放射線治療計画ガイドライン 2020年版 第5版

4年ぶりに改訂!最新情報にアップデートするとともにレイアウトも刷新しました。

編 集 日本放射線腫瘍学会
定 価 4,950円
(4,500円+税)
発行日 2020/10/20
ISBN 978-4-307-07116-1

B5判・456頁

在庫状況 なし

放射線治療計画のガイドラインが4年ぶりに改訂しました。モダリティや治療法の進歩、保険適用の拡大、各診療ガイドライン等に対応し、全体的にアップデートしています。各章扉に改訂のポイントをまとめたり、レイアウトを刷新してコメントを理解しやすくするなど、細かい使い勝手も向上しています。放射線治療に関わる医療従事者必携の一冊です。
序文
放射線治療計画ガイドライン2020年版(改訂第5版)発刊にあたって
作成資金と利益相反
ガイドライン委員会

総論
I.放射線治療計画総論
II.通常照射の手法と品質管理
III.定位放射線治療の品質管理─頭部─
IV.定位放射線治療の手法と品質管理─体幹部─
V.放射線治療のリスクマネジメント
VI.IGRT の手法と品質管理
VII.IMRT の手法と品質管理
VIII.呼吸性移動対策の手法と品質管理
IX.正常組織反応
X.粒子線治療の手法と品質管理
トピックス.オリゴメタスタシス(oligometastases)

中枢神経
I.悪性神経膠腫
II.低悪性度神経膠腫
III.髄芽腫
IV.上衣腫
V.脳胚腫
VI.下垂体腺腫
VII.聴神経腫瘍
VIII.髄膜腫
IX.脊髄腫瘍

頭頸部
I.総論
II.眼・眼窩腫瘍
III.上顎洞癌
IV.上咽頭癌
V.中咽頭癌
VI.下咽頭癌
VII.喉頭癌
VIII.口腔癌(舌以外)
IX.舌癌
X.唾液腺腫瘍
XI.甲状腺癌
XII.原発不明頸部リンパ節転移
XIII.CTVアトラス(頭頸部癌リンパ節領域)

胸部
I.非小細胞肺癌
II.小細胞肺癌
III.肺癌に対する定位放射線治療
IV.CTVアトラス(肺癌)
V.縦隔腫瘍
VI.乳癌
VII.CTVアトラス(乳癌リンパ節領域)
VIII.悪性胸膜中皮腫

消化器
I.食道癌
II.CTVアトラス(胸部食道癌リンパ節領域)
III.直腸癌
IV.肛門癌
V.直腸癌・肛門癌 リンパ節領域アトラス
VI.原発性肝細胞癌
VII.胆道癌
VIII.膵癌

泌尿器
I.膀胱癌
II.前立腺癌根治照射
III.前立腺全摘除術後の放射線治療
IV.前立腺癌─高線量率組織内照射─
V.前立腺癌─密封小線源永久挿入療法─
VI.CTV アトラス(前立腺)
VII.精巣(睾丸)腫瘍
VIII.陰茎癌

婦人科
I.子宮頸癌
II.子宮体癌
III.腟癌・外陰癌
IV.婦人科癌のIGBT
V.CTV アトラス(子宮頸癌)

血液・リンパ・皮膚・骨・軟部
I.ホジキンリンパ腫
II.非ホジキンリンパ腫
III.節外性リンパ腫
IV.骨髄腫
V.皮膚癌
VI.骨・軟部腫瘍
VII.骨・軟部腫瘍の重粒子線治療

小児
I.総論
II.小児腎腫瘍(腎芽腫とその他の小児腎腫瘍)
III.横紋筋肉腫
IV.神経芽腫
V.ユーイング肉腫
VI.小児白血病
VII.小児がんの陽子線治療

緩和
I.脳転移
II.骨転移
III.緊急照射

良性疾患
I.甲状腺眼症
II.ケロイド
III.翼状片
IV.血管腫・血管奇形
V.脳動静脈奇形
VI.脾腫
付表1.通常分割照射における正常組織の耐容線量
付表2.QUANTECによる正常組織の耐容線量
索引
<序文>

 本邦のがん患者数は増加の一途であり、現状国民の3人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなるという、日本人の死因の圧倒的な第一位となっています。しかしながら、様々な治療法の進歩によりすべてのがんを総計した5年生存率は60%を超えています。
 放射線治療は、手術、抗がん剤による薬物療法と共に、がん治療の3本の柱の重要な一つです。多くのがんに放射線治療が行われ、放射線治療は、その多くの固形がんで手術とほぼ同様の治療効果が期待できると考えています。また、がんの進行に伴う痛みや出血などの症状の緩和にも、大きな役割を果たしています。しかしながら、放射線治療の実施適応数は、欧米諸国に比べると極めて少なく、日本でのがん患者での放射線の適用は、25%にとどまっています。この適用率は、欧米に比べると2分の1以下となっています。
 『放射線治療計画ガイドライン』は、日本放射線科専門医会・医会の放射線診療ガイドライン策定事業の一環として、第1版が2004年に発刊され、その後4年ごとに改訂版が出版され、ガイドラインの内容も三次元治療、強度変調放射線治療、画像誘導放射線治療、定位放射線治療などの高精度放射線治療の適応に対応できるように発展してきました。2012年版からは、JASTRO 単独責任編集となり、今回、『放射線治療計画ガイドライン2020年版』が出版されることとなりました。本書は近年の放射線治療の目覚ましい発展の報告を加味し、安全かつ効果的な高精度放射線治療の推進に大いに役立つものと思われます。
 本ガイドラインは放射線治療計画のガイドラインであり、通常の診療ガイドラインがevidencebased medicineの手法に基づいて記載されておりますが、放射線治療計画に関するエビデンスは限られている現状もあり、これまでと同様、臓器別の専門家のコンセンサスに基づいている面があります。今回の改訂では、近年大きく進歩し展開している、強度変調放射線治療・画像誘導放射線治療に加え陽子線・炭素線による粒子線治療などの照射法についても詳細に解説いたしました。原稿はJASTROガイドライン委員会(秋元哲夫委員長)の責任で編集され、JASTRO理事などの外部評価ののち完成し発刊に至りました。
 本ガイドラインが実際の臨床現場で日々放射線治療に携わる放射線腫瘍医の指針となり、ここに示された放射線治療計画が、本邦の放射線治療の標準となり、安全かつ効果的な放射線治療の推進につながることを期待します。最後に、本ガイドラインの編集に携わったガイドライン委員、執筆者、外部評価委員の方々に感謝の意を表します。

2020年10月
公益社団法人日本放射線腫瘍学会理事長
茂松 直之


<放射線治療計画ガイドライン2020年版(改訂第5版)発刊にあたって>

 日本放射線腫瘍学会(JASTRO)ガイドライン委員会では、2004年の第1版、2008年の第2版、2012年の第3版、2016年の第4版を経て、体幹部定位放射線治療の適応拡大や陽子線治療および重粒子線治療の保険収載なども反映した2020年改訂第5版を出版する運びとなった。第3版以降は、日本放射線腫瘍学会の単独編集となっています。
 本ガイドラインは名前に示す通り放射線治療計画に関するガイドラインで、診療ガイドラインはevidence-based medicine(EBM)の手法に基づいて記載されていますが、放射線治療計画自体に関するエビデンスは限られており、これまでの版と同様に根拠となる新規の論文などはアップデートし、そのエビデンスレベルを反映しつつも専門家のコンセンサスに基づいて記載されています。
 このため本ガイドラインではクリニカルクエスチョンと推奨レベルという診療ガイドラインの形式は採用していません。
 2016年版から頭頸部癌、肺癌、乳癌、食道癌などの代表的な疾患でのアトラスも掲載され、今回の改訂でもそのアップデートを含めてそのスタイルを堅持しています。さらに改訂に際しても、2016年版で改訂すべき点や追加すべき内容などのパブコメを会員からいただき、各項目の内容に反映しています。改訂ごとに治療計画で記載すべき内容が多岐にわたり詳細になってきていますので、前版から採用している骨子となる本文の記載に加えて、その解説を青字で記載する形式を踏襲し、読者の理解を助ける形式を継続採用しています。さらに2016 年版からの改訂ポイントを明確にするため、各章に章扉を今回から新設して、各項目の改訂ポイントが一目で把握できるようにしました。
 2004年の第1版から現在までに、がん治療領域でも多くの診療ガイドラインが発刊・改訂され、がん治療におけるガイドラインの位置づけとその重要性が益々大きくなっています。上記にように放射線治療計画ガイドラインは診療ガイドラインとはその形式や構成も異なりますが、ほとんどの疾患の診療ガイドラインには放射線治療とそのエビデンスの記載があり、本ガイドライン作成に参画している多くの放射線腫瘍医が作成委員として診療ガイドライン作成に関わっています。その際に、放射線治療の方法や詳細が本放射線治療計画ガイドラインに委ねられることも少なくありません。そのため、本改訂でも、他の診療ガイドラインとの整合性にも配慮し、がん診療において放射線治療の適応とその実際の方法が本放射線治療計画ガイドラインを読めば、外科や化学療法などの他の専門領域の専門家にもわかるような充実した内容になっていると自負しています。放射線治療計画ガイドライン2020も多くの方々に読んで頂き、前版から更に充実したと評価されるように、改訂作業に関わった一同願っています。

2020年10月
ガイドライン委員長 秋元 哲夫
ガイドライン改訂作業委員長 中山 優子