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疥癬 ●痒みを訴えるすべての患者に疥癬の可能性があ ●① 体幹,四肢に散在性紅色丘疹,② 陰部,臀 ●③ 掌蹠の皺の上に幅0.4 mm,長さ5 mm程度 ●通常疥癬:①~③ のみ形成。 ●角化型疥癬:掌蹠,臀部,麻痺側の間擦部や拘 ●角層に寄生しているヒゼンダニの駆虫,感染予ヒゼンダニ1 mmダーモスコピー像防対策の2本立てで行う1)2)。88歳女性,手掌に多発する疥癬トンネル(矢印)皺の上に長さ数mm程度の白いスジ状の鱗屑を形成している。scabies824824198皮膚の角層にヒトヒゼンダニSarcoptes scabiei var. hominis(ヒゼンダニ)が寄生することによっておこる痒みの強い伝染性皮膚疾患。寝たきり高齢者を中心に小流行が続いている1)。る。とりわけ寝たきり高齢者や介護者,また高齢者と関わりのない健常者でもステロイド外用継続で一旦軽快後に悪化したり,難治であったり,特に夜間激痒を訴える患者に注意する。部,腋窩などに直径7~10 mm大,暗紫色調,激痒の疥癬結節を形成していたら疥癬を強く疑う。のスジ状の鱗屑としてみつかる疥癬トンネル(図)を探す。その後方にV字型の鱗屑を伴っていることもある(水尾徴候)1)2)。感染初期には痒みを伴わない。ダーモスコピーでトンネル先端の褐色三角(メス虫体の着色部)を確認し,褐色三角を含むスジ状の鱗屑を鏡検,ヒゼンダニを検出して診断を確定する。縮部に形成された灰色~黄白色調,ざらざらと肥厚した角質増殖部の鏡検で多数のヒゼンダニを検出すればヒゼンダニの寄生数が桁違いに多く感染力が強い角化型疥癬である。①~③ の合併もある。痒みを伴わないことがある。臨床症状・診断治療方針疥癬

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