乳腺腫瘍学 第3版

乳腺専門医を目指す医師のための学会編集テキストです

編 集 日本乳癌学会
定 価 8,250円
(7,500円+税)
発行日 2020/04/20
ISBN 978-4-307-20408-8

B5判・456頁・図数:116枚・カラー図数:97枚

在庫状況 あり

乳腺専門医を目指す医師のための学会編集テキスト。
専門医がおさえておくべき知識を学会カリキュラムに従い網羅的に記述。乳腺診療全体を俯瞰しつつ個々の診療を理解するのに最適な一冊であり、専門医を目指す医師のみならず、乳腺診療に携わる医師にも知識の整理に役立つ。
「乳癌取扱い規約」「乳癌診療ガイドライン」の該当する項目やBQ/CQ/FQ番号を参照先として示しており、この2冊と併用することでより深い理解を得られる。
『乳腺腫瘍学』の使い方
日本乳癌学会の歩み(1)
日本乳癌学会の歩み(2)
日本乳癌学会の歩み(3)
日本乳癌学会の歩み(4)
専門医制度と教育システム
取扱い規約・ガイドラインの目的と使い方
(1)乳癌取扱い規約
(2)乳癌診療ガイドライン

第1章 乳癌の基礎知識
1.正常乳房の基本的な組織像・乳房腋窩領域の解剖
 A.正常乳房の基本的な組織像
 B.乳房腋窩領域の解剖
2 .病理
 A.先天異常と発達異常
 B.上皮性腫瘍
 C.結合織性および上皮性混合腫瘍
 D.非上皮性腫瘍
 E.その他の組織型
 F.その他の病理学的知識
3 .バイオロジー
 A. 自然史、増殖・進展、ヘテロジェナイティ、ホルモン受容体
 B.癌関連遺伝子・多遺伝子アッセイ
 C.Liquid biopsy
4 .乳腺の生理とホルモン環境
5 .疫学
6 .検診

第2章  診断
1 .問診・病歴の取り方、視触診
2 .存在診断・質的診断・病期診断の概説
3 .画像診断
 A.マンモグラフィ
 B.乳房トモシンセシス
 C.超音波
 D.MRI
 E.PET
 F.遠隔転移の画像診断
4 .腫瘍マーカー
5 .細胞診・組織診
 A.細胞診・針生検
 B.吸引式組織生検
 C.外科的生検
6 .リンパ節転移診断
7 .BRCA 変異診断、ゲノム診断

第3章  治療
1 .良性疾患の治療
 A. 乳腺炎・膿瘍、乳腺症、異型乳管過形成
 B.乳管内乳頭腫・乳頭部腺腫
 C.線維腺腫・葉状腫瘍、過誤腫
 D. 乳管拡張症・炎症性偽腫瘍・女性化乳房症・陥没乳頭
2 .悪性疾患の治療
2-1 .外科的治療
 A.治療のプランニング
 B.原発乳癌
 C.転移・再発乳癌
 D.乳房再建術
 E.周術期管理
 F.外科手術に伴う合併症
2-2 .内科的治療
 A.治療のプランニング
 B.原発乳癌
 C.転移・再発乳癌
 D.乳癌以外の悪性腫瘍
 E.有害事象
 F.抗癌薬の薬理・薬剤耐性・薬物有害反応の評価方法
 G.治療効果の判定基準(臨床的・組織学的)
2-3 .放射線療法
 A.乳房温存手術後
 B.乳房全切除術後(進行乳癌)
 C.有害事象
 D.転移・再発
2-4 .術後フォローアップ
 A.初期治療後の経過観察と検査
 B.放射線療法後の経過観察と検査
 C.根治術後リハビリテーション
 D.リンパ浮腫
3.緩和医療と精神的ケア
 A.症状緩和と終末期医療
 B.サイコオンコロジー
 C.高齢者医療

第4章  医療の質
1 .チーム医療・クリティカルパス
2 .インフォームドコンセント・医療安全
3 .クオリティオブライフ
4 .遺伝カウンセリング
5 .臨床試験(臨床研究)
6 .利益相反
7 .医療保障・医療経済
8 .就労支援

付.乳癌診療ガイドライン2018年版BQ・CQ・FQ 一覧
索引
 日本乳癌学会編の「乳腺腫瘍学」は2012年に初版が上梓され、2016年に第2版が、そして2020年に第3版の発刊を迎えた。歴代の教育・研修委員会の委員長・委員と執筆いただいた各分野の第 一人者の叡智が集約された学会認定の教科書である。
 当初は乳腺専門医を目指す医師にとって最低限理解すべき専門知識の習得が本書の狙いであっ た。現在も乳腺専門医を取得するためのバイブルであるが、乳癌診療に携わるすべての方の参考書として高い評価をいただいている。本書を通して乳腺疾患全般を網羅的に理解することができる。乳癌の基礎、診断、治療と医療の質が章ごとに体系的に編纂されている。各項目もコンパクトにまとめられており、初学者にとっても分かりやすい記述を心掛けている。
 以前、乳癌診療は10年単位で変化を遂げていた。しかし、今は数年単位で劇的な進化を遂げている。乳癌のバイオロジーの理解や腫瘍免疫学の進歩から新規薬剤が開発され、そのコンパニオン診 断が行われている。さらに、遺伝性乳癌卵巣癌症候群では既発症者の遺伝カウンセリングとリスク低減手術が保険収載されるに至った。すなわち、従来の手術療法、薬物療法、放射線療法に加えて、乳癌診療を日々アップデートすることが社会から求められていると言っても過言ではない。そのた め、日本乳癌学会では「乳腺腫瘍学」「乳癌取扱い規約」「乳癌診療ガイドライン」を定期的に刊行し、乳癌の基礎と臨床、病期分類と予後・効果予測因子、そして最新のエビデンスについて周知い ただくよう心掛けている。
 最後に、本書を通して乳癌診療のさらなる向上と均てん化が達成されますことを願います。第3版の刊行にご尽力をいただいた教育・研修委員会委員、専門医制度委員会委員、執筆者、出版社などすべての関係者へ深く感謝いたします。

2020年3月
日本乳癌学会 理事長 井本 滋