肺癌取扱い規約 第8版

WHO組織分類2015年版を踏まえ、UICC-TNM分類(第8版)を見据え、6年振りに改訂!

編 集 日本肺癌学会
定 価 7,236円
(6,700円+税)
発行日 2017/01/01
ISBN 978-4-307-20366-1

B5判・240頁・カラー図数:291枚

在庫状況 あり

6年振りの改訂。2015年に改訂されたWHO組織分類を踏まえ、病理診断・細胞診の項が改訂し図譜も刷新した。病理診断では「切り出しマニュアル」が追記された。また、2017年1月より施行されるUICC-TNM分類(第8版)ではT因子に大きな変更があるため、TNM分類の項にてその最新分類にも触れた。画像診断分類・手術記載・気管支鏡診断・治療効果判定・肺がん検診の各領域も見直され、肺癌診療に役立つ充実の改訂内容となっている。
1.TNM分類
 はじめに
 I.TNM分類(2017)
  1.分類規約の適用範囲
  2.解剖学的亜部位
  3.所属リンパ節の定義
  4.TNM臨床分類(cTNM)
  5.pTNM分類・病理学的分類
  6.G-病理組織学的分化度分類
  7.R分類-治療後の遺残腫瘍の有無
  8.病期分類
  9.第8版要約
 II.TNM分類・補足
  1.T分類に関して
  2.N分類に関して
  3.M分類に関して
  4.その他
  5.小細胞癌

2.画像診断分類
 I.cTNM分類を行うための画像診断指針
 II.胸部CTの撮影指針
  1.診療における胸部CTの撮影法と画像表示法
  2.高分解能CTの撮影指針
 III.記載の実際
  1.cT因子
  2.cN因子
  3.cM因子
 IV.cTis-cT1cのCT図譜
 V.リンパ節部位のCT読影基準
  1.基準作成の方針
 VI.リンパ節部位CT読影の実際
 VII.画像所見と分類
 VIII.画像所見表現の実例
 補遺.肺結節・腫瘤に関するCT所見用語集
  1.結節・腫瘤のサイズ
  2.結節・腫瘤の辺縁性状
  3.吸収値による基本型
  4.内部構造
  5.周囲の既存構造との関係
  6.その他

3.肺癌手術記載
 I.肺癌手術記載
  1.肺癌手術記載の対象
  2.手術
  3.肺癌占居部位および初発部位
  4.原発巣の大きさ
  5.胸膜浸潤
  6.胸膜播種
  7.胸水
  8.胸腔内洗浄細胞診
  9.肺内転移
  10.リンパ節転移
  11.リンパ節郭清の範囲
  12.切除断端および合併切除臓器における癌浸潤の有無の判定
  13.切除術の根治性の評価
  14.胸膜プラーク
  15.手術関連死亡
  16.生存解析
  17.肺癌の進行程度(Stage)
  18.組織学的分類
  19.リンパ節の部位と規定
  20.追記

4.病理診断
 I.組織分類の方針
 II.分類表
 III.肺癌の生検診断
 IV.切り出しマニュアル
  1.外科検体受け取りから固定まで
  2.固定方法
  3.切り出し方法
 V.定義と解説
  1.腺癌
  2.扁平上皮癌
  3.神経内分泌腫瘍
  4.大細胞癌
  5.腺扁平上皮癌
  6.肉腫様癌
  7.分類不能癌
  8.唾液腺型腫瘍
  9.乳頭腫および腺腫
  10.中皮腫瘍
 VI.病理記載

5.細胞診
 緒言
 I.検査方法
  1.喀痰検査法
  2.病巣から採取した材料の検査法
 II.成績の報告と細胞判定基準
  1.報告様式
  2.肺がん検診
  3.異型扁平上皮細胞の判定基準2
  4.悪性胸膜中皮腫

6.気管支鏡診断
 I.気管支分岐と分岐次数について
 II.正常気管支鏡所見
 III.非早期肺癌の内視鏡所見分類
 IV.早期肺癌の内視鏡的診断基準および内視鏡所見
  1.内視鏡的早期肺癌の診断基準
  2.内視鏡所見
 V.画像強調内視鏡
  1.自家蛍光気管支鏡(AFB)
  2.Narrow band imaging(NBI)
 VI.EBUS(気管支腔内超音波断層法)
  1.ラジアル走査式
  2.コンベックス走査式

7.RECISTガイドラインを用いた胸部悪性腫瘍の治療効果判定の手引き
 はじめに
 I.目的と対象
 II.治療効果判定規準
  1.ベースラインにおける腫瘍の測定可能性
  2.腫瘍縮小効果の判定
 附.Modified RECIST criteriaを用いた悪性胸膜中皮腫の治療効果判定の手引き

8.原発性肺腫瘍の治療効果の組織学的判定基準
 I.原発性肺腫瘍の治療効果の組織学的判定基準
  1.検索材料
  2.症例の選択
  3.検索方法
  4.判定基準

9.肺がん検診の手引き―標準的な検診方法・精密検査手順・精度管理―
 はじめに
 I.胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診併用法
  1.総論
  2.検診対象者
  3.検診間隔
  4.検診方法
  5.精度管理
  6.現行検診に関するインフォームドコンセント
  参考:喀痰細胞診による肺がん検診の知見
 II.低線量CT肺がん検診
  1.総論
  2.検診対象者と検診間隔
  3.撮影
  4.読影
  5.精密検査
  6.精度管理
  7.低線量CT肺がん検診に関するインフォームドコンセント
 III.有効性評価研究の現状
  1.現行の肺がん検診の有効性評価
  2.低線量CT肺がん検診の有効性評価
 附.低線量CTによる肺がん検診受診者のみなさまへ(説明と同意書)

索引
 日本肺癌学会の肺癌取扱い規約の歴史は古く、1978年に初版が刊行されています。世界で最も早く発行された肺癌記載の規約ですが、さらに遡ると1963年に「肺癌の組織学的分類及び原発性肺癌の手術記載について」なる小冊子が発刊されたていたことが、井上権治先生による初版の序に記されています。爾来、7回の改訂を経て今回の肺癌取扱い規約 第8版の出版に至ったわけであります。
 第5版までは日本独自の分類が使用されて来ました。しかし、国際協力の重要性の観点から、病理組織分類は肺癌取扱い規約 第6版(2003年)より、また病期分類については、第7版(2010年)から、それぞれ国際分類であるWHO分類およびUICC/IASLCのTNM病期分類に全面的に準拠することとなりました。勿論、これは世界に屈したというわけではなく、成毛マップを初めとする病期や病理組織分類におけるわが国の貢献は諸外国の中でも群を抜いており、また今回病期策定に用いられた症例の40%強はわが国の症例であること等、われわれ日本人はむしろ誇りに感じるべきことです。
 この度、2015年にWHO組織分類が改訂され4版となり、また2017年にはTNM分類も改訂されて8版となることを受けて、肺癌取扱い規約 第8版の発刊の運びとなりました。
 TNM分類は一層複雑な分類となりました。T因子のみでも7段階、病期も12段階に分類されて、予後をよりよく反映するきめの細かいものとなっています。病理組織分類においては従来のいわゆる四大組織型から、腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍の三種類の細胞型を基本として分類し、おのおのが浸潤の有無によって分類されています。また従来の細気管支肺胞上皮癌という分類はなくなり上皮内腺癌に変更されました。これらが、大幅に改訂されたことをうけ、画像診断分類、肺癌手術記載、細胞診、気管支鏡診断等については、お互いに齟齬がないよう、あるいは誤解の生じないよう詳細な検討が行われました。肺癌集団検診の手引きは、肺がん検診の手引きと改称し、前回改訂以後の技術の進歩、社会的行政的環境の変化等を反映して大規模な改訂が行われています。
 日本肺癌学会では病理組織分類については2015年8月1日よりHP上でWHO第4版のダイジェスト版を公開して会員の皆様に使用をお願いしておりましたが、2017年1月よりはTNM等についてもこの肺癌取扱い規約第8版に基づいて記載をしていただきますようお願い申し上げます。本冊子がわが国におけるよりよい肺がん診療や研究の発展の一助となることを心より希望しております。
 末筆となりましたが、本規約の作成に日常診療のかたわらご尽力頂いた肺癌取扱い規約委員会を構成する各委員会の関係者各位、ご評価頂いた多くの会員の皆様に深甚なる感謝の意を表します。

2016年(平成28年)11月

特定非営利活動法人 日本肺癌学会
理事長 光冨 徹哉

肺癌取扱い規約統括委員会
委員長 淺村 尚生