患者さんのための肺がんガイドブック 2019年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む

待望の患者向けガイドライン! 肺がんの正しい知識がこの1冊に!

編 集 日本肺癌学会
定 価 2,420円
(2,200円+税)
発行日 2019/12/06
ISBN 978-4-307-20404-0

B5判・192頁・カラー図数:69枚

在庫状況 あり

患者さんと家族の様々な疑問・質問を一つひとつ丁寧に解説。検査・診断・治療、さらに生活上のアドバイスについて、患者さんを取り巻くすべての心配事を本書で解決。肺がんのほか、悪性胸膜中皮腫・胸腺腫・胸腺がんも含め、最新かつ根拠のある情報をもとにそれぞれの専門家がお答えします。肺がんのタイプはさまざまで、それぞれ異なる治療があります。まずは本書を手に取りあなたの肺がんに合った正しい知識を身に付けましょう。
第1章 肺がんについて
Q1 「肺がん」とはどのような病気ですか
Q2 肺がんの種類はいくつかあるのでしょうか
Q3 肺がんになるとどのような症状が現れるのですか
Q4 肺がんが転移しやすい場所と症状について教えてください

第2章 肺がんの診断に必要な検査
Q5 健康診断あるいは検診結果が「要精査」「病院で検査を受けるように」となっていました。どうすればよいでしょうか
Q6 肺がんかどうかを調べるための検査について教えてください
Q7 経過観察といわれましたが大丈夫でしょうか
Q8 検査による被ばくが心配ですが大丈夫でしょうか
Q9 血液検査だけでがんかどうかはわからないのでしょうか 〜腫瘍マーカーなど〜
Q10 細胞や組織を詳しく調べることで何がわかるのでしょうか
Q11 肺以外も調べるのですか 〜病期診断のための検査〜
Q12 ゲノム医療、プレシジョンメディシン、がん遺伝子パネルという言葉をニュースなどで見かけるのですが、私にも関係あるでしょうか

第3章 肺がんと診断されたら、まず知って欲しいこと
Q13 とにかく不安で、何から考えてよいかわかりません。どうすればよいでしょうか
Q14 良い病院の選び方はあるでしょうか
Q15 担当医と話し合うときに、聞くべきこと、準備すべきことはありますか
Q16 現在の治療方針でよいのか不安です。別の病院に相談できないでしょうか 〜セカンドオピニオン〜
Q17 治療にかかる費用が心配です。使える制度などがあれば教えてください
Q18 このガイドブックだけではもの足りません。どのように情報を集めればよいですか
Q19 インターネットには情報があふれていて、どれが正しいのかわかりません。良い情報、誤った情報を見分けるコツはありますか
Q20 治療を受けながら現在の仕事を続けたり、別の職場に就職することはできるでしょうか
Q21 禁煙はしたほうがよいでしょうか
Q22 患者さんを支援するような仕組みや団体はあるのでしょうか
Q23 子どもや両親、パートナーにはどのように伝えればよいでしょうか
Q24 子どもが欲しいのですが、がんになっても可能でしょうか
Q25 「人生会議」をするタイミングなのでしょうか 〜ACP(アドバンスケアプランニング)〜

第4章 治療の概要
Q26 肺がんの治療にはどのようなものがありますか
Q27 肺がんの治療はどのように決めていくのですか 〜臨床病期(ステージ)と治療選択〜
Q28 この治療が標準治療といわれました。もっと良い治療があるのでしょうか。臨床試験、治験とはどう違うのでしょうか
Q29 治療はいつまで続けるのでしょうか。また、治療が効かなかった場合や再発・再燃したときはどうなるのでしょうか
Q30 ほとんど寝たきりの生活ですが、治療は受けられますか
Q31 「治療法がない」「治療をしないほうがよい」といわれました。どうすればよいでしょうか

4-1. 外科治療
Q32 肺がんの手術とはどういうものですか。どのように手術をするのですか
Q33 手術をするかどうかはどのように決めていくのですか

4-2. 放射線療法
Q34 放射線療法はどういう治療法ですか
Q35放射線の線量とは何のことですか。肺がんではどれくらいの線量や回数をあてるのですか
Q36 放射線療法の実際、治療の流れについて教えてください
Q37 放射線療法の方法や選び方について教えてください
Q38 放射線療法に伴う合併症について教えてください

4-3. 薬物療法
Q39 肺がんの治療薬にはどのようなものがありますか
Q40 抗がん剤治療(化学療法)はどのような治療ですか
Q41 抗がん剤治療(化学療法)はつらいと聞きましたが副作用について教えてください。また、何を注意しておけばよいのでしょうか
Q42 分子標的治療とはどのような治療ですか
Q43 分子標的治療薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
Q44 免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬とはどのような治療ですか
Q45 免疫チェックポイント阻害薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか

4-4. 緩和ケア
Q46 緩和ケアとはどういうものですか。どうすれば受けられるのでしょうか
Q47 緩和ケアを受ける場合の療養場所についても教えてください

4-5. リハビリテーション
Q48 がんの治療中にリハビリテーションを行ったほうがよいのですか

第5章 症状がある場合、転移がある場合の治療
Q49 つらい痛みがあります。痛みはとれるでしょうか
Q50 モルヒネ、麻薬を使うといわれました。副作用や中毒が心配です
Q51 呼吸が苦しいのですが、やわらげることはできますか
Q52 気分が落ち込んで憂うつです。どうすればよいですか
Q53 痛みが強く、骨に転移しているといわれましたが対処方法はあるのでしょうか 〜骨転移〜
Q54 脳に転移しているといわれましたが、どのような治療が行われるのでしょうか 〜脳転移〜
Q55 胸水がたまっているといわれました。どのような症状が出てくるのですか。治療法はありますか 〜がん性胸膜炎〜
Q56 そのほかに肺がんによって起こる代表的な症状にはどのようなものがありますか

第6章 非小細胞肺がんの治療
6-1. 外科治療(手術)が中心となる治療
Q57 手術のみの場合の治療について教えてください
Q58 手術後に追加治療が必要となるのはどのような場合ですか
Q59 手術の前に放射線療法や薬物療法を行うことはありますか
Q60 手術後に再発した場合の治療について教えてください
Q61 手術後にはどのようなことに気をつければよいですか

6-2. 放射線療法が中心となる治療
Q62 放射線療法のみを行うこともあるのでしょうか
Q63 放射線療法と薬物療法の併用を勧められました。具体的なやり方を教えてください
Q64 抗がん剤治療(化学療法)と放射線療法の併用療法の副作用にはどのようなものがありますか
Q65 放射線療法後に再発した場合の治療について教えてください

6-3. 薬物療法のみの治療
Q66 薬物療法だけで肺がんは治るのでしょうか。手術はできないのでしょうか
Q67 さまざまな薬の中から、私に適した治療はどのように決まるのでしょうか
Q68 薬物療法はいつまで続けるのでしょうか
Q69 治療の効果はどのようにみていくのですか。効果がなくなったときにはどうするのでしょうか

第7章 小細胞肺がんの治療
Q70 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか
Q71 限局型小細胞肺がんといわれました。どのような状態でしょうか
Q72 限局型小細胞肺がんにはどのような治療法がありますか
Q73 化学放射線療法でがんは小さくなりました。再発予防の治療は必要ないのですか
Q74 進展型小細胞肺がんといわれました。どのような状態なのでしょうか
Q75 進展型小細胞肺がんにはどのような治療法があり、私には何が最適なのでしょうか
Q76 小細胞肺がんでは分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬は使われないのでしょうか
Q77 小細胞肺がんが再発したといわれました。治療はできますか

第8章 悪性胸膜中皮腫
Q78 悪性胸膜中皮腫とはどのような病気ですか
Q79 アスベストが原因なのでしょうか
Q80 診断はどのように行われるのでしょうか
Q81 治療はどのようなものがありますか
Q82 救済制度があると聞いたのですが、申請の手順などを教えてください

第9章 胸腺腫瘍(胸腺腫・胸腺がん)
Q83 胸腺腫、胸腺がんとはどのような病気ですか
Q84 診断はどのように行われるのでしょうか
Q85 治療はどのようなものがありますか

第10章 生活上のアドバイス
Q86 風邪気味のときは近くの病院にかかってもよいのでしょうか
Q87 統合医療、補完代替療法について教えてください(サプリメント、アロマテラピー、漢方など)
Q88 サプリメントを飲みたいのですが、担当医には言い出しにくいので、こっそり使っても大丈夫でしょうか
Q89 免疫力を上げたほうがよいと聞いたのですが、そのような方法はありますか
Q90 薬物療法を受けていますが、家族に影響が出るようなことはないのでしょうか
Q91 髪の毛が抜けたり、肌の荒れや爪の変形が気になります。何かできることはあるでしょうか
Q92 口内炎がつらいです。やわらげることはできますか
Q93 通院で治療することになりました。注意することはありますか
Q94 家族はどのように支えていけばよいでしょうか

・肺がん治療に使用される薬剤一覧
・情報窓口一覧
・索引
はじめに

 このたび、肺がんに関する患者さんとご家族向けの「肺がんガイドブック」を日本肺癌学会から出版することになりました。日本肺癌学会は肺がんおよびこれに関する領域の研究の進歩ならびに知識の普及をはかり、もって患者さんをはじめ広く人類の健康と福祉の増進に寄与することを目的として活動しています。この活動のひとつとして医師向けの「肺癌診療ガイドライン」を定期的に改訂、発行してきました。一方、患者さん、市民向けの情報は限られており、日本肺癌学会は、認定NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)が平成19年から出版してきた患者さん向けガイドブック「よくわかる肺がんQ&A」を公認するかたちでこれを推奨してまいりました。このガイドブックは平成26年までの7年間に医学の進歩に合わせた改訂が3回重ねてられてきました。それから5年が経過し、この間の肺がんの診断法、治療法の進歩は著しく、これに追いつくためには新たな内容への改訂が求められていました。今回、日本肺癌学会では患者さんに最適な肺がん医療を受けていただくために、医師向けの「肺癌診療ガイドライン」に準じた患者さん、家族向けのガイドブックを企画しました。患者さん向けのガイドブックは、読んでいただく患者さんの疑問や不安にこたえるものでなければなりません。そこで、WJOGがこの20年弱の間に開催した、市民公開講座で寄せられた患者さんからの質問を集約し、専門家集団「日本肺癌学会」の学術的見解をもとに解説したものが望ましいと考え、WJOG版「よくわかる肺がんQ&A」に、日本肺癌学会が新しい時代の変化に伴う改良・改善を加えて本書を作成しました。
 今回の出版にあたっては、以下の点に配慮しました。

(1)新たに標準治療となった免疫チェックポイント阻害薬の治療を追加
(2)ゲノム医療の進歩によって、他のがんに先駆け肺がんで開発が進んでいるがん分子マーカーと分子標的治療薬について追加
(3)肺がんの治療にとどまらず、肺がんの治療を受けながら仕事や生活を安心して続けられる生活・就労支援の情報を追加
(4)企画段階から編集・発行まで、肺がん患者さんにも参加していただくこと
(5)肺がんの解説に加え、日本肺癌学会がかかわる悪性胸膜中皮腫、胸腺腫・胸腺がんの解説を追加

 上記の点を認識したうえで、肺がん患者団体連絡会の代表者やさまざまな職種の編集委員が協力し、5年間の肺がん診療の進歩をカバーする書籍となりました。
 本書は、どなたでも手軽に入手できるよう、医学書専門店のほか、全国の書店店頭での注文購入、インターネットでの購入が可能です。また、WJOG版「よくわかる肺がんQ&A」同様に、安価で購入することができます。本書を希望されるすべての方のお手元に届くことになれば幸いです。
 日本肺癌学会は、研究のみならず社会への啓発活動として市民公開講座、肺がん患者会との協力、メディア・社会に対してがん医療の最新情報提供を行ってきました。玉石混交の医療情報があふれ、情報の選択が大切になるなか、本書をご利用いただき適切な肺がん医療情報を参考にしていただけましたら幸甚です。

令和元年12月

特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 弦間 昭彦