肺癌診療ガイドライン 2017年版 IV期非小細胞肺癌薬物療法

IV期非小細胞肺癌における薬物療法にスポット!

編 集 日本肺癌学会
定 価 1,620円
(1,500円+税)
発行日 2017/12/19
ISBN 978-4-307-20374-6

B5判・72頁・カラー図数:12枚

在庫状況 なし

ドライバー遺伝子の多様化、新規薬剤、臨床試験データのアップデートに迅速対応。最新の肺癌診療指針をいち早く臨床現場へ! 診療上の重要度の高い医療行為についてクリニカルクエスチョンを設け、治療による益と害のバランスや、患者の意向や視点をも踏まえて診療方針を提示している。診療方針の流れを示すフローチャート(樹形図)も刷新され、より利便性が高まった。日々の診療に即役立つ肺癌診療の必須ツールである。
・ 序
・ 作成委員
・「薬物療法・集学的治療」領域の改訂にあたって(GRADEに基づく新推奨度について)

[1] IV非小細胞肺癌
■ IV期非小細胞肺癌における薬物療法の意義とサブグループ別の治療方針
■ 1-1.遺伝子変異陽性
1-1-1.遺伝子変異陽性の治療方針
CQ1 全身状態良好(PS0-1)な遺伝子変異陽性例に対する最適な1次治療は何か?
CQ2 PS2-4の遺伝子変異陽性例に対する最適な1次治療は何か?
CQ3 75歳以上の遺伝子変異陽性例に対する最適な1次治療は何か?
CQ4 遺伝子変異陽性例に細胞障害性抗癌剤は勧められるか?
CQ5 遺伝子変異陽性例に免疫チェックポイント阻害剤は勧められるか?
1-1-2.EGFR遺伝子変異陽性
・EGFR遺伝子変異陽性の1次治療:エクソン19欠失またはL858R変異陽性
CQ6 PS0-1の場合、1次治療としてどのEGFR-TKIが勧められるか?
CQ7 PS2の場合、1次治療としてどのEGFR-TKIが勧められるか?
CQ8 PS3-4の場合、1次治療としてどのEGFR-TKIが勧められるか?
CQ9 エクソン19欠失またはL858R変異陽性に1次治療としてEGFR-TKIの併用療法は勧められるか?
・EGFR遺伝子変異陽性の1次治療:エクソン18-21変異(エクソン19欠失・L858R変異を除く)
CQ10 PS0-1の場合、1次治療としてどのEGFR-TKIが勧められるか?
・EGFR遺伝子変異陽性の2次治療以降
CQ11 1次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対する最適な2次治療は何か?
1-1-3.ALK遺伝子転座陽性
・ALK遺伝子転座陽性の1次治療
CQ12 PS0-1の場合、1次治療としてどのALK-TKIが勧められるか?
CQ13 PS2-4の場合、1次治療としてどのALK-TKIが勧められるか?
・ALK遺伝子転座陽性の2次治療以降
CQ14 1次治療ALK-TKI耐性または増悪後のPS0-2に対する最適な治療は何か?
1-1-4.ROS1遺伝子転座陽性
CQ15 ROS1遺伝子転座陽性に1次治療としてクリゾチニブは勧められるか?
1-1-5.BRAF遺伝子変異陽性
CQ16 BRAF遺伝子変異陽性に1次治療としてダブラフェニブ+トラメチニブは勧められるか?
1-1-6.遺伝子変異陽性:扁平上皮癌
CQ17 扁平上皮癌で遺伝子変異陽性であった場合に、チロシンキナーゼ阻害剤は推奨できるか?

■ 1-2.PD-L1≧50%
CQ18 全身状態良好(PS0-1)なPD-L1≧50%に対する最適な1次治療は何か?
CQ19 PS2のPD-L1陽性細胞≧50%に対する最適な1次治療は何か?

■ 1-3.遺伝子異常陰性、PD-L1<50%、もしくは不明
・遺伝子異常陰性、PD-L1<50%、もしくは不明の1次治療
CQ20 遺伝子変異陰性、PD-L1<50%、もしくは不明のPS0-1、75歳未満に対する最適なレジメンは何か?
CQ21 遺伝子変異陰性、PD-L1<50%、もしくは不明のPS0-1、75歳以上に対する最適なレジメンは何か?
CQ22 遺伝子変異陰性、PD-L1<50%、もしくは不明のPS2に対する最適なレジメンは何か?
CQ23 プラチナ製剤併用療法を受ける場合の推奨される投与期間は?
CQ24 プラチナ製剤併用療法を受ける場合にベバシズマブの上乗せは勧められるか?
CQ25 プラチナ製剤併用療法を受ける場合に維持療法は勧められるか?
CQ26 PS3-4の患者(遺伝子変異陰性もしくは不明、PD-L1発現は問わない)に治療は勧められるか?
・遺伝子異常陰性、PD-L1<50%、もしくは不明の2次治療以降
CQ27 1次治療耐性または進行例、PS0-2に推奨される2次治療は何か?
CQ28 PS0-2に対して2次治療以降で推奨される細胞障害性抗癌剤は何か?
CQ29 2次治療でドセタキセルを用いる場合にラムシルマブの併用は推奨されるか?
CQ30 2次治療でエルロチニブは推奨されるか?
・レジメン:IV期非小細胞肺癌

付.シスプラチン投与におけるショートハイドレーション法の手引き
 IV期非小細胞肺癌薬物療法2017年版の発刊にあたりご挨拶申し上げます。
 わが国の肺癌診療ガイドラインは、2003年、2005年に初版、改訂第2版がそれぞれ発行されました。その後の肺癌診療の進歩は著しく、刻々と公表される重要なエビデンスへの対応を迅速に行う必要が生じてきたため、2011年以降は毎年WEB上で公開してまいりました。2014年にはガイドラインの整備が一段落したため冊子体が発刊され、この年から2年毎の冊子化を計画し、昨年末に2016年版を発刊致しました。
 一方、診療ガイドラインの世界標準としてGRADEシステムがあり、日本医療機能評価機構の医療情報サービスMindsの診療ガイドライン作成マニュアルもこれに準拠しております。これに照らしますと、肺癌診療ガイドラインはクリニカルクエスチョンの設定がない、推奨度についてGRADE分類に従っていない等々の点でその規準には沿っておらず課題となっておりました。
 今回のWEB版改訂でも全領域についてはGRADEをとり入れることはできませんでしたが、非小細胞肺癌の集学的療法、薬物療法については、GRADEを採用致しました。同じエビデンスであっても従来の記載や推奨度分類はかなり異なっており、少し戸惑われることがあるかもしれません。このうち、最も記載内容の変更の多いIV期非小細胞肺癌の薬物療法については分冊化し、冊子体を発刊することと致しました。2018年に予定されている冊子体発刊の折には全領域でこのGRADEに沿った形での改訂を目指しています。
 最新の情報をシステマティックにレビューした上に盛り込んだ本ガイドラインは、診療に有用というだけでなく、教育や研究のツールとしても最上級のものであると思いますので、折に触れご参照いただければ幸甚に存じます。また本ガイドラインをさらに良いものに育て上げていくためのご意見も会員の皆様より広く承りたいと考えております。
 末筆となりましたが、本ガイドラインの作成のために、忙しい業務のかたわら週末あるいは深夜など私的な時間までも削ってご尽力いただいた薬物療法及び集学的治療小委員会委員の皆様に深甚なる感謝の意を表します。

2017年11月

特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 光冨 徹哉
ガイドライン検討委員会
委員長 山本 信之