リンパ浮腫診療ガイドライン 2018年版 第3版

患者さんに質の高いリンパ浮腫ケアを提供するために必読の一冊

編 集 日本リンパ浮腫学会
定 価 2,376円
(2,200円+税)
発行日 2018/03/10
ISBN 978-4-307-20383-8

B5判・104頁・図数:1枚・カラー図数:5枚

在庫状況 あり

癌治療に伴う続発性(二次性)リンパ浮腫の診療ガイドライン、4年ぶりの改訂版。今版ではCQ全体を「疫学・予防」と「診断・治療」の2章立てとし、計21のCQについてエビデンスをもとに診療の指針を分かりやすく解説。推奨グレード表記がそぐわないCQでは、エビデンスグレード表記を使用した。より質の高いリンパ浮腫ケアを患者に提供するために、リンパ浮腫診療に携わる医療者必携の一冊。
リンパ浮腫診療ガイドラインについて
総論

クリニカルクエスチョン
I.疫学・予防
CQ1 セルフケアのためのリンパ浮腫指導は有用か?
CQ2 センチネルリンパ節生検によって腋窩郭清を省略した乳癌患者に対して、リンパ浮腫ケアは必要か?
CQ3 生活関連因子(採血・点滴、血圧測定、空旅、感染、温度差、日焼け)は続発性リンパ浮腫の発症、増悪の原因となるか?
CQ4 乳癌患者に対する乳房再建術は、続発性リンパ浮腫の発症に影響しないか?
CQ5 弾性着衣は続発性リンパ浮腫の予防的治療として勧められるか?
CQ6 a.用手的リンパドレナージ(MLD)は続発性リンパ浮腫の発症予防の一環として勧められるか?
   b.シンプルリンパドレナージ(SLD)は続発性リンパ浮腫の発症予防の一環として勧められるか?
CQ7 a.肥満は続発性リンパ浮腫発症の危険因子か?
   b.体重管理は続発性リンパ浮腫の発症率を下げる、あるいは浮腫を軽減するか?
CQ8 続発性リンパ浮腫のリスクのある患者が運動(エクササイズ)を行った場合、行わなかった場合と比べてリンパ浮腫の発症率は減少するか?
CQ9 放射線照射は続発性リンパ浮腫発症の危険因子か?
CQ10 タキサン系薬剤は続発性リンパ浮腫発症の危険因子か?
II.診断・治療
CQ11 続発性リンパ浮腫に対して、弾性着衣は標準治療として勧められるか?
CQ12 続発性リンパ浮腫に対して、多層包帯法(MLLB)は標準治療として勧められるか?
CQ13 a.続発性リンパ浮腫に対して、用手的リンパドレナージ(MLD)は標準治療として勧められるか?
   b.続発性リンパ浮腫に対して、シンプルリンパドレナージ(SLD)は標準治療として勧められるか?
CQ14 a.続発性リンパ浮腫に対して、圧迫療法や用手的リンパドレナージ(MLD)に間欠的空気圧迫療法(IPC)を加えることは予防の一環として勧められるか?
   b.続発性リンパ浮腫に対して、圧迫療法や用手的リンパドレナージ(MLD)に間欠的空気圧迫療法(IPC)を加えることは標準治療として勧められるか?
CQ15 続発性リンパ浮腫に対して、運動(エクササイズ)は治療として勧められるか?
CQ16 続発性リンパ浮腫に対してリンパ管細静脈吻合術を行った場合、行わなかった場合と比べてリンパ浮腫は改善するか?
CQ17 続発性リンパ浮腫に対して血管柄付きリンパ節移植術を行った場合、行わなかった場合と比べてリンパ浮腫は改善するか?
CQ18 続発性リンパ浮腫に対して脂肪吸引術を行った場合、行わなかった場合と比べてリンパ浮腫は改善するか?
CQ19 続発性リンパ浮腫に対して漢方薬を使用した場合、使用しなかった場合と比べてリンパ浮腫は軽減するか?
CQ20 続発性リンパ浮腫に対して漢方薬以外の薬物を使用した場合、使用しなかった場合と比べてリンパ浮腫は軽減するか?
CQ21 原発性(一次性)リンパ浮腫に対して複合的治療を行った場合、行わなかった場合と比べてリンパ浮腫は軽減するか?

リンパ浮腫診療ガイドラインの外部評価
索引
 このたび「リンパ浮腫診療ガイドライン2018年版」として、第3版を出版する運びとなり、今回も編纂に携われたことを大変光栄に存じます。2008年度にリンパ浮腫指導管理料の新設と弾性着衣・弾性包帯が療養費扱いとして保険収載された「リンパ浮腫元年」以来、がん治療の発展の陰で長い間取り残されていたリンパ浮腫診療が、ようやく日の目をみるようになりました。やがて、厚生労働省の委託事業であるがんリハビリテーション研修の一環として発足した「リンパ浮腫研修」(2013年より「新リンパ浮腫研修」)が始動し、今や千数百名の修了者を数えるに至っております。
 016年度には、「リンパ浮腫複合的治療料」が新設されると同時に、医師、看護師、理学療法士に加え新たに作業療法士が対象職種となり、ようやく包括的なリンパ浮腫診療をチーム医療として医療施設で実施する基盤が整いました。「リンパ浮腫複合的治療料に関する算定基準」のなかで、「新リンパ浮腫研修」のカリキュラムは「専門的なリンパ浮腫研修に関する教育要綱」として「33時間以上の座学」の基準となっていることは周知のとおりであります。
 臨床現場からはなお、重症度分類、算定料、回数、適応などに対してさらなる改定を求める声も聞こえてまいりますが、まずは新たに使えるようになった「道具」でいかに効果・効率的な診療を実践するかを創意工夫することが、我々医療者に与えられた喫緊の課題であると確信しております。この意識を共有し、解決を探る切磋琢磨の場として、2016年度に日本リンパ浮腫研究会を母体に日本リンパ浮腫学会が設立されたのも時代の必然でありましょう。同研究会が担っていたガイドライン事業を継承する使命を肝に銘じ、学会をあげて日本のリンパ浮腫診療の標準化を全うしてまいります。
 第3版は21項目のCQのなかに、リンパ浮腫の発症・増悪因子もしっかりと拾い上げ、より日常臨床に沿ったコンテンツを厳選したと自負しております。システマティック・レビューを通じて、発症因子や効果的な治療に関する科学的根拠はさらに明確化していることがみえてもまいりました。経験のみに基づいた古き理念にとらわれることなく、本書がエビデンスに基づいたリンパ浮腫診療の標準化に少しでも役立つことを、委員一同切に望んでおります。

2018年2月
日本リンパ浮腫学会ガイドライン委員会
委員長 北村 薫