膵癌診療ガイドライン 2016年版 第4版

「取扱い規約 第7版」に準拠、CQを大幅に増強・刷新して全面改訂!

編 集 日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン改訂委員会
定 価 3,456円
(3,200円+税)
発行日 2016/10/20
ISBN 978-4-307-20360-9

B5判・272頁・図数:28枚・カラー図数:5枚

在庫状況 あり

今版は「膵癌取扱い規約 第7版」に準拠、作成にはGRADEシステムを採用し、独自にメタアナリシスを行って推奨度の信頼性を高めた。緩和療法部門を追加して計7部門となり、新たに化学療法のアルゴリズムを策定した。さらにborderline resectable膵癌、腹腔鏡下手術、化学療法などに関する最新の知見を盛り込み、CQは前版より16件増加したほか、コラム9件を新設するなど全面的かつ大幅に改訂された。
本ガイドラインについて

CQ・ステートメント・明日への提言一覧

アルゴリズム
 膵癌診断のアルゴリズム
 膵癌治療のアルゴリズム
 膵癌化学療法のアルゴリズム

クリニカル・クエスチョン
 1. 疾患概念(Disease Concept)
  疾患概念(Disease Concept)〔DC〕
  DC1 膵癌のリスクファクターとは何か?
  DC2 家族性膵癌とはどのようなものか?
  DC3 Borderline resectable膵癌とは何か?
  コラム1 日本膵臓学会の家族性膵癌レジストリー

 2. 診断法(Diagnosis)
  診断法(Diagnosis)〔D〕
  D1 膵癌の発見はどのようにしたらよいか?
  D2 膵癌を疑った場合の検査法
  D2-1 膵癌を疑った場合,CT,腹部MRIは診断に有用か?
  D2-2 膵癌を疑った場合,EUSは診断に有用か?
  D3 膵癌を診断するための次のステップ
  D3-1 膵癌を診断するための次のステップとしてERCPは有用か?
  D3-2 膵癌を診断するための次のステップとしてPETは有用か?
  D3-3 細胞診,組織診は膵癌の診断に有用か?
  D4 病期分類はどのようにして行うか?
  D5 膵癌のresectabilityはどのように決定するか?
  D6 膵癌の病期診断には審査腹腔鏡を用いた方がよいか?
  D7 長期予後が期待できる早期の膵癌を診断するにはどうするか?

 3. 治療法(Treatment)
  A. Resectable〔R〕膵癌の治療法
  外科的治療法(Surgery)〔RS〕
  RS1 Resectable膵癌に対して外科的治療は推奨されるか?
  RS2 膵癌では手術例数の多い施設で外科的治療を受けることが推奨されるか?
  RS3 Borderline resectable膵癌に対して(集学的)外科的治療の意義はあるか?
  RS4 腹腔洗浄細胞診陽性膵癌に対して外科的治療の意義はあるか?
  RS5 膵頭部癌に対しての膵頭十二指腸切除において,全胃を温存する意義はあるか?
  RS6 膵癌に対して門脈合併切除は予後を改善するか?
  RS7 膵癌に対して拡大リンパ節・神経叢郭清の意義はあるか?
  RS8 (開腹後)非切除例での予防的バイパスは推奨されるか?
  RS9 膵癌に対して腹腔鏡下手術の意義はあるか?
  RS10 膵癌切除後の経過観察はどのようにするか?
  RS11 膵癌切除後患者に対して栄養療法は推奨されるか?
  コラム2 DP-CAR
  補助療法(Adjuvant)〔A〕
  RA1 切除可能膵癌に対して術前補助療法(?化学放射線療法または?化学療法)は推奨されるか?
  RA2 切除可能膵癌に対して術中放射線療法は推奨されるか?
  RA3 膵癌の術後補助化学放射線療法は推奨されるか?
  RA4 膵癌の術後補助化学療法は推奨されるか?
  B. Locally Advanced〔LA〕膵癌の治療法
  LA1 局所進行切除不能膵癌に対して推奨される一次治療は何か?
  放射線療法(Radiation)〔LAR〕
  LAR1 局所進行切除不能膵癌に対して推奨される化学放射線療法は何か?
  LAR2 局所進行切除不能膵癌に対して外部放射線療法では,どのような臨床標的体積を設定するのがよいか?
  LAR3 局所進行切除不能膵癌に対して化学放射線療法前の導入化学療法の意義はあるか?
  LAR4 局所進行切除不能膵癌に対して術中放射線療法の効果はあるか?
  LAR5 局所進行切除不能膵癌に対して放射線療法や化学放射線療法はQOLを改善するか?
  コラム3 膵癌に対する粒子線治療
  化学療法(Chemotherapy)〔LAC〕
  LAC1 局所進行切除不能膵癌に対して推奨される一次化学療法は何か?
  LAC2(MC 2)切除不能膵癌に対して二次化学療法は推奨されるか?
  LAC3(MC 3)切除不能膵癌に対して推奨される投与期間はどれくらいか?
  LAC4(MC 4)切除不能膵癌に対して免疫療法は推奨されるか?
  C. Metastatic〔M〕膵癌の治療法
  化学療法(Chemotherapy)〔MC〕
  MC1 遠隔転移を有する膵癌に対して推奨される一次治療は何が適切か?
  MC2(LAC 2)切除不能膵癌に対して二次化学療法は推奨されるか?
  MC3(LAC 3)切除不能膵癌に対して推奨される投与期間はどれくらいか?
  MC4(LAC 4)切除不能膵癌に対して免疫療法は推奨されるか?
  コラム4 膵癌化学療法を安全に施行するために留意すべき点
  コラム5 臨床試験の必要性
  放射線療法(Radiation)〔MR〕
  MR1 膵癌骨転移に対して放射線療法は有用か?

 4. 支持療法(Supportive Therapy)
  ステント療法(Stent)〔ST〕
  ST1 閉塞性黄疸を伴う非切除例に胆道ドレナージは推奨されるか?
  ST2 切除不能膵癌に対する胆道ドレナージのアプローチルートは経皮経肝的と内視鏡的のどちらがよいか?
  ST3 膵癌による閉塞性黄疸への治療
  ST3-1 膵癌による閉塞性黄疸のうち術前症例に対してステントの種類は何が推奨されるか?
  ST3-2 膵癌による閉塞性黄疸のうち切除不能症例に対してステントの種類は何が推奨されるか?
  ST4 消化管閉塞をきたした切除不能膵癌に対して外科的胃空腸吻合術と消化管ステント挿入術のどちらが推奨されるか?
  緩和療法(Palliative Medicine)〔PM〕
  PM1 膵癌患者・家族の精神心理的苦痛への効果的な対応方法は何か?
  PM2 膵癌の上腹部痛,背部痛に対する有効な治療法は何か?
  PM3 切除不能進行膵癌に対する成分栄養療法は状態の改善に有効か?
  コラム6 膵癌患者の倦怠感の評価尺度とその対処方法
  コラム7 膵癌患者の心理的・社会的・経済的問題に対する支援
  コラム8 切除不能膵癌の薬物などによる栄養療法
  コラム9 膵癌患者をサポートする患者支援団体:パンキャンジャパン

 検索式一覧
 膵癌診療ガイドライン2016年版の外部評価の結果
 あとがき
 索 引
第4版の序

 2006年3月に初版『科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン』が出版され、2009年9月に第2版が、2013年10月に第3版が出版された。このたび、2016年10月に第4版が出版された。今回は以下の点が変更となった。

1.初版は中山健夫著『EBM を用いた診療ガイドライン作成・活用ガイド』(2003年)に、第2版、第3版はMinds診療ガイドライン選定部会(監修)『Minds診療ガイドライン作成の手引き2007』に準拠して作成された。第4版は福井次矢、山口直人(監修)『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に準拠して作成された。2014年版の手引きは世界的にガイドライン作成のツールとなっているThe Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)システムに準拠しているため、第4版の膵癌診療ガイドラインもGRADEシステムに準拠する形式で作成された。エビデンス重視の姿勢に変わりはないが、GRADEシステムは利益や不利益、医療費など実地診療にも配慮するため、今回はタイトルより“科学的根拠に基づく”を削除し、「膵癌診療ガイドライン」と変更した。
2.委員長、副委員長、分野のチーフは第3版と同様のメンバーである。作成委員には新たに緩和療法医師、精神腫瘍学医師、がん看護専門看護師、がん専門薬剤師、医療ソーシャルワーカー(MSW)、管理栄養士などを加え、広く意見を求め、40名となった。また、各CQは委員と協力者で作成するようにし、計31名の協力者に加わっていただいた。
3.第3版ではステント部門を追加したが、今回は緩和療法部門を新たに追加し、7部門となった。緩和療法部門のチーフは副委員長の奥坂先生に担当していただいた。
4.CQは51となり、新たに16のCQ が加わった。
5.今回、新たにコラムを追加した。CQとして取り上げるには、まだエビデンスの少ないもの、最近話題となっている治療やパンキャンジャパンなどの取り組みをそれぞれの専門家に書いていただいた。
6.アルゴリズムに新たに化学療法のアルゴリズムを追加した。

 今回の改訂では作成法がGRADEシステムに準拠となったのが、大きな変更である。この点に関しては、Mindsの吉田雅博先生や畠山洋輔様のご協力でMindsのガイドライン作成ツールであるGUIDEのトライアルガイドラインに採択していただくとともに、GRADEシステムに基づく作成のご指導をいただいた。この場を借りて御礼申し上げる。