胃癌治療ガイドライン 医師用 2018年1月改訂 第5版

「胃癌取扱い規約 第15版」・「TNM分類 第8版」に連動した大改訂版!

編 集 日本胃癌学会
定 価 1,404円
(1,300円+税)
発行日 2018/01/31
ISBN 978-4-307-20381-4

B5判・108頁・図数:4枚・カラー図数:7枚

在庫状況 あり

「胃癌取扱い規約 第15版」・「TNM分類 第8版」とStage分類などを連動させ、日常臨床における治療アルゴリズムを改訂した。手術ではD2郭清の定義の変更など、外科臨床試験の結果を反映させた。内視鏡的切除では適応と根治性の評価が大きく変更された。化学療法では進行胃癌に対して「推奨されるレジメン」と「条件付きで推奨されるレジメン」が定められた。また、CQは治療法ごとに設定され、前版の7から26へ大幅増加した。
I章 本ガイドラインについて
 1.胃癌治療ガイドラインの目的と対象
 2.作成主体
 3.作成の基本方針
 4.本ガイドラインの推奨とエビデンスレベルの表記
 5.ガイドラインの公開と利用の仕方

II章 治療法
A.治療法の種類と適応
 1.日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム
B.手術
 1.手術の種類と定義
 2.胃の切除範囲
 3.リンパ節郭清
 4.食道胃接合部癌(長径4cm以下)
 5.その他
 6.再建法
C.内視鏡的切除
 1.内視鏡的切除の種類
 2.内視鏡的切除における標本の取扱い
 3.内視鏡的切除の適応
 4.内視鏡的切除の根治性
 5.内視鏡的切除後の治療方針
D.切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法
 1.切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法適応の原則
 2.化学療法レジメンの推奨度の定義とエビデンスレベル
 3.切除不能進行・再発胃癌に対する一次化学療法
 4.切除不能進行・再発胃癌に対する二次化学療法
E.補助化学療法
 1.術後補助化学療法の意義
 2.術後補助化学療法の適応
F.緩和ケア
G.胃癌手術後のクリニカルパス
H.胃癌手術後のフォローアップ
文献

III章 資料
A.クリニカル・クエスチョン(CQ)
 1.手術に関するクリニカル・クエスチョン
  CQ1:非治癒因子を有する進行胃癌に対して予後改善を目指す減量手術としての胃切除術は推奨されるか?
  CQ2:早期胃癌に対する幽門保存胃切除術は推奨されるか?
  CQ3:EMR・ESDの対象とならないU領域のcT1N0腫瘍に対して、噴門側胃切除術は推奨されるか?
  CQ4:U領域の進行胃癌に対し、No.10、11リンパ節郭清のための予防的脾摘は推奨されるか?
  CQ5:切除可能限界近傍の高度リンパ節転移症例に対して、術前化学療法を伴う拡大郭清手術は推奨されるか?
  CQ6:食道胃接合部癌に対する至適リンパ節郭清範囲は何か?
  CQ7:U領域胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術は推奨されるか?
  CQ8:胃癌肝転移に対する肝転移切除は推奨されるか?
  CQ9:cT2以深の残胃の癌に対する至適リンパ節郭清範囲は何か?
  CQ10:胃癌治療方針の決定に審査腹腔鏡は推奨されるか?
 2.内視鏡的切除に関するクリニカル・クエスチョン
  CQ11:EMR/ESD適応病変(2cm以下の潰瘍所見を有さない分化型粘膜内癌)に対して、EMRとESD、どちらの内視鏡的切除法が推奨されるか?
  CQ12:ヘリコバクター・ピロリ陽性例に対して、内視鏡的切除後のヘリコバクター・ピロリ除菌療法は推奨されるか?
 3.化学療法に関するクリニカル・クエスチョン
 ・切除不能進行・再発胃癌に関するクリニカル・クエスチョン
  CQ13:切除不能進行・再発胃癌の一次治療において、フッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法を投与方法や毒性プロファイルに応じて使い分けることは推奨されるか?
  CQ14:切除不能進行・再発胃癌の一次治療においてタキサン系薬剤は推奨されるか?
  CQ15:切除不能進行・再発胃癌の一次治療において、増悪以外の理由によるプラチナ系薬剤中止後のフッ化ピリミジン系薬剤単独の継続投与は推奨されるか?
  CQ16:切除不能進行・再発胃癌の二次治療において単独療法は推奨されるか?
  CQ17:HER2陽性切除不能進行・再発胃癌の二次治療においてトラスツズマブの継続投与は推奨されるか?
  CQ18:切除不能進行・再発胃癌の二次治療においてS-1の継続投与は推奨されるか?
  CQ19:切除不能進行・再発胃癌の三次治療以降において化学療法は推奨されるか?
  CQ20:胃切除された腹腔洗浄細胞診陽性(CY1)症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ21:高度腹膜転移による経口摂取不能または大量腹水を伴う症例に対して化学療法は推奨されるか?
  CQ22:高齢の切除不能進行・再発胃癌症例に対して化学療法は推奨されるか?
 ・周術期補助化学療法に関するクリニカル・クエスチョン
  CQ23:胃癌の術後補助化学療法においてStageや組織型によって化学療法レジメンを選択することは推奨されるか?
  CQ24:術後補助化学療法施行中または終了後早期(6カ月以内)再発症例に対して補助化学療法で用いられた薬剤を含む化学療法は推奨されるか?
  CQ25:StageIV胃癌のR0切除後症例に対して術後補助化学療法は推奨されるか?
  CQ26:切除可能胃癌症例に対して術前補助化学療法は推奨されるか?
B.日本胃癌学会全国登録資料

付録 : Quality Indicatorによる胃がん医療の均てん化・実態に関する研究(2013年症例解析結果)

索引
改訂にあたって

 今回の改訂にあたり、まず本ガイドラインの構成と形式に関して作成委員会および学会年次学術集会で議論した。ガイドライン評価委員会が学会員を対象に行ったアンケート調査では、従来の教科書形式の維持を希望する回答が多かったが、他臓器癌の診療ガイドラインの動向もふまえ、できるだけエビデンスレベルや推奨の強弱を明示し、Clinical Question(CQ)と推奨文・解説を増やすこととした。次版以降は、初版の基本理念を保ちつつ、本格的なevidence-based形式への移行が検討される予定である。
 第4版の出版(2014年)以降、外科手術におけるいくつかの重要なランダム化比較試験と、内視鏡的切除における前向き検証試験が決着し、化学療法においては多くの新規薬剤が登場してレジメンの選択肢が増えたため、今回はメジャーな改訂となった。
 以下、主な改訂点を列挙する。

1.本版と同時期に改訂となった『胃癌取扱い規約 第15版』および『TNM分類 第8版』と、Stage分類などを連動させた。

2.日常臨床における治療アルゴリズムを改訂し、CQと連結した。

3.胃全摘術のD2郭清の定義から脾門部リンパ節No.10を削除し、その他の外科臨床試験の結果を本文に反映させた。

4.内視鏡的切除の適応病変を変更した。また根治性の評価において「非治癒切除」などの表現がふさわしくないとの意見が強く出たため、新たに「内視鏡的根治度eCura」を定義した。

5.進行胃癌に対する化学療法のレジメンを、「推奨されるレジメン」と「条件付きで推奨されるレジメン」に大別して列挙し、推奨されるレジメンにエビデンスレベルを併記した。

6.臨床現場で遭遇する重要なCQと、それに対するガイドライン委員会の推奨文と解説を、外科、内視鏡的切除、化学療法の分野ごとになるべく多く設定した。

 また、ガイドラインの推奨が医療現場にどのように普及しているかを検討する目的でQuality indicatorを用いた研究が行われているが、2013年の院内がん登録とDPCデータによる胃癌症例の解析が行われたので、そのダイジェストを付録として収載した。

2017年11月