大腸癌治療ガイドライン 医師用 2019年版

治療法全般を最新知見でupdate、CQも増えた全面改訂版!

編 集 大腸癌研究会
定 価 1,836円
(1,700円+税)
発行日 2019/01/25
ISBN 978-4-307-20393-7

B5判・152頁・カラー図数:5枚

在庫状況 あり

2016年版では薬物療法のみの改訂であったが、本版では内視鏡治療、手術治療、薬物療法などの各領域を、最近の臨床試験の結果や大腸癌研究会プロジェクト研究の成果を取り入れて全般的に改訂した。とくに薬物療法では新たな分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の承認により治療アルゴリズムが一新された。また、Clinical Questionを23から28へ増やし、推奨文を見直してより明確な記述とした。
はじめに
2016年版 序
2014年版 序
2010年版 序
2009年版 序
初版 序

『大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版』 主な改訂点

総論
 1.目的
 2.使用法
 3.対象
 4.作成法
 5.文献検索法
 6.改訂
 7.公開
 8.一般向けの解説
 9.資金
 10.利益相反
 11.文献
 12.ガイドライン委員会

各論
 1.Stage0〜StageIII大腸癌の治療方針
  1)内視鏡治療
  2)手術治療
  サイドメモ:「奏効率」と「奏効割合」、「生存率」と「生存割合」に関して
 2.StageIV大腸癌の治療方針
 3.再発大腸癌の治療方針
 4.血行性転移の治療方針
  1)肝転移の治療方針
  2)肺転移の治療方針
  3)脳転移の治療方針
  4)その他の血行性転移の治療方針
 5.薬物療法
  1)補助化学療法
  2)切除不能進行再発大腸癌に対する薬物療法
  サイドメモ:次世代シークエンス法/ctDNA
 6.放射線療法
  1)補助放射線療法
  2)緩和的放射線療法
 7.緩和医療・ケア
 8.大腸癌手術後のサーベイランス
  1)大腸癌根治度A切除後の再発に関するサーベイランス
  2)大腸癌根治度B切除後および再発巣切除後のサーベイランス
  3)異時性多重がんのサーベイランス

Clinical Questions
 CQ 1:内視鏡的切除されたpT1大腸癌の追加治療の適応基準は何か?
 CQ 2:最大径2cm以上の腫瘍性病変に対する内視鏡的切除としてESDは推奨されるか?
 CQ 3:早期大腸癌の内視鏡的切除後にサーベイランスは推奨されるか?
 CQ 4:大腸癌に対して腹腔鏡下手術は推奨されるか?
 CQ 5:直腸癌に対して側方郭清は推奨されるか?
 CQ 6:切除不能な遠隔転移を有する症例に原発巣切除は推奨されるか?
 CQ 7:腹膜転移を認めた場合、原発巣と同時に切除することは推奨されるか?
 CQ 8:肝転移と肺転移の双方を同時に有する症例の転移巣の切除は推奨されるか?
 CQ 9:切除可能肝転移に対する術前補助化学療法は推奨されるか?
 CQ 10:薬物療法が奏効して切除可能となった肝転移、肺転移に対する切除は推奨されるか?
 CQ 11:薬物療法が奏効して画像上消失した肝転移巣の切除は推奨されるか?
 CQ 12:大腸癌肝転移に対する腹腔鏡下手術は推奨されるか?
 CQ 13:肝転移巣に対する熱凝固療法は推奨されるか?
 CQ 14:直腸癌局所再発の切除は推奨されるか?
 CQ 15:StageIII結腸癌に術後補助化学療法は推奨されるか?
 CQ 16:StageIII大腸癌術後補助化学療法の治療期間は6カ月が推奨されるか?
 CQ 17:70歳以上の高齢者に術後補助化学療法は推奨されるか?
 CQ 18:StageII大腸癌に術後補助化学療法は推奨されるか?
 CQ 19:遠隔転移巣切除後の補助化学療法は推奨されるか?
 CQ 20:切除不能大腸癌に対する一次治療として分子標的治療薬の併用は推奨されるか?
 CQ 21:切除不能大腸癌に対する二次治療として分子標的治療薬の併用は推奨されるか?
 CQ 22:切除不能大腸癌に対する後方治療としてregorafenib、FTD/TPIは推奨されるか?
 CQ 23:大腸癌に免疫チェックポイント阻害薬は推奨されるか?
 CQ 24:肝転移に対する肝動注療法は推奨されるか?
 CQ 25:R0切除可能な直腸癌に対して術前治療は推奨されるか?
 CQ 26:遠隔転移のない切除不能な局所進行再発直腸癌に対する化学放射線療法は推奨されるか?
 CQ 27:閉塞性大腸癌にステント治療は推奨されるか?
 CQ 28:大腸癌治癒切除後に多重がん(多発癌および重複がん)のサーベイランスは推奨されるか?

大腸癌治療ガイドライン2019年版の外部評価
資料
文献
索引
はじめに

 この度「大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版」を刊行しました。「大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版」が完成した時点では、次回の改訂は2018年を予定していましたが、その後に薬物療法の領域において、大規模臨床試験の結果や治療を行う上で重要な研究結果が公表されたことから、早急なアップデートが必要と判断し、薬物療法領域のみを改訂した「大腸癌治療ガイドライン医師用2016年版」が刊行されました。今回の改訂では、大腸癌治療にかかわるすべての領域(内視鏡治療領域、外科治療領域、薬物療法領域)の改訂が行われました。
 いま日本で最も罹患率の高い癌のひとつとなった大腸癌に対しては、日本全国の様々な医療機関で診療が行われています。「大腸癌治療ガイドライン医師用」を刊行する目的は、これら全国の大腸癌の診療にかかわる医師に対して適切な治療法を提示することにより、過不足のない診療が行われるようにすることであり、それにより大腸癌診療の質の地域間・施設間格差をなくすことです。したがって、大腸癌治療の専門の施設において行われる新しい治療法の試みや新しい技術の導入を妨げるものではありません。また、「大腸癌治療ガイドライン医師用」は、標準的な大腸癌の患者さんを想定し、進行度に応じた適切な治療法を推奨するものです。一方、実際の臨床現場では、治療に関する考え方や併存疾患、社会環境、医療環境など、様々に異なる患者さんの治療を行います。そのため、「大腸癌治療ガイドライン医師用」では、あえて治療法間の優劣を厳格に決めることはせず、多くの選択肢を残し、各々の患者さんにどの治療法を適用するかは医師と患者さんとでよく話し合って決める、との立場をとっています。したがって、それぞれの治療法に関し、より詳細な情報が必要であると判断した場合は、それぞれの領域の専門書を参照していただければと思います。
 大腸癌の診断や治療は日々進歩しています。しかし、新しい治療法が必ずしも最良の治療法ではありません。良くデザインされた臨床試験により確立された治療法や、臨床試験は行われていないが改良を積み重ねられてきた臨床経験が十分な討論を経て日常診療として受け入れられた治療などがでてくれば、それらはガイドラインの新たな一ページに加えられるものと思います。

2019年1月25日

大腸癌研究会会長
杉原 健一