乳癌診療ガイドライン 2018年版 〔追補2019〕

2019年にWEB版で更新・追加された27項目をまとめた1冊

編 集 日本乳癌学会
定 価 1,980円
(1,800円+税)
発行日 2019/10/28
ISBN 978-4-307-20403-3

B5判・130頁・図数:9枚

在庫状況 あり

2019年に同ガイドラインWEB版で更新・追加された内容から、「薬物療法」「外科療法」「放射線療法」「検診・画像診断」領域の27項目を1冊にまとめた。「薬物療法」では、タモキシフェンによる子宮内膜癌の発症リスクのBQや、転移・再発トリプルネガティブ乳癌に対するプラチナ製剤のCQなど計18項目を掲載、ほか3領域もそれぞれ2〜4項目を掲載している。アップデートされた項目を確認するのに最適の1冊。
<薬物療法>
1.初期治療
総説
 1)早期乳癌に対する初期治療の目的
 2)周術期の内分泌療法について
 3)周術期の化学療法について
 4)周術期の抗HER2 療法について
 5)サブタイプ分類(intrinsic subtype)と周術期治療の個別化
 6)妊孕性温存
 7)バイオ医薬品とバイオシミラー(バイオ後続品)
 8)男性乳癌に対する初期治療
BQ15 タモキシフェンは子宮内膜癌(子宮体癌)の発症リスクを増加させるか?
CQ1 閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として何が推奨されるか?
CQ2 閉経後ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として何が推奨されるか?
CQ3 潤性乳癌に対する術後内分泌療法の至適治療期間はどれくらいか?
CQ7 手術可能なHER2陽性浸潤性乳癌に対して術前化学療法に抗HER2療法を併用することは推奨されるか?
CQ10 HER2陽性浸潤性乳癌に対して術後化学療法に抗HER2療法を併用することは推奨されるか?
FQ16 術前化学療法で病理学的完全奏効(pCR)を得られなかった場合、術後化学療法の変更を考慮すべきか?

2.転移・再発乳癌
総説
 1) 転移・再発乳癌に対する治療の目的
 2) 転移・再発乳癌に対する治療選択を行うにあたって考慮すべき因子
 3) 転移・再発乳癌に対する治療原則(Hortobagyi のアルゴリズム)
 4) 転移・再発乳癌に対する「一次・二次内分泌療法の定義」の変更について
 5) 転移・再発乳癌に対する「一次・二次化学療法」の定義について
 6) 転移・再発乳癌に対する「一次・二次抗HER2 療法」の定義について
 7) 転移・再発乳癌に対する抗HER2 療法の“treatment?free interval”についての考え方
 8) 転移・再発乳癌を対象とした臨床試験の意義ある適切なエンドポイントとは?
 9) 化学療法が奏効している場合に治療を継続すべきか
 10)QOL とは?
 11)男性乳癌に対する転移・再発治療
CQ13 閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として、何が推奨されるか?
CQ14 閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する二次以降の内分泌療法として、何が推奨されるか?
CQ15 閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として、何が推奨されるか?
CQ28 転移・再発トリプルネガティブ乳癌に対してプラチナ製剤は勧められるか?

3.その他(特殊病態、副作用対策など)
BQ14 アロマターゼ阻害薬使用患者における骨粗鬆症の予防・治療に骨吸収抑制薬(ビスホスホネート、デノスマブ)は推奨されるか?
FQ14 BRCA遺伝子変異陽性乳癌患者の周術期薬物療法として何が勧められるか?
FQ17 乳腺悪性葉状腫瘍の遠隔転移に対して薬物療法は勧められるか?
FQ18 妊娠期乳癌に対して薬物療法は勧められるか?
FQ19 BRCA遺伝子変異陽性進行・再発乳癌患者の薬物療法として何が勧められるか?


<外科療法>
3.乳癌初期治療における乳房再建
総説
 1)再建時期と回数
 2)乳房全切除術後の再建術
 3)乳房部分切除時の再建術

4.転移・再発乳癌に対する外科手術
CQ7 StageIV乳癌に対する予後の改善を期待しての原発巣切除は勧められるか?


<放射線療法>
総説2 乳房手術後に放射線療法が勧められない場合
 1)絶対的禁忌
 2)相対的禁忌

1.乳房手術後放射線療法
CQ1 全乳房照射において通常分割照射と同等の治療として寡分割照射は勧められるか?
BQ8 乳房手術後放射線療法の適切なタイミングはどのようなものか?


<検診・画像診断>
1.乳がん検診
総説3 高濃度乳房問題について

2.乳癌の精密検査(治療前)
総説5 乳腺診療における乳房画像診断精度の評価
FQ5 造影乳房MRIのみで検出される病変(MRI?detected lesion)の精査は必要か?

3.乳癌の精密検査(治療後)
総説6 初期治療後フォローアップ
乳癌診療ガイドライン2018年版〔追補2019〕作成にあたって

 乳癌診療ガイドラインは2018年に大きな改訂を行い、同年5月に発刊された。2018年版のコンセプトは、“医師と患者のshared decision making のサポートツールとしてのガイドラインを目指して”であった。すでに多くの方が手に取り、ご活用くださっている。
 また、発刊後は、皆様から「2015年版まで掲載されていたCQが削除されているが、復活してほしい」、「記載内容に不備がある」など、多数のご意見をいただいた。さらに、文献検索を行った後に論文化された新しいデータも随時発表されている。日本乳癌学会では、本ガイドラインが世の中の流れに遅れることのないように、半年ごとにWEB版の改訂作業を行うこととしており、2019年1月に1回目のWEB版改訂(2018年版 ver.2)が実行された。そして、今回、2019年9月に第2回のWEB版改訂(2018年版ver.3)が実行されている。
 今年2回の改訂の中で、薬物療法を中心にして、かなり多くの箇所が修正され、さらに新しいCQもいくつか追加された。これらの点をWEB版で確認していただくことは可能であるが、やはり手に取って、患者さんと情報共有する本来の目的のために、冊子として世に出すことを決定した。すでに2018年版を多くの方に活用いただいていることから、今回はすべての項目(修正のないものも含めて)を掲載することはせず、新しく修正・追記された総説、BQ(バックグランドクエスチョン)、CQ(クリニカルクエスチョン)、FQ(フューチャーリサーチクエスチョン)に限り、追補2019として掲載している。3冊(治療編2018年版、疫学・診断編2018年版、追補2019)を同時にご覧いただき、新しいデータを確認いただきながら、ご活用いただきたい。
 大きく内容が変わったCQ(薬物療法CQ1、CQ3)、および新たなCQ(薬物療法CQ28)については、2018年版と同様に推奨決定会議での議論・投票を実施した。この推奨決定会議のメンバーは、2018年版作成時の12名に加え、各小委員会副委員長も参加をすることで総勢19名での投票となっている。

2019年9月

診療ガイドライン委員会
委員長 岩田 広治