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先端医学・難病対策1533図2  UR-DBMSとSyndrome Finder 琉球大学名誉教授・成富研二博士により構築された遺伝性疾患のデータベース.(http://syndromefinder.ncchd.go.jp/)14 AIによる診断支援システム機関で,多くの検査を受けることになってしまうことが問題となっている.希少・難病の早期の診断にAI診断支援システムは重要なツールとなる. 現在,AIを活用した希少・難病の診断支援に関しては,大きく2つの診断支援アプローチ(AI推論)が医療実装に向けて進んでいる5).1つは,症状・所見をベースとした診断支援であり6)7),もう1つは,顔画像をベースとした診断支援8)9),である.この2つについて具体的に記載する.ほかに,本稿では触れないが,特定の希少・難病(網膜色素変性,ミオパチーなど)に対し,網膜(眼底画像),筋組織(病理画像)によるAI推論なども試みられている. 希少・難病は,それぞれに,顔貌やその他の外表所見,内臓所見などに特徴をもつ疾患が多く知られている.これらの特徴については,OMIMやPubMedなどの文献情報を大量にキュレーションしてデータベース化した遺伝性疾患データベース「UR-DBMS」が成富研二博士(現琉球大学名誉教授)により構築され,公開されている(図2)10). 筆者らは,このUR-DBMSの約4万件の症状・所見情報に基づく新たなAI診断支援システムの構築を行っている6)7).本システムは,まず,入力時に自然言語処理を用いて,適切な症状(所見)名を抽出・リスト化できるようにしている.また,検索対1.症状・所見をベースとしたAI診断支援システム希少・難病におけるAI診断支援システムⅢ

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