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遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2020年版
家族性大腸腺腫症&リンチ症候群の診療・支援の実践ツール!

編 集 | 大腸癌研究会 |
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定 価 | 1,980円 (1,800円+税) |
発行日 | 2020/07/10 |
ISBN | 978-4-307-20415-6 |
B5判・152頁・図数:20枚・カラー図数:19枚
在庫状況 | あり |
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遺伝性大腸癌患者に対して適切な診療を行う指針として、一般臨床医にもわかりやすい形で作成されたガイドライン。
今版では、家族性大腸腺腫症・リンチ症候群の解説に加え、両疾患に共通する事項を概要としてまとめ、遺伝性大腸癌の全体像をより理解しやすい構成とした。
日常臨床で判断に迷う事項に即したCQ、遺伝学的検査や遺伝カウンセリングの解説も充実させ、遺伝性大腸癌診療の実践ツールとして必携の一冊となっている。
今版では、家族性大腸腺腫症・リンチ症候群の解説に加え、両疾患に共通する事項を概要としてまとめ、遺伝性大腸癌の全体像をより理解しやすい構成とした。
日常臨床で判断に迷う事項に即したCQ、遺伝学的検査や遺伝カウンセリングの解説も充実させ、遺伝性大腸癌診療の実践ツールとして必携の一冊となっている。
「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版」主な改訂点
総論
1.目的
2.使用法
3.対象
4.作成法
5.文献検索法
6.改訂
7.公開
8.資金
9.利益相反
10.ガイドライン委員会
各論
I.遺伝性大腸癌の概要(Outlines of Hereditary Colorectal Cancer)
1.基本的事項
2.診断
1)診断の流れ
2)遺伝学的検査
3)遺伝カウンセリング
II.家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)
1.概要
2.診断
1)診断の流れ
2)腺腫密度による分類
3)鑑別を要する疾患・病態
3.随伴病変
1)胃底腺ポリポーシス・胃腺腫
2)十二指腸腺腫・癌
3)デスモイド腫瘍
4)その他の大腸外随伴病変
4.サーベイランスと治療
1)大腸腺腫のサーベイランス
2)大腸腺腫の治療
3)大腸癌の治療
4)大腸切除前に行う大腸外随伴病変に対する検査
5)大腸切除後のサーベイランス
6)大腸外随伴病変に対するサーベイランス
5.家族(血縁者)への対応
Clinical Questions
CQ1:FAP において遺伝学的検査は推奨されるか?
CQ2:FAP に対する上部消化管サーベイランスは推奨されるか?
CQ3:FAP の十二指腸腺腫(乳頭部を除く)に膵温存手術(pancreas-sparing duodenectomy:PSD)は推奨されるか?
CQ4:FAP 患者における症状のない腹腔内デスモイド腫瘍に対する外科的治療は推奨されるか?
CQ5:FAP に対する予防的大腸全摘術は推奨されるか?
CQ6:FAP に対する大腸全摘・回腸嚢肛門(管)吻合術(IPAA)において一時的回腸人工肛門造設は推奨されるか?
CQ7:FAP に対する腹腔鏡下手術は推奨されるか?
CQ8:FAP の大腸腺腫に対する化学予防は推奨されるか?
CQ9:FAP 患者において消化管外病変のサーベイランスは推奨されるか?
CQ10:FAP に対するカプセル内視鏡検査は推奨されるか?
III.リンチ症候群(Lynch syndrome)
1.概要
2.診断
1)診断の流れ
2)鑑別を要する疾患
3.治療
1)大腸癌の治療
2)大腸癌以外の関連腫瘍への対応
4.術後のサーベイランス
1)大腸多発癌のサーベイランスと腺腫の摘除
2)大腸癌以外の関連腫瘍のサーベイランス
5.リンチ症候群であることが確定していない大腸癌患者への対応
1)遺伝学的検査を実施していない場合
2)遺伝学的検査の結果がVUSであった場合
3)リンチ症候群を強く疑う家族歴があるが遺伝学的検査で確定しない場合
6.遺伝カウンセリングと家族(血縁者)への対応
1)リンチ症候群であることが確定している患者の家族(血縁者)への対応
2)リンチ症候群が疑われるが、確定診断されていない患者の家族(血縁者)への対応
Clinical Questions
CQ11:リンチ症候群の関連腫瘍に対し原因遺伝子ごとの異なるサーベイランスが推奨されるか?
CQ12:リンチ症候群では婦人科癌に対するサーベイランスは推奨されるか?
CQ13:リンチ症候群では婦人科癌に対するリスク低減手術は推奨されるか?
CQ14:リンチ症候群を診断するためにMSIやIHCのユニバーサルスクリーニングは推奨されるか?
CQ15:リンチ症候群では血縁者に対する遺伝学的検査は推奨されるか?
CQ16:リンチ症候群では初発大腸癌の術式として拡大手術(大腸亜全摘など)は推奨されるか?
CQ17:リンチ症候群では大腸癌に対する術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ18:リンチ症候群の進行・再発大腸癌に対する化学療法は推奨されるか?
CQ19:リンチ症候群では進行・再発大腸癌に対する免疫チェックポイント阻害剤は推奨されるか?
CQ20:リンチ症候群では発がんに対する生活習慣の改善は推奨されるか?
CQ21:リンチ症候群では発がんに対する化学予防(アスピリン)は推奨されるか?
CQ22:リンチ症候群では下部消化管内視鏡サーベイランスは推奨されるか?
遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版の外部評価
文献
付録
I.家系図の書き方・読み方の原則
II.ゲノムバリアントの記載法
III.遺伝性大腸癌に関連する情報
資料
I.家族性大腸腺腫症
II.リンチ症候群
索引
総論
1.目的
2.使用法
3.対象
4.作成法
5.文献検索法
6.改訂
7.公開
8.資金
9.利益相反
10.ガイドライン委員会
各論
I.遺伝性大腸癌の概要(Outlines of Hereditary Colorectal Cancer)
1.基本的事項
2.診断
1)診断の流れ
2)遺伝学的検査
3)遺伝カウンセリング
II.家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)
1.概要
2.診断
1)診断の流れ
2)腺腫密度による分類
3)鑑別を要する疾患・病態
3.随伴病変
1)胃底腺ポリポーシス・胃腺腫
2)十二指腸腺腫・癌
3)デスモイド腫瘍
4)その他の大腸外随伴病変
4.サーベイランスと治療
1)大腸腺腫のサーベイランス
2)大腸腺腫の治療
3)大腸癌の治療
4)大腸切除前に行う大腸外随伴病変に対する検査
5)大腸切除後のサーベイランス
6)大腸外随伴病変に対するサーベイランス
5.家族(血縁者)への対応
Clinical Questions
CQ1:FAP において遺伝学的検査は推奨されるか?
CQ2:FAP に対する上部消化管サーベイランスは推奨されるか?
CQ3:FAP の十二指腸腺腫(乳頭部を除く)に膵温存手術(pancreas-sparing duodenectomy:PSD)は推奨されるか?
CQ4:FAP 患者における症状のない腹腔内デスモイド腫瘍に対する外科的治療は推奨されるか?
CQ5:FAP に対する予防的大腸全摘術は推奨されるか?
CQ6:FAP に対する大腸全摘・回腸嚢肛門(管)吻合術(IPAA)において一時的回腸人工肛門造設は推奨されるか?
CQ7:FAP に対する腹腔鏡下手術は推奨されるか?
CQ8:FAP の大腸腺腫に対する化学予防は推奨されるか?
CQ9:FAP 患者において消化管外病変のサーベイランスは推奨されるか?
CQ10:FAP に対するカプセル内視鏡検査は推奨されるか?
III.リンチ症候群(Lynch syndrome)
1.概要
2.診断
1)診断の流れ
2)鑑別を要する疾患
3.治療
1)大腸癌の治療
2)大腸癌以外の関連腫瘍への対応
4.術後のサーベイランス
1)大腸多発癌のサーベイランスと腺腫の摘除
2)大腸癌以外の関連腫瘍のサーベイランス
5.リンチ症候群であることが確定していない大腸癌患者への対応
1)遺伝学的検査を実施していない場合
2)遺伝学的検査の結果がVUSであった場合
3)リンチ症候群を強く疑う家族歴があるが遺伝学的検査で確定しない場合
6.遺伝カウンセリングと家族(血縁者)への対応
1)リンチ症候群であることが確定している患者の家族(血縁者)への対応
2)リンチ症候群が疑われるが、確定診断されていない患者の家族(血縁者)への対応
Clinical Questions
CQ11:リンチ症候群の関連腫瘍に対し原因遺伝子ごとの異なるサーベイランスが推奨されるか?
CQ12:リンチ症候群では婦人科癌に対するサーベイランスは推奨されるか?
CQ13:リンチ症候群では婦人科癌に対するリスク低減手術は推奨されるか?
CQ14:リンチ症候群を診断するためにMSIやIHCのユニバーサルスクリーニングは推奨されるか?
CQ15:リンチ症候群では血縁者に対する遺伝学的検査は推奨されるか?
CQ16:リンチ症候群では初発大腸癌の術式として拡大手術(大腸亜全摘など)は推奨されるか?
CQ17:リンチ症候群では大腸癌に対する術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ18:リンチ症候群の進行・再発大腸癌に対する化学療法は推奨されるか?
CQ19:リンチ症候群では進行・再発大腸癌に対する免疫チェックポイント阻害剤は推奨されるか?
CQ20:リンチ症候群では発がんに対する生活習慣の改善は推奨されるか?
CQ21:リンチ症候群では発がんに対する化学予防(アスピリン)は推奨されるか?
CQ22:リンチ症候群では下部消化管内視鏡サーベイランスは推奨されるか?
遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版の外部評価
文献
付録
I.家系図の書き方・読み方の原則
II.ゲノムバリアントの記載法
III.遺伝性大腸癌に関連する情報
資料
I.家族性大腸腺腫症
II.リンチ症候群
索引
この度「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版」を刊行しました。
大腸癌研究会ではこれまでに「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2012年版」、「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2016年版」を刊行し、それまでは家族性大腸腺腫症やリンチ症候群に関してはそれらの疾患をわかりやすく解説した参考すべき信頼できる書籍がなかったことから、本診療ガイドラインはそれらの疾患を適切に理解するだけでなく、日常診療においても大いに役に立ってきました。また、2016年版作成時もそうでしたが、2020版の作成に当たっても、日本における臨床のエビデンスを創出するために、家族性大腸癌委員会(現、遺伝性大腸癌委員会)では幾つかの多施設共同研究を行い、それらを英語論文として発表し、その成果を本ガイドラインに盛り込みました。そのため、遺伝性大腸癌の診療に従事している方々にとってバイブルともいえるさらに充実したガイドラインになったと思います。
2012年版や2016年版では、各論は家族性大腸腺腫症とリンチ症候群それぞれがその項目内で完結するように記載されていました。しかし、2020年版では、2012年版および2016年版の作成過程における作成委員の討論、発刊後の読者からの意見、新たな知見を基に、両疾患に共通する事項をI.遺伝性大腸癌の概要、として纏めることにより、遺伝性大腸癌の全体像をより理解しやすくし、遺伝学的検査の解説や遺伝カウンセリングの解説も充実しました。また、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群以外のさらに希少ないくつかの遺伝性大腸癌の遺伝的・臨床的特徴を一覧表として掲載したので、大いに参考になると思います。
各論の家族性大腸腺腫症では、(1)概要、(2)診断、(3)随伴病変、(4)サーベイランスと治療、(5)家族(血縁者)への対応、またリンチ症候群では、(1)概要、(2)診断、(3)治療、(4)術後のサーベイランス、(5)リンチ症候群であることが確定していない大腸癌患者への対応、(6)遺伝カウンセリングと家族(血縁者)への対応、と明確に項目を分けることにより参照したい事項が新知見とともに記述式で簡潔に記載されています。
Clinical Question(CQ)は、家族性大腸腺腫症では10項目、リンチ症候群では12項目あり、2016年版よりは少なくなっていますが、記述式の方が理解しやすい事項をその対応する箇所やサイドメモへ移動し、日常臨床で判断に迷う事項のみをエビデンスレベルと推奨度が記載されたCQとしました。
「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版」が遺伝性大腸癌患者の適切な診断・治療に役に立つことを期待しています。
2020年4月22日
大腸癌研究会会長
杉原 健一
大腸癌研究会ではこれまでに「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2012年版」、「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2016年版」を刊行し、それまでは家族性大腸腺腫症やリンチ症候群に関してはそれらの疾患をわかりやすく解説した参考すべき信頼できる書籍がなかったことから、本診療ガイドラインはそれらの疾患を適切に理解するだけでなく、日常診療においても大いに役に立ってきました。また、2016年版作成時もそうでしたが、2020版の作成に当たっても、日本における臨床のエビデンスを創出するために、家族性大腸癌委員会(現、遺伝性大腸癌委員会)では幾つかの多施設共同研究を行い、それらを英語論文として発表し、その成果を本ガイドラインに盛り込みました。そのため、遺伝性大腸癌の診療に従事している方々にとってバイブルともいえるさらに充実したガイドラインになったと思います。
2012年版や2016年版では、各論は家族性大腸腺腫症とリンチ症候群それぞれがその項目内で完結するように記載されていました。しかし、2020年版では、2012年版および2016年版の作成過程における作成委員の討論、発刊後の読者からの意見、新たな知見を基に、両疾患に共通する事項をI.遺伝性大腸癌の概要、として纏めることにより、遺伝性大腸癌の全体像をより理解しやすくし、遺伝学的検査の解説や遺伝カウンセリングの解説も充実しました。また、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群以外のさらに希少ないくつかの遺伝性大腸癌の遺伝的・臨床的特徴を一覧表として掲載したので、大いに参考になると思います。
各論の家族性大腸腺腫症では、(1)概要、(2)診断、(3)随伴病変、(4)サーベイランスと治療、(5)家族(血縁者)への対応、またリンチ症候群では、(1)概要、(2)診断、(3)治療、(4)術後のサーベイランス、(5)リンチ症候群であることが確定していない大腸癌患者への対応、(6)遺伝カウンセリングと家族(血縁者)への対応、と明確に項目を分けることにより参照したい事項が新知見とともに記述式で簡潔に記載されています。
Clinical Question(CQ)は、家族性大腸腺腫症では10項目、リンチ症候群では12項目あり、2016年版よりは少なくなっていますが、記述式の方が理解しやすい事項をその対応する箇所やサイドメモへ移動し、日常臨床で判断に迷う事項のみをエビデンスレベルと推奨度が記載されたCQとしました。
「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版」が遺伝性大腸癌患者の適切な診断・治療に役に立つことを期待しています。
2020年4月22日
大腸癌研究会会長
杉原 健一
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