患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版 第3版 大腸癌について知りたい人のために

手術、内視鏡、化学療法の最近の治療を取り入れて改訂!Q&Aも充実!!

編 集 大腸癌研究会
定 価 1,100円
(1,000円+税)
発行日 2014/07/04
ISBN 978-4-307-20328-9

B5判・76頁・図数:34枚

在庫状況 あり

医師用の大腸癌治療ガイドライン(2014年版)を患者さん向けに解説した本です。大腸や大腸癌の基礎知識を解説した上で、検査法、手術治療、内視鏡治療、化学療法などを説明しています。可能な限り専門用語を避け、図解を多用し、わかりやすいことを心がけました。また、多くの患者さんが持つ疑問点にはQ&A形式でお答えしました。本書をご活用いただき、正しい知識を持って治療に臨まれることをお勧めいたします。
1.はじめに
2.ガイドラインを理解するための基礎知識
 1.大腸とは
  解剖学的位置
  各部位の名称
  血液の流れ
  リンパの流れ(リンパ系)
  神経の走行(神経支配)
  大腸壁の構造
  大腸の働き
 2.大腸癌とは
  大腸癌が発生するしくみ
  遺伝的素因
  大腸癌の肉眼的形態
 3.大腸癌の患者数
 4.大腸癌の広がり方
  浸潤
  リンパ行性転移
  血行性転移
  腹膜播種
  ステ−ジ分類(病期分類)
 5.大腸癌による症状
 6.大腸癌の検査法
 (1)検診法
  便潜血反応
 (2)診断法
  直腸指診
  注腸造影検査
  大腸内視鏡検査
 (3)治療方針を決めるために必要な検査
  胸部腹部CT
  腹部超音波検査
  MRI
  その他の検査 CTコロノグラフィ
         カプセル内視鏡
         PET
 7.大腸癌の治療法
 (1)内視鏡治療
  ポリペクトミ−
  内視鏡的粘膜切除術(EMR)
  内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
  内視鏡治療の適応
  内視鏡治療の合併症
 (2)手術治療
  リンパ節郭清(D1、D2、D3 郭清)
  結腸癌の手術
  直腸癌の手術
  腹腔鏡下手術
  手術治療の合併症
  手術治療の後遺症
 (3)化学療法(抗がん剤療法)
  化学療法の目的
  化学療法の副作用
  化学療法の効果判定
 (4)放射線療法
 (5)緩和医療
  緩和医療とは

3.大腸癌治療ガイドラインの解説
 1.治療の原則
 2.ステ−ジ 0〜ステ−ジIIIの大腸癌の治療
 (1)内視鏡治療と手術治療の選択
 (2)手術治療
 3.ステ−ジIVの大腸癌の治療
 4.血行性転移の治療
  肝転移の治療
  肺転移の治療
  脳転移の治療
 5.再発した大腸癌の治療
 6.化学療法
  化学療法の内容
  補助化学療法
  切除不能進行・再発大腸癌に対する化学療法
  化学療法の継続
 7.放射線療法
  補助放射線療法
  緩和的放射線療法
 8.大腸癌手術後のサ−ベイランス
  サ−ベイランスとは
  再発が起こりやすい時期と臓器
  再発する割合
  サ−ベイランスの方法
 9.緩和医療・ケア

Q&A
大腸癌の予防法
大腸癌のステ−ジ
大腸癌の内視鏡治療
リンパ節郭清
大腸癌の外科治療
入院から退院までの経過
大腸癌手術の合併症について
肛門括約筋温存の可否
人工肛門について
大腸癌の治療成績
大腸癌の再発
大腸癌の化学療法
大腸癌の補助化学療法
切除不能進行・再発大腸癌の化学療法
放射線治療
腹腔鏡下手術
大腸癌手術後の生活について
大腸癌手術後のサ−ベイランス
大腸癌の腫瘍マ−カ−
「説明と同意」
セカンドオピニオン
代替療法
臨床試験
高額療養費
2014年版の刊行にあたって

 大腸癌はこの30年間に急速に増えてきた「がん」の一つです。大腸癌にかかる人は2001年以来10万人を超えていて、「がん」にかかる人のうち大腸癌にかかる人の数は男性では第3位、女性では第2位です(2010年全国がん罹患モニタリング集計)。このように大腸癌の患者さんが多いことや大腸癌の手術そのものはそれほど難しい手術ではないこと、手術後のケアがそれほど複雑ではないこと、などから大腸癌の手術の多くは、大学病院やがんセンター病院ではなく、一般の病院で行われています。一方、大腸癌治療の経験が豊富な大学病院やがんセンター病院からは世界的に見てもすばらしい大腸癌の治療成績が報告されています。大腸癌研究会では、大腸癌治療に携わる先生方に大腸癌の標準的治療方針を提示することにより、施設間格差を解消し、過剰診療・治療や過小診療・治療をなくし、さらに一般に公開して医療者と患者の相互理解を深めることを目的として、「大腸癌治療ガイドライン医師用 2005年版」を2005年7月に刊行しました。それとともに患者さんやご家族の方、一般の方々に大腸癌の治療を十分に理解していただくために「大腸癌治療ガイドラインの解説 2006年版」を2006年1月に刊行しました。その後、大腸癌治療に関する臨床試験の結果や知見の蓄積により、「大腸癌治療ガイドライン医師用」は2009年、2010年、2014年に改訂され、それに伴い「大腸癌治療ガイドラインの解説」も2009年に改訂されました。ここ数年、社会情勢や環境の変化から、大腸癌の患者さんやご家族の方だけでなく一般の方々の大腸癌の治療への関心が高まってきています。一方では、インターネットなどで大腸癌に関する情報が氾濫し、なかには誤った情報や適切ではない治療も見受けられます。
 大腸癌の適切な治療を受けるには、患者さん自身が大腸癌のことをよく知っておくこと、正しい知識を身に着けておくことが大切です。この度「大腸癌治療ガイドライン医師用」が改訂されたことを契機に「大腸癌治療ガイドラインの解説」も、書名を改め、よりわかりやすい言葉で、イラストや写真も多くし、「大腸癌治療ガイドライン医師用 2014年版」に沿って書き改めました。また、患者さんやご家族の方、一般の方々が大腸癌の治療において疑問に思われるような点をQ&Aとして記載してあります。
 「大腸癌治療ガイドライン医師用」や「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン」は大腸癌研究会に所属している先生方がボランティアで、診療後や休日を返上して作成された本です。よりわかりやすくなっているとは思いますが、わかりにくい点や疑問に思う点は担当の先生にお聞きになり、大腸癌にしっかり向き合って、困難を乗り越えていただきたいと思います。

2014年7月
大腸癌研究会会長
杉原 健一