臨床・病理 食道癌取扱い規約 第11版

8年ぶりの改訂。診療の進歩を反映し、より使いやすく刷新!

編 集 日本食道学会
定 価 4,104円
(3,800円+税)
発行日 2015/10/08
ISBN 978-4-307-20349-4

B5判・130頁・図数:176枚・カラー図数:14枚

在庫状況 あり

8年ぶりの改訂では、全国登録データを基にリンパ節転移状況と生存率から見た郭清効果を検討、これをふまえたリンパ節群分類の変更をはじめ、内視鏡治療の増加に対応した内視鏡治療所見の記載法、病理所見における扁平上皮内腫瘍の扱い、またビジュアルで分かりやすい内視鏡・CT・組織図譜の一部刷新、食道胃接合部診断基準の記載など、食道癌診療の進歩が反映されている。他規約との整合性も考慮し、より使いやすくなって登場。
第1部 規約/第2部 説明
1 目的と対象、記載法
 1.1 目的
 1.2 対象
 1.3 記載法
  1.3.1 記載法の原則および略記法
2 臨床所見
 2.1 原発巣の記載
  2.1.1 病巣の数と大きさ、周在性
  2.1.2 占居部位
  2.1.3 病型分類
  2.1.4 壁深達度(T)
 2.2 転移の記載
  2.2.1 リンパ節転移
  2.2.2 遠隔臓器転移(M)
 2.3 進行度
 2.4 多発癌、重複がん、多重がん
3 手術所見および切除標本の肉眼所見
 3.1 切除標本の取り扱い
 3.2 手術所見および切除標本の原発巣の肉眼所見の記載
  3.2.1 腫瘍の大きさ
  3.2.2 病巣縁から切除標本の両側切離断端までの距離
  3.2.3 病型分類
  3.2.4 近位および遠位切離断端における癌の有無
  3.2.5 深部切離断端における癌の有無(RM)
 3.3 壁内転移と食道多発癌の有無
  3.3.1 壁内転移(IM)
  3.3.2 食道多発癌
 3.4 リンパ節
  3.4.1 摘出リンパ節の取り扱い
  3.4.2 リンパ節転移の程度(N)
  3.4.3 リンパ節郭清術
 3.5 遠隔臓器転移(M)
 3.6 癌遺残度(R)
 3.7 根治度(Cur)
4 病理組織所見
 4.1 切除標本の切り出し方法
 4.2 病理組織所見の記載
  4.2.1 組織型分類
  4.2.2 壁深達度(pT)
  4.2.3 浸潤形式(INF)
  4.2.4 脈管侵襲(ly/v)
  4.2.5 壁内転移(pIM)
  4.2.6 切離断端から癌までの距離
  4.2.7 多発癌
  4.2.8 その他記入する項目
  4.2.9 放射線療法ならびに化学療法の治療効果の病理組織学的判定規準
 4.3 リンパ節転移(pN)
 4.4 遠隔臓器転移(pM)
 4.5 癌遺残度(pR)
 4.6 根治度(pCur)
5 内視鏡治療例の取り扱い
 5.1 内視鏡的切除標本の取り扱い
 5.2 内視鏡治療所見および切除標本の肉眼所見の記載
  5.2.1 切除病変数と、各病変の切除切片数
  5.2.2 切除標本の大きさと、病変の大きさ(各病変とも)
  5.2.3 病型分類
  5.2.4 肉眼的所見
  5.2.5 内視鏡的癌遺残度の判定(切除断端の判定)(eR)
 5.3 標本の切り出し方法
 5.4 病理組織学的所見の記載
  5.4.1 組織型診断
  5.4.2 壁深達度(pT)
  5.4.3 切離断端
  5.4.4 浸潤形式(INF)
  5.4.5 脈管侵襲(ly/v)
   5.4.5.1 リンパ管侵襲(ly)
   5.4.5.2 静脈侵襲(v)
  5.4.6 病理診断報告書の作成
 5.5 癌遺残度(pR)
 5.6 根治度(pCur)
6 バレット食道、バレット食道腺癌の取り扱い
 6.1 バレット粘膜、バレット食道、バレット食道腺癌に関する用語の定義と記載方法
  6.1.1 食道胃接合部(EGJ)の同定
  6.1.2 バレット粘膜
  6.1.3 バレット食道
   6.1.3.1 肉眼所見
   6.1.3.2 病理組織所見
  6.1.4 バレット食道腺癌
 6.2 占居部位
 6.3 癌腫所見
  6.3.1 原発巣
  6.3.2 壁内転移(IM)
  6.3.3 リンパ節転移(N)
  6.3.4 遠隔臓器転移(M)
 6.4 進行度
7 治療法
 7.1 内視鏡的治療
  7.1.1 内視鏡的切除術:ER
  7.1.2 その他の内視鏡的治療
 7.2 手術治療
  7.2.1 切除・再建手術
  7.2.2 非切除術式
 7.3 ステント挿入術
  7.3.1 食道ステント
  7.3.2 気道ステント
  7.3.3 大動脈ステント
 7.4 放射線および化学療法に共通する一般的事項
  7.4.1 病変の状態
  7.4.2 治療目的
  7.4.3 治癒を目的として(化学)放射線療法を選択した場合、その理由
 7.5 放射線療法(RT)
  7.5.1 臨床的標的容積(CTV)
  7.5.2 照射方法
  7.5.3 外照射
  7.5.4 腔内照射
  7.5.5 放射線療法完遂度
  7.5.6 完遂の有無と中止理由
 7.6 化学療法(CT)
  7.6.1 投与薬剤名
  7.6.2 投与経路
  7.6.3 投与法
  7.6.4 投与量
  7.6.5 投与スケジュール
  7.6.6 投与期間
  7.6.7 総投与量
  7.6.8 投与中止理由
  7.6.9 有害事象の有無およびその内容
 7.7 集学治療
  7.7.1 内視鏡治療と手術療法、放射線療法あるいは化学放射線療法、化学療法の併用
  7.7.2 化学療法と放射線療法との併用(化学放射線療法)(CRT)
 7.8 温熱療法(HT)
 7.9 免疫療法(IT)
8 治療成績
 8.1 患者数
 8.2 多発癌、重複がん
 8.3 主たる治療法と補助療法
 8.4 食道癌治療総数および治療の種類別例数および率
  8.4.1 手術例
  8.4.2 内視鏡的治療例
  8.4.3 化学療法、放射線療法例
 8.5 手術直接死亡数および率、ならびに切除直接死亡数および率
 8.6 在院死亡数および率
 8.7 追跡調査
  8.7.1 生死
  8.7.2 再発の有無、再発部位および再発形式
 8.8 遠隔成績とくに生存率
  8.8.1 生存解析
  8.8.2 食道温存期間、温存率
 8.9 生存期間関連用語
  8.9.1 生存期間
  8.9.2 全生存期間(OS)
  8.9.3 生存期間中央値または50%生存期間(MST)
  8.9.4 生存率
  8.9.5 無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)
  8.9.6 無再発生存期間(RFS)
  8.9.7 無病生存期間間(DFS)
  8.9.8 治療成功期間(TTF)
  8.9.9 奏効期間、効果持続期間
  8.9.10 著効期間、完全奏効期間
9 TNM分類
組織図譜

第3部 食道癌に対する放射線療法および化学療法の効果判定規準
はじめに
1 対象
 1.1 対象病変の分類
2 効果判定方法
3 標的病変の効果判定規準
 3.1 完全奏効(CR)
 3.2 部分奏効(PR)
 3.3 進行(PD)
 3.4 安定(SD)
4 非標的病変の効果判定規準
 4.1 完全奏効(CR)
 4.2 不完全奏効/安定(IR/SD)
 4.3 進行(PD)
5 内視鏡による原発巣の判定規準
 5.1 原発巣完全奏効:原発巣CR
 5.2 原発巣不完全奏効/安定:原発巣IR/SD
 5.3 原発巣進行:原発巣PD
6 総合効果
7 最良総合効果判定と効果の確定
 7.1 完全奏効(CR)
 7.2 部分奏効(PR)
 7.3 安定(SD)
 7.4 進行(PD)

索引
第11版 序
 2007年に第10版が発刊されてから8年経過し、第11版を発行することとなった。その間、2008年に「病型分類」と用語を改めた第10版補訂版が発刊され、また2013年9月には日本胃癌学会と合同で食道胃接合部診断基準を決定し、7頁からなる小冊子が新たに添付された。他の癌取扱い規約と可能な限り、統一性を持たせ、また、これまでの食道癌診断・治療における日本での進歩が反映され、より使いやすく、さらに治療成績の向上をもたらすことが可能な規約をめざし改訂を行った。今回、UICCのTNM分類との整合性を可能な限り図ったが、N分類については現在の第7版には日本食道学会の全国登録のデータが反映されていないこと、鎖骨上リンパ節の取扱いが全く異なるため見送ることとした。次期改訂の大きな課題と考えている。
 全国登録のデータを基にリンパ節転移状況と生存率から見た郭清効果を検討し、リンパ節の群分類を変更、TNM分類と同様にT4を二分した。内視鏡治療の進歩、一般化にともない記載法に内視鏡治療所見を加え、病理において癌を上皮内腫瘍から除くことを明確にした。委員による多くの議論が重ねられ本改訂が行われた。まだ議論すべき点も残っているが各委員の尽力に心より感謝したい。

 改訂要旨:
1.内視鏡治療の増加に伴い所見の記載法に内視鏡治療所見(e)を加えた。
2.日本胃癌学会と合同で策定した食道胃接合部診断基準を本文内に記載した。
3.壁深達度に関し、T1bに関し亜分類にT1aと同様にT1b-を付記することとし、UICCのTNM分類と整合性を計り、T4a、T4bの2群に分けた。
4.リンパ節に関しNo. 112aoを食道側と背側に二分することとした。また、胃癌取扱い規約と整合性を図り、No. 3をa、bに二分した。
5.リンパ節群分類に関しUtは第3群のみ、Mt・Ltは第1、2、3群とも、Aeは第2、3群の変更が行われた。また、食道胃接合部領域癌は食道胃接合部の診断基準の変更に伴いAeと同じリンパ節群分類とした。
6.進行度はT1aN1をT1bN1と同じくStage IIに分類した。T4aはN3までをStage IIIとした。T4bはN0からStage IVaとした。
7.癌遺残度については大腸癌取扱い規約と整合性を図り、肉眼所見ではR1に分類されないこととした。
8.病理組織所見では扁平上皮内腫瘍に上皮内癌が含まれないことを明確にした。また、扁平上皮癌、腺癌とも分化度において高分化のように記載し型は除くことにした。内分泌細胞腫瘍はWHO分類と整合性を図り、神経内分泌腫瘍とした。リンパ節外転移に関しても大腸癌取扱い規約と整合性を図り、tumor noduleと記載することとした。内視鏡治療検体での脈管侵襲は 胃癌と整合性を図り、(−)(+)と記載することにした。
9.TNM分類は第7版の日本語訳に変更した。
10.リンパ節転移個数に関して転移個数による群分類を補正する規定は複雑であり実際に使用されることが少ないため今回から削除した。
11.内視鏡図譜を明瞭なものに改訂した。
12.リンパ節の範囲、境界を模式図だけでなく実際のCT像に描出することにより、より判りやすく、また放射線治療にも有用な図譜を加えることとした。

2015年10月
日本食道学会
理事長 松原 久裕