胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版

最新研究を踏まえ、解説&CQがより充実。胃癌治療の決定版!

編 集 日本胃癌学会
定 価 1,650円
(1,500円+税)
発行日 2021/07/20
ISBN 978-4-307-20428-6

B5判・164頁・カラー図数:8枚

在庫状況 あり

前版の構成(教科書形式による解説とCQ)を踏襲しつつ、本版ではMinds作成マニュアルを参考に推奨の根拠をより明確に提示した。主な改訂点として、食道胃接合部癌に対する治療、腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術、化学療法レジメン・アルゴリズム、免疫チェックポイント阻害薬に対して解説・推奨を記載。外科・内視鏡治療、化学療法、緩和的治療に関するCQも32項目と充実し、臨床でより役立つガイドラインとなった。
日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム/CQ・推奨一覧
 日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム
 CQ・推奨一覧

I章 本ガイドラインについて
 1 .胃癌治療ガイドラインの目的・対象・使用方法
 2 .作成主体
 3 .作成の基本方針
 4 .本ガイドラインのエビデンスレベルと推奨の強さの表記
 5 .文献検索法
 6 .ガイドラインの公開
 7 .利益相反
 8 .資金

II章 治療法
A.手術
 1 .手術の種類と定義
 2 .胃の切除範囲
 3 .リンパ節郭清
 4 .食道胃接合部癌
 5 .その他
 6 .再建法
B.内視鏡的切除
 1 .内視鏡的切除の種類
 2 .内視鏡的切除における標本の取扱い
 3 .内視鏡的切除の適応
 4 .内視鏡的切除の根治性
 5 .EMR/ESD 後の治療方針
C.切除不能進行・再発例に対する化学療法
 1 .切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法の適応の原則
 2 .化学療法レジメンの推奨度の定義と治療アルゴリズム
 3 .切除不能進行・再発胃癌に対する一次化学療法
 4 .切除不能進行・再発胃癌に対する二次治療
 5 .切除不能進行・再発胃癌に対する三次治療以降
D.補助化学療法
 1 .術後補助化学療法の意義
 2 .術後補助化学療法の適応
 3 .術前補助化学療法
E.支持・緩和医療
F.胃癌手術後のクリニカルパス
G.胃癌術後フォローアップ
文献

III章 資料
クリニカル・クエスチョン(CQ)
 重要臨床課題1.鏡視下手術の適応
  CQ1: cStageI胃癌に対して腹腔鏡下手術は推奨されるか? (幽門保存胃切除についてはCQ4を参照)
  CQ2: cStageII、III胃癌に対して腹腔鏡下手術は推奨されるか?
  CQ3: 胃癌に対してロボット支援下手術は推奨されるか?
 重要臨床課題2.機能温存手術の是非
  CQ4: 胃体部の早期胃癌に対して幽門保存胃切除術は推奨されるか?
  CQ5: 胃上部の早期胃癌に対して噴門側胃切除術は推奨されるか?
 重要臨床課題3.合併切除、拡大手術の意義
  CQ6: 進行胃癌に対する大網切除は推奨されるか?
  CQ7: 上部進行胃癌に対する脾門郭清は推奨されるか?
 重要臨床課題4.適切な進行度診断
  CQ8: 胃癌の進行度診断にPET-CT検査は推奨されるか?
  CQ9: 進行胃癌の治療方針決定に審査腹腔鏡は推奨されるか?
 重要臨床課題5.cStageIV胃癌に対する治療
  CQ10: Oligo metastasisに対する外科治療は推奨されるか?
  CQ11: Conversion surgeryは推奨されるか?
 重要臨床課題6.食道胃接合部癌に対する手術
  CQ12: 食道胃接合部癌に対する手術において、縦隔リンパ節郭清は推奨されるか?
  CQ13: 食道胃接合部癌に対する手術において、腹部大動脈周囲リンパ節(No.16a2lat)郭清は推奨されるか?
  CQ14: 食道胃接合部癌に対する手術において、噴門側胃切除は推奨されるか?
 重要臨床課題7.残胃癌に対する治療
  CQ15: 残胃癌に対して脾摘を伴うリンパ節郭清は推奨されるか?
 重要臨床課題8.ERASプロトコールの意義
  CQ16: 胃切除術の周術期管理にERASプロトコールは推奨されるか?
 重要臨床課題9.術後フォローアップの意義
  CQ17: 術後計画的フォローは推奨されるか?
 重要臨床課題10.全身化学療法の適応
  CQ18: 高齢の切除不能進行・再発胃癌症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ19: 高度腹膜転移による経口摂取不能または大量腹水を伴う症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ20: 骨髄癌腫症を伴う胃癌症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ21: 中枢神経転移のある胃癌症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ22: 切除不能進行・再発胃癌に対してゲノム検査に基づいた個別化医療は推奨されるか?
 重要臨床課題11.切除不能進行・再発胃癌に対する一次化学療法
  CQ23: 切除不能進行・再発胃癌の一次治療において免疫チェックポイント阻害剤は推奨されるか?
  CQ24: 周術期補助化学療法後の再発例に対して、フッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法は推奨されるか?
 重要臨床課題12.切除不能進行・再発胃癌に対する二次化学療法
  CQ25: 切除不能・進行再発胃癌に対して増悪後の継続薬剤使用(Beyond PD)は推奨されるか?
 重要臨床課題13.緩和的治療
  CQ26: 進行胃癌の緩和的治療として内視鏡的消化管ステント留置は推奨されるか?
  CQ27: 進行胃癌の緩和的治療としてCART(腹水濾過濃縮再静注法)は推奨されるか?
 重要臨床課題14.周術期化学療法
  CQ28: 根治切除可能な進行胃癌・食道胃接合部癌に対して術前化学療法は推奨されるか?
  CQ29: R0手術が施行されたStageIV胃癌に対して術後補助化学療法は推奨されるか?
  CQ30: 胃切除されたCY1胃癌に対してフッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法は推奨されるか?
 重要臨床課題15.高齢者
  CQ31: 高齢者に対する内視鏡的切除は推奨されるか?
 重要臨床課題16.抗血栓薬服用者
  CQ32: 抗血栓薬服用者に内視鏡的切除は推奨されるか?

付録
Quality Indicatorによる胃がん医療の均てん化・実態に関する研究 2015年症例解析結果(一部2017年)

索引
改訂にあたって

 胃癌治療ガイドラインはこれまで、わが国に蓄積された胃癌治療に関する膨大なデータの詳細な解析と、国内外から報告された新たなエビデンスに基づいて、適切な治療法を提示してきた。臨床現場において使いやすいガイドラインとしての役割を果たすため、第5版では標準的な治療についての教科書形式の解説(「治療法」)と、臨床的に重要なクリニカルクエスチョン(CQ)に対する推奨文・解説の両方を記載した。本版でもこの構成を踏襲している。
 今回の改訂にあたっては、初版の基本理念を保ちつつ、エビデンスに基づいた治療をさらに推し進めるために、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017を参考とした作成方法を採用した。即ち最新の知見も踏まえてCQを作成し、独立したシステマティックレビュー委員が文献を調査し、これに基づいてガイドライン作成委員が合議により推奨の強さを決定した。この結果、推奨される治療の根拠が明確に示されると共に、確かな推奨治療を示すにはさらなる研究が必要な領域も明らかとなった。
 本版の主な改訂点を以下に列挙する。
1 . 外科治療、内視鏡治療、化学療法、緩和的治療に関するCQを32項目に増した。
2 . 日本胃癌学会と日本食道学会の実施した前向き研究結果に基づき、cT2-T4の食道胃接合部癌に対する手術アプローチとリンパ節郭清のアルゴリズムを示した。また食道胃接合部癌に関する3つのCQを作成し推奨を示した。
3 . 腹腔鏡下手術およびロボット支援下手術について、最新の研究状況を踏まえた推奨を示した。
4 . 切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法のレジメンは、「推奨されるレジメン」、「条件付きで推奨されるレジメン」として、「治療法」の章のアルゴリズムに列記した。治療選択肢は増す一方、個々のレジメンを比較したエビデンスは十分でないため、優先順位はつけずエビデンスレベルも記載しなかった。
5 . 免疫チェックポイント阻害剤の最新の研究成果をCQにて解説した。
 わが国の胃癌診療において本ガイドラインの推奨治療がどのように行われているか、その実態を知るために、「Quality Indicatorによる胃がん医療の均てん化・実態に関する研究」が継続して行われている。2015年の院内がん登録とそのDPCデータ(一部は2017年分)の解析結果を巻末に収載した。