076372025055T
6/9

血管炎写真:palpable purpuraを呈した下肢 ●血管炎は全身の臓器に発症する。 ●皮膚科医が治療の対象として重視するIgA血 ●全身性の血管炎は内服,皮膚症状のみの血管炎 ●IgA血管炎は,グルココルチコイド,ミゾリビンやアザチオプリン(イムラン®)などの免疫 ●皮膚動脈炎は,末梢神経症状,関節炎,難治びれや疼痛といった多発性単神経炎症状を伴う。発症前に気管支喘息,鼻炎,花粉症が前駆症状としてみられる。さらに病初期に血中好酸球値が高値であるので診断の一助となる。管炎は腎炎と腸炎,皮膚動脈炎は末梢神経症状と脳梗塞,EGPAは喘息と多発性単神経炎を特に意識して確認する。は経過観察が基本である。抑制薬を腎炎(紫斑病性腎炎)への予防として使用するか否かを検討する。性皮膚潰瘍の存在があれば,グルココルチコイドなどの全身療法を検討する。皮膚症状のみでvasculitis65665630血管炎は症候群であり,多彩な疾患が含まれる。そのなかで皮膚科医が治療の対象として重視するのは,IgA血管炎,皮膚動脈炎,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)である。血管炎は,病理組織の壊死性血管炎から確定診断される。したがって,皮膚科では皮膚生検が肝要となる。pura[触診(palpation)できる(able)軽度盛り上がった紫斑]と,紅斑,特に網状皮斑(リベド)である。リベドのなかでは,網の目が閉じていないlivedo racemosaがより血管炎を反映している。しかし,網の目が閉じているlivedo reticularisのこともある。炎でありpalpable purpuraが皮疹の中心となる。小動脈の血管炎でありリベドが皮疹の中心となる。も,結節(皮内,皮下),水疱,血疱,膨疹・蕁麻疹,アクロチアノーゼ,皮膚潰瘍などといった多彩な皮疹を呈する。球破砕性血管炎。リベドからは壊死性血管炎,palpable purpuraからは白血球破砕性血管炎の存在を意識し,皮膚生検から検出する努力をする。臨床症状・診断合併症等の確認治療方針 ●特徴的な皮膚症状は,紫斑,特にpalpable pur- ●IgA血管炎は真皮上層の毛細血管レベルの血管 ●皮膚動脈炎は真皮下層から皮下脂肪の細動脈・ ●EGPAは,palpable purpuraやリベドのほかに ●確定診断は,病理組織での壊死性血管炎と白血 ●EGPAは,大半が病初期に皮膚症状を認め,し血管炎

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る