患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版 第6版

患者さんが知りたい64の疑問をわかりやすく解説!3年ぶりの改訂版

編 集 日本乳癌学会
定 価 2,484円
(2,300円+税)
発行日 2019/07/16
ISBN 978-4-307-20399-9

B5判・240頁・カラー図数:41枚

在庫状況 あり

納得のいく医療を受けるためには、患者さんが標準治療(=最善の治療)や診療方法について正しく理解したうえで、医師と相談し、ご自身に合った治療を選択することが重要です。本書は、乳がんの患者さんやそのご家族が、いま知りたいことについて、正しい情報をわかりやすく得られるよう医師と患者さん、看護師、薬剤師が力を合わせ作成した書籍です。最新の情報をもとに、患者さんからの計64の質問(Q)に対する回答(A)と解説を掲載しています。
・『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』の読み方・使い方
・ 乳がん診療を正しく受けていただくために
・ 一般的な乳がん治療の流れの例

原因と予防について
1 食生活・生活習慣・持病と乳がん発症リスクについて
 1-1 肥満は乳がん発症リスクと関連がありますか。
 1-2 アルコール飲料の摂取は乳がん発症リスクを高めますか。
 1-3 大豆食品やイソフラボンの摂取は乳がん発症リスクと関連がありますか。
 1-4 乳がんの予防のために健康食品やサプリメントを摂取することは勧められますか。
 1-5 乳製品の摂取は乳がん発症リスクを高めますか。
 1-6 喫煙は乳がん発症リスクを高めますか。
 1-7 運動によって乳がん発症リスクは低下しますか。
 1-8 ストレスや性格は乳がん発症リスクと関連がありますか。
 1-9 糖尿病は乳がん発症リスクと関連がありますか。
2 更年期障害の治療に用いられるホルモン補充療法や経口避妊薬(ピル)について
 2-1 更年期障害の治療に用いられるホルモン補充療法は乳がん発症リスクと関連がありますか。
 2-2 避妊の目的で用いられる経口避妊薬(ピル)は乳がん発症リスクを高めますか。
3 妊娠・出産、授乳および月経歴は乳がん発症リスクと関連がありますか。
4 乳がんと遺伝について
 4-1 乳がんは遺伝しますか。
 4-2 遺伝性乳がんが疑われる方の遺伝学的検査で何がわかるのですか。
 4-3 BRCA1 、BRCA2 遺伝子に病的変異がみつかった場合には、どうしたらよいですか。

乳がん検診と診断の進め方
5 乳がん検診について教えてください。
6 乳がんの診断はどのようにして行うのでしょうか。
7 穿刺吸引細胞診や針生検はどのようなときに行われますか。
8 乳がん以外の乳房のしこりには、どのようなものがありますか。

乳がんと診断されたら
9 乳がんと診断されました。これから治療を受けるのに、どうしたらよいでしょうか。
10 治療を決めるときにはどのようなことに気をつければよいでしょうか。
11 標準治療とは何ですか。
12 臨床試験とは何ですか。
13 緩和ケアについて教えてください。
14 不安なとき、どうしたらよいか教えてください。
15 家族とどう向き合えばよいのでしょうか。
16 仕事は辞めなければならないのでしょうか。
17 経済面や生活面での支援制度はありますか。

治療を受けるにあたって

初期治療を受けるにあたって
18 治療前に行われる検査について教えてください。
19 初期治療の考え方と全体の流れについて教えてください。
20 手術前の薬物療法について教えてください。
手術
21 現在の標準的な手術の方法は何ですか。
22 乳房温存療法は、どのような場合に適応となりますか。
23 センチネルリンパ節生検について教えてください。
24 どのような場合に腋窩リンパ節郭清が必要でしょうか。
25 上肢リンパ浮腫や痛みなど手術後の後遺症について教えてください。
26 手術後の乳房はどのようになりますか。
27 乳房再建について教えてください。
28 手術後の生活では、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
29 手術後の下着やパッドは、どのように選んだらよいですか。
病理
30 病理検査でどのようなことがわかりますか。
31 乳がんのなかには、通常の乳がんとは異なる特殊な病気がありますか。
放射線
32 放射線療法について教えてください。
33 乳房手術後の放射線療法は何のために行うのでしょうか。
34 乳房温存手術後の放射線療法はどのように行われるのでしょうか。
35 乳房全切除術後の放射線療法はどのように行われるのでしょうか。
36 乳房手術後の放射線療法の際にみられる副作用はどのようなものですか。
37 手術後の放射線療法は早く受けたほうがよいのでしょうか。
薬物
38 再発予防のための術前もしくは術後の薬物療法はどのように決めるのでしょうか。

初期治療後の診察と検査
39 手術後の経過観察はどのように受けたらよいでしょうか。

再発・転移の治療について
40 再発・転移とは、どのような状態なのでしょうか。
41 再発・転移の治療について教えてください。
42 再発・転移していることがわかりました。どのように気持ちを整理したらよいですか。
43 局所再発(温存乳房内再発、乳房全切除術後胸壁再発、周囲のリンパ節再発)の治療について教えてください。
44 骨転移について教えてください。
45 脳転移について教えてください。

薬物療法について
46 抗がん薬治療(化学療法)は何のために行うのでしょうか。
47 抗がん薬(化学療法薬)・分子標的治療薬はどのように使用されるのでしょうか。
48 抗がん薬(化学療法薬)・分子標的治療薬の副作用とその予防法・対処法について教えてください。
49 抗がん薬治療による脱毛に備えて、どのような準備をしたらよいですか。
50 分子標的治療薬とは、どのような薬ですか。どんな人が治療の対象となりますか。
51 ホルモン療法薬(内分泌療法薬)はどのような効果があるのでしょうか。
52 ホルモン療法(内分泌療法)は、どのくらいの期間続けたらよいのでしょうか。
53 ホルモン療法薬(内分泌療法薬)の副作用とその予防法・対処法について教えてください。
54 乳がんの薬物療法を行う際、どのようなときに歯科受診したほうがよいのでしょうか。
55 乳がんの診断や治療に遺伝子検査は役に立つのでしょうか。
56 痛み止めの種類と使い方を教えてください。

療養上の諸問題について
57 生活習慣と乳がん再発リスクとの関連について
 57-1 肥満は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-2 脂肪の摂取は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-3 アルコール飲料の摂取は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-4 乳製品の摂取は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-5 大豆食品の摂取は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-6 喫煙は乳がん再発リスクと関連がありますか。
 57-7 乳がんの再発を予防するためには、運動を多くしたほうがよいでしょうか。
 57-8 心理社会的な要因は乳がん再発リスクを高めますか。
58 治療中や治療後の生活の注意点を教えてください。
59 薬の飲み方について教えてください。
60 免疫療法、高濃度ビタミンC療法、アガリクスやメシマコブなどの補完代替医療は乳がんに対して効果が期待できますか。

若年者の乳がん・男性乳がんについて
61 AYA世代の乳がんには、どのような特徴がありますか。
62 妊娠中に乳がんと診断されました。治療や妊娠・出産はどのようになりますか。
63 将来、妊娠・出産を希望しています。どうしたらよいでしょうか。
64 男性乳がんと診断されました。治療法について教えてください。

・ 付1.初期治療として使用される主な治療
・ 付2.転移・再発治療として使用される主な治療
・ 質問集
・ あとがき
・ 索引
はじめに

 日本乳癌学会では『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』を作成してきました。このたび、2016年版を改訂し、2019年版を刊行いたしました。
 乳がんの診療は、文字通り日進月歩を遂げております。経験豊かな臨床医にとっても、乳がんの診断、手術、薬物療法、そして放射線療法を理解して最適な診療を行うことが求められています。このガイドラインは、患者さんに乳がん診療への理解を深めていただくために作成されました。
 今回の改訂のポイントは、医師向けの『乳癌診療ガイドライン2018年版』と日本における診療の現状を反映したことです。例えば、「原因と予防について」の章では、乳がん発症リスクに関する項目を分かりやすくまとめています。また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関連するBRCA遺伝学的検査の重要性について、国内の現状も踏まえて記載されています。
「治療を受けるにあたって」の章では、仕事との両立、経済的負担と支援制度、腋窩リンパ節郭清の必要性、乳房温存手術後の放射線療法など、心身のみならず、社会的にも経済的にも負担の大きい治療を少しでも軽減するためのヒントが解説されています。さらに、「薬物療法について」の章では、従来の抗がん薬やホルモン療法薬に加えて、ある特定の分子の機能を制御する分子標的治療薬について解説されています。分子標的治療薬の多くは高額医療となりますが、患者さんの病状や薬の効果に加えて、生活にも配慮した治療の選択が求められています。
 本書が患者さんにとって、担当医とともに最適な医療を選択していくうえで参考となることを願っております。最後に本書の改訂にあたり、佐治重衡委員長をはじめとする作成小委員会の方々と、向井博文委員長をはじめとする評価小委員会の方々 に深甚なる感謝を申し上げます。

2019年6月

日本乳癌学会理事長
井本 滋