針
   CQ2 切除趾の決定にX 線検査は有用か?
  3.手術
   CQ3 初回手術は1 歳前後が適当か?
   CQ4 植皮を用いずに局所皮弁のみの再建は有効か?
   CQ5 骨軸矯正のための骨切り術は有効か?
 2章 母指多指症
  1.分類
   CQ6 分類としてWassel 分類は有用か?
  2.手術
   CQ7 初回手術は6 ? 12 カ月が至適時期か?
   CQ8 末節骨型の手術方法として二分併合法は有効か?
   CQ9 初回手術で骨切り術による指軸変形の修正は必要か?
   CQ10 指軸偏位について腱走行修正術の適応はあるか?
   CQ11 二次修正手術は有効か?
 3章 合指症
  1.分類
   CQ12 分類法において皮膚性合指症・骨性合指症の2 分類は有用か?
  2.手術
   CQ13 指間形成の皮弁に四角弁は有効か?
   CQ14 指間形成の皮弁に三角弁は有効か?
   CQ15 手術に植皮を用いない皮弁法は有効か?
   CQ16 指への植皮の採皮部には足関節内果下部が有効か?
第VI編 四肢再建診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 手指の再建
   CQ1 手指掌側の皮膚欠損に対して植皮する場合に、適切な恵皮部はどこか?
   CQ2 指尖部欠損に対する人工真皮移植は、保存的療法よりも有効か?
   CQ3 指尖部欠損に知覚の再建は必要か?
   CQ4 デグロービング損傷において、微小血管吻合は有効か?
   CQ5 母指再建において、遊離足趾移植は造母指術や母指化術に比べ有効か?
   CQ6 母指の対立指欠損に対して、遊離複合足趾移植による再建は有効か?
2章 下腿の再建
   CQ7 脛骨欠損に血管柄付き骨移植は有効か?
   CQ8 術前検査として非侵襲性の血流画像診断は有用か?
   CQ9 遊離皮弁移植術において、血管吻合法や選択する移植床血管により成功率の差はあるか?
   CQ10 下肢遊離皮弁移植術において、術中・術後の抗血栓療法は吻合部血栓の頻度を下げるのに有効か?
 3章 足部の再建
   CQ11 足底荷重部の皮膚軟部組織再建において、足底非荷重部を恵皮部とする再建術式は有効か?
   CQ12 足底荷重部の再建において知覚再建は必要か?
   CQ13 足底の広範囲欠損において、遊離皮弁移植術は有効か?
   CQ14 足背などの腱・骨露出を伴う皮膚潰瘍に対して、人工真皮貼付は有効か?
 4章 四肢再建一般
   CQ15 四肢の逆行性皮弁において静脈灌流不全は生じやすいか?
   CQ16 有茎の遠隔皮弁(皮弁切離を要する)は有効か?
第VII編 殿部・外陰部再建診療ガイドライン
 作成にあたって
 1章 殿部・会陰部皮膚欠損
  1.治療
   CQ1 殿部・会陰部の皮膚欠損の治療として局所陰圧閉鎖処置は有効か?
   CQ2 殿部・会陰部の皮膚欠損の再建に遊離植皮術は有効か?
   CQ3 再建に筋皮弁は有効か?
   CQ4 再建に有茎皮弁は有効か?
  2.術後管理
   CQ5 再建手術術後の排便管理は有効か?
   CQ6 術後管理に体圧分散マットレスの使用は有効か?
 2章 陰茎・陰嚢欠損
  1.原因・診断
   CQ7 欠損を生じる原疾患は何か?
  2.手術
   CQ8 陰茎再建に有茎皮弁は有効か?
   CQ9 遊離皮弁による陰茎再建は機能的に優れているか?
   CQ10 陰嚢欠損の再建に皮弁は有効か?
 3章 膣・外陰欠損
  1.診断
   CQ11 診断にUSやMRIは有用か?
  2.治療
   CQ12 膣再建に植皮は有効か?
   CQ13 膣再建に皮弁は有効か?
   CQ14 膣の機能的再建に腸管移植は有効か?
   CQ15 外陰再建に有茎皮弁は有効か?
 4章 骨盤内死腔
  1.治療方針
   CQ16 骨盤内臓切除後の創部感染症の予防に、皮弁による再建は有効か?
   CQ17 骨盤内臓切除後の会陰ヘルニアの予防に、皮弁による再建は有効か?
   CQ18 骨盤内臓切除後の会陰部組織欠損創に、局所陰圧閉鎖療法は有効か?
  2.手術
   CQ19 骨盤内臓切除後の骨盤部の再建に、筋皮弁は有効か?
   CQ20 骨盤内臓切除後の骨盤部の再建に、大網は有効か?


 この度、金原出版のご協力をいただき、日本形成外科学会診療ガイドラインを刊行する運びとなりました。本ガイドラインの作成にご尽力いただいたガイドライン作成部会の清川兼輔部会長をはじめ委員の先生方に厚く御礼を申し上げます。
 この診療ガイドラインは2009年に具体化いたしました。きっかけは、経験が重視されがちであった形成外科診療について、エビデンスに基づいた標準的診断・治療を示す時期が来ているとの認識からでした。まず、委員会が作られ、それぞれの領域ごとに担当していただく責任者、担当委員を選任し、クリニカルクエスチョン(CQ)の設定、文献のエビデンスレベルからみた推奨度の決定まで、先生方には大変ご尽力をいただきました。また、形成外科学会に加えて関連学会である日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会にも分担をお願いいたしました。そして、ガイドライン作成を通して形成外科学会とその関連二学会との密接な連携がはかられました。今後も三学会が連携して日本の形成外科の発展に貢献していければと思います。
 2010年からは、領域ごとのガイドラインシンポジウムを日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会で開催し、その後、会員からのパブリックコメントを募集し、最終案の決定にいたっております。そして、シンポジウム開始より約5年を経て形成外科がカバーするすべての領域のガイドラインが完成いたしました。今回刊行するガイドラインシリーズは全7巻で構成されます。ただし、熱傷、褥瘡および血管腫の3分野に関してはすでに完成され、日本形成外科学会も関わって他の機関で公開されておりますので、このシリーズには含まれておりません。ご理解のほどをお願いいたします。
 従来、経験に基づく診療が主な領域であったために、エビデンスレベルに基づいた推奨度も残念ながらCレベルが多い結果となりました。今後の課題としては、形成外科診療にとって重要なCQのエビデンスレベルを明確にしていかなければならないと思います。そして、この課題を個人的な研究だけに任せるのではなく、日本形成外科学会および関連学会が主導する立場でこの課題に取り組まなければならないと思います。今回のガイドラインは標準的な形成外科診療を明らかにする端緒であります。この後、会員および学会の努力によってこのガイドラインがさらに充実していくことを切に願って、刊行のご挨拶といたします。

平成27年7月
日本形成外科学会
日本頭蓋顎顔面外科学会
理事長 川上 重彦


 日本形成外科学会のサブスペシャルティの学会として2008年7月に設立された日本創傷外科学会の使命は、急性・慢性の創傷からケロイド・肥厚性瘢痕まで含めた外表の創傷全般の診断と治療の専門医を育てることと、病態解明の研究成果に基づいた新治療法の開発を進め、さらなる治療成績の向上を図り、社会に貢献することです。
 社会に貢献するためには、日本創傷外科学会専門医が創傷治療の第一線を担わなければならないことはもちろんですが、創傷外科学会専門医の技術や知識を形成外科医以外の医師にも啓蒙することにより、創傷治療全体の成績を上げることも重要な使命です。
 このような使命を掲げて日本創傷外科学会が設立された頃、日本形成外科学会にガイドライン策定の機運が高まり、2009年に日本形成外科学会と、もう1つのサブスペシャルティの学会である日本頭蓋顎顔面外科学会、本学会の3学会合同でのガイドライン作成作業が始まりました。
 医療者と患者が特定の臨床状況で適切な判断を下すためには、標準的な治療法が示されていなければなりません。ガイドラインは、エビデンスを集積・整理し、医療者に対し現時点での一般診療に有用な情報を提供し、標準レベルを理解させることを目的として作成されています。
 昨今、疾患の治療に関しては多くの情報がネット上に流れ、患者も何を信じていいのかわからない状態です。特に急性・慢性の創傷や、ケロイド・肥厚性瘢痕に関しては情報があふれ、必ずしも正しくない情報を信じている患者も見受けられます。私は、形成外科医、創傷外科医のみならず、メスを持つすべての外科系医師、さらにメスを持たない内科系医師や看護師などの医療従事者にも創傷の標準的治療を理解していただきたいと思っています。すべての医療者が形成外科学、創傷外科学の正しい知識を持ち、最新の情報を得て標準的治療を患者や家族に説明し、実践するためのツールとして、この形成外科診療ガイドラインを利用されることを願っています。

平成27年7月
日本創傷外科学会
理事長 鈴木 茂彦


ガイドライン作成にあたって

 近年、エビデンスに基づいた医療(EvidenceBasedMedicine:EBM)の実践が求められるようになり、形成外科領域においてもその視点に立った診療ガイドラインの作成が必要となりました。このため、日本形成外科学会は、その二階建ての学会である日本創傷外科学会と日本頭蓋顎顔面外科学会との三学会で合同ガイドライン作成委員会を組織し、形成外科が携わる疾患や外傷に対する診療ガイドラインを作成することとなりました。
 本ガイドラインは、形成外科に携わる疾患や外傷の臨床上の問題に関する国内外の論文からエビデンスを収集し、若い医師や関連科の医師の理解を促すことを目的としたものです。各章や項目では、まず診療の指針となる「ClinicalQuestion(CQ)」を作成し、そのCQに対する論文のエビデンスレベルに基づいたAnswerとその推奨度を記載し、その次に「根拠および解説」について述べ、さらに「今後の課題」についても記載しています。形成外科領域の論文には、正直、エビデンスレベルの高い(?〜?)論文が数少ないため、推奨度としては低いもの(C1:根拠はないが、行うよう勧められる)となるのがほとんどです。「今後の課題」は、今後エビデンスレベルの高い研究を行ううえでの重要な指標になると考えています。
 なお、今回の作成にあたって「血管腫・血管奇形」、「褥瘡」、「熱傷」については項目からは除外しました。その理由は、「血管腫・血管奇形」のガイドラインが平成21-23年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性血管腫・血管奇形についての調査研究班」(佐々木班)によって、また「褥瘡」と「熱傷」のガイドラインが日本褥瘡学会および日本熱傷学会によってすでに作成されているためです。その構成メンバーには数多くの形成外科医(日本形成外科学会会員)が関与しており、新たなガイドラインの作成は必要ないと判断しました。したがって「血管腫・血管奇形」と「褥瘡」および「熱傷」については、それらのガイドラインに準拠するものとし、すでに発刊されているそれぞれのガイドラインを参照していただくこととしました。
 EBMを実践するということは、この診療ガイドラインで推奨されたものをすべての患者に実践することではありません。それぞれの形成外科医が、専門的知識と経験および患者の状態を考慮したうえで総合的に判断を下すことが重要です。したがって、保険医療の審査基準や維持紛争、医療訴訟の資料として用いられるべきものではないことに言及しておきます。本診療ガイドラインを日常の臨床の一助として大いに活用していただければ、作成に携わった人間として幸甚です。
 終わりに、本ガイドラインの作成にあたり、長期にわたり献身的かつ無償の御尽力をいただいた先生方、編集にあたって御協力くださった金原出版編集部の方々、膨大な原稿を収集・整理していただいた学会事務局と久留米大学形成外科・顎顔面外科学講座の秘書の方々に、この場をお借りして深甚なる謝意を表します。

平成27年7月
日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会
三学会合同ガイドライン委員会
委員長 清川 兼輔