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図1〈症例1〉爪が底屈して生えている状態図2〈症例2〉爪が割れている・浮いているという訴えの2歳児.手足口病後の爪変形である症例1(図1) 爪がおじぎしている(底屈して生えてくる)と来院した.心配ない旨を伝え,爪切りの指導をした.症例2(図2) 爪が剥がれる,割れていると心配して来院した2歳児.手指,足趾の爪に剥離と成長障害がみられる.母親は栄養不足などの原因があるのかと心配していた.他院皮膚科に受診したが原因不明といわれたとのことであった.よく話を聞くと2か月前に手足口病の既往があった.手足口病の原因ウイルスのうち,コクサッキーウイルスに感染した場合は爪の浮き,脱落などが発生することがあるという6).地域的な流行もあり,数か月後に相談件数が増える可能性がある.爪の割れ,欠けについては「手足口病」が原因となる可能性があるということを念頭におく必要がある.26爪と爪周囲の炎症を起こすことや,足趾自体の変形を起こす可能性まである.小児は順応性が高いため,小さい靴を履いていても「小さい」「痛い」などといわないことがしばしばである.足よりも小さいサイズの靴を履いていても何の訴えもない子どももいる(症例3). 履いた際に足趾先端が靴に当たらないように,スリップオンで履く靴でなく足背でベルクロテープなどでとめられる靴を勧め,きちんと履くことを指導する必要がある5).小児科 Vol. 65 No.12 20241336症例

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