形成外科診療ガイドライン1 皮膚疾患 皮膚軟部腫瘍/母斑・色素性疾患(レーザー治療)

EBM視点で初めて作成された形成外科領域の診療ガイドライン。

編 集 日本形成外科学会 / 日本創傷外科学会 / 日本頭蓋顎顔面外科学会
定 価 3,300円
(3,000円+税)
発行日 2015/05/20
ISBN 978-4-307-25714-5

B5判・160頁

在庫状況 あり

本巻は2編で構成される。「I編:皮膚軟部腫瘍診療」は良性腫瘍として上皮系良性腫瘍と非上皮系良性腫瘍を、悪性腫瘍としてメラノーマ(悪性黒色腫)、有棘細胞癌、基底細胞癌、乳房外パジェット病を対象とした。「II編:母斑・色素性疾患(レーザー治療)診療」は、良性腫瘍として上皮系良性腫瘍と非上皮系良性腫瘍を、悪性腫瘍としてメラノーマ(悪性黒色腫)、有棘細胞癌,基底細胞癌,乳房外パジェット病を対象とした。

ガイドライン作成にあたって
ガイドラインについて

第I編 皮膚軟部腫瘍診療ガイドライン
作成にあたって
1章 上皮系良性腫瘍(色素性母斑を含む)
 1.診断・検査
 2.治 療

2章 非上皮系良性腫瘍
 1. 診断・検査
 2. 治 療

3章 メラノ−マ(悪性黒色腫)
 1.診 断
 2.治 療

4章 有棘細胞癌
 1.診 断
 2.治 療

5章 基底細胞癌
 1.診 断
 2.治 療

6 章 乳房外パジェット病
 1.診 断
 2.治 療

第II編 母斑・色素性疾患(レ−ザ−治療)診療ガイドライン
作成にあたって
1章 扁平母斑
はじめに
 1.自然史
 2.検 査
 3.治 療

2章 色素性母斑
はじめに
 1.診 断
 2.治 療

3章 太田母斑
はじめに
 1.診 断
 2.治 療

4章 蒙古斑・異所性蒙古斑
はじめに
 1.診 断
 2.治 療

5章 外傷性色素沈着症
はじめに
 1.診 断
 2.治 療

6章 色素斑
はじめに
 1.診 断
 2.治 療

序  
 この度、金原出版のご協力をいただき、日本形成外科学会診療ガイドラインを刊行する運びとなりました。本ガイドラインの作成にご尽力いただいたガイドライン作成部会の清川兼輔部会長をはじめ委員の先生方に厚く御礼を申し上げます。 
 この診療ガイドラインは2009 年に具体化いたしました。きっかけは、経験が重視されがちであった形成外科診療について、エビデンスに基づいた標準的診断・治療を示す時期が来ているとの認識からでした。まず、委員会が作られ、それぞれの領域ごとに担当していただく責任者、担当委員を選任し、クリニカルクエスチョン(CQ)の設定、文献のエビデンスレベルからみた推奨度の決定まで、先生方には大変ご尽力をいただきました。また、形成外科学会に加えて関連学会である日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会にも分担をお願いいたしました。そして、ガイドライン作成を通して形成外科学会とその関連二学会との密接な連携がはかられました。今後も三学会が連携して日本の形成外科の発展に貢献していければと思います。
 2010 年からは、領域ごとのガイドラインシンポジウムを日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会で開催し、その後、会員からのパブリックコメントを募集し、最終案の決定にいたっております。そして、シンポジウム開始より約5 年を経て形成外科がカバ−するすべての領域のガイドラインが完成いたしました。今回刊行するガイドラインシリ−ズは全7 巻で構成されます。ただし、熱傷、褥瘡および血管腫の3分野に関してはすでに完成され、日本形成外科学会も関わって他の機関で公開されておりますので、このシリ−ズには含まれておりません。ご理解のほどをお願いいたします。
 従来、経験に基づく診療が主な領域であったために、エビデンスレベルに基づいた推奨度も残念ながらC レベルが多い結果となりました。今後の課題としては、形成外科診療にとって重要なCQ のエビデンスレベルを明確にしていかなければならないと思います。そして、この課題を個人的な研究だけに任せるのではなく、日本形成外科学会および関連学会が主導する立場でこの課題に取り組まなければならないと思います。今回のガイドラインは標準的な形成外科診療を明らかにする端緒であります。この後、会員および学会の努力によってこのガイドラインがさらに充実していくことを切に願って、刊行のご挨拶といたします。

平成27年5月
 日本形成外科学会
 日本頭蓋顎顔面外科学会
 理事長 川上 重彦

 日本形成外科学会のサブスペシャルティの学会として2008 年7 月に設立された日本創傷外科学会の使命は、急性・慢性の創傷からケロイド・肥厚性瘢痕まで含めた外表の創傷全般の診断と治療の専門医を育てることと、病態解明の研究成果に基づいた新治療法の開発を進め、さらなる治療成績の向上を図り、社会に貢献することです。  
 社会に貢献するためには、日本創傷外科学会専門医が創傷治療の第一線を担わなければならないことはもちろんですが、創傷外科学会専門医の技術や知識を形成外科医以外の医師にも啓蒙することにより、創傷治療全体の成績を上げることも重要な使命です。  
 このような使命を掲げて日本創傷外科学会が設立された頃、日本形成外科学会にガイドライン策定の機運が高まり、2009 年に日本形成外科学会と、もう1 つのサブスペシャルティの学会である日本頭蓋顎顔面外科学会、本学会の3 学会合同でのガイドライン作成作業が始まりました。  
 医療者と患者が特定の臨床状況で適切な判断を下すためには、標準的な治療法が示されていなければなりません。ガイドラインは、エビデンスを集積・整理し、医療者に対し現時点での一般診療に有用な情報を提供し、標準レベルを理解させることを目的として作成されています。  
 昨今、疾患の治療に関しては多くの情報がネット上に流れ、患者も何を信じていいのかわからない状態です。特に急性・慢性の創傷や、ケロイド・肥厚性瘢痕に関しては情報があふれ、必ずしも正しくない情報を信じている患者も見受けられます。私は、形成外科医、創傷外科医のみならず、メスを持つすべての外科系医師、さらにメスを持たない内科系医師や看護師などの医療従事者にも創傷の標準的治療を理解していただきたいと思っています。すべての医療者が形成外科学、創傷外科学の正しい知識を持ち、最新の情報を得て標準的治療を患者や家族に説明し、実践するためのツ−ルとして、この形成外科診療ガイドラインを利用されることを願っています。  
 
平成27年5月  
 日本創傷外科学会  
 理事長 鈴木 茂彦