発育・発達(表3).声門破裂音や口蓋化構音は口蓋裂の代(表2).音 表1構音の獲得時期表2発達途上の構音の誤り~2歳6か月~3歳0か月~3歳6か月~4歳0か月~4歳6か月マ行,バ行,タ行(タ・チ・テ・ト)パ行,ヤ行,ナ行,カ行,ハ行,ワダ行(ダ・デ・ド),ガ行ラ行サ行,ザ行,ヂ,ヅ,ツ※ 75%以上の子どもが正しく構音できる年齢 マ行・パ行・ダ行などは3歳児健診の対象である3歳6か月頃までには獲得するとされ,ラ行やサ行などは3歳6か月以降に獲得するとされている.カ行ガ行サ行ツズ・ヅシャ行チャ行ジャ行,ヂャ行ラ行ハ行※上歯と下歯の間に舌を挟んで出す音.英語の「th」に近い音になる.(文献3より作成)「タ」行へ置換.「キ」,「ケ」は「チャ」行へ置換「ダ」行へ置換.「ギ」,「ゲ」は「ジャ」行へ置換「タ」行,「チャ」行,「シャ」行へ置換 ※歯間化による歪み.「チュ」への置換.「トゥ」に近い歪み「ジュ」への置換.「ドゥ」に近い歪み「チャ」行への置換「チャ」の「タ」,「チョ」の「ト」への置換「ジャ」・「ヂャ」の「ダ」,「ジョ」・「ヂョ」の「ド」への置換「ダ」行への置換,音の省略省略誤り方あん」のような誤りになり,2歳台の低年齢に多くみられる.「置換」は,音節の子音部分が他の音に置き換わる誤りであり,聞こえた音は日本語の音として正しい音で聴取される.例えば,「かめ」が「ため」,「さかな」が「たかな」のように他の音に置き換わる.構音発達が未熟な3~4歳台に多く認められる.「歪み」は日本語として表記できない音に歪んで聞こえる誤りである.例えば,「き」が「ち」に近い,「じ」が「ぎ」に近い音に聞こえるなどさまざまなものがある.2.発達途上にはみられない特異な構音操作の誤り(異常構音) 異常構音は日本語の発音にはない特異な構音操作により産生される音の誤りである.異常構音には,側音化構音,口蓋化構音,鼻咽腔構音,声門破裂音,咽頭摩擦音,咽頭破擦音がある償構音として認められることが多い.3.音韻発達の未熟さに伴う発話の誤り 構音の誤りと混同しやすい発話の誤りに,語の音の配列の誤りがある.音節の脱落(ひこうき→こうき),音位転換(てれび→てべり),同化(こっぷ→ぽっぷ),音の付加(でんわ→でんわん)がある.いずれも言語発達に伴い,自然月頃に獲得される. 小児の構音の誤りには,発達途上の構音の誤りと特異な構音操作の誤り(異常構音)がある.他に構音の誤りと混同しやすいものとして,音韻発達の未熟さに伴う発話の誤りがある.1.発達途上の構音の誤り 幼児語や赤ちゃん語とよばれる発達途上の構音の誤りには,「省略」「置換」「歪み」があるて,後続の母音のみが聞こえる誤りである.例えば,「ごはん」が「ごあん」,「みかん」が「み 「省略」は音節(子音+母音)の子音が抜け小児科 Vol. 65 No.12 20241243小児にみられる構音の誤り
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