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* 飯いい田だ 貴たか也やⅢ先端医学・難病対策* 国立成育医療研究センターゲノム医療研究部1530 近年,急速に人工知能(AI)が医療にも浸透してきており,小児科領域においても,非常に多岐にわたりAI診断支援システムが開発・活用されつつある.しばしば診断が困難とされる希少・難病においても診断支援システムは,非常に有用性の高いシステムとなっている.AI診断支援システムは,単に結果を得るだけでなく,得られた「答え」と自らの診断とを突き合わせ,検証していくことで,効率よく診療経験を伸ばすことができ,診断学習システムとしての利用価値も高い.よって,このような積極的な活用が望まれる.希少・難病,画像ベース診断支援,症状・所見ベース診断支援, 診断コンサルティング* 近年,急速に人工知能(artificial intelligence:AI)が医療(とくに画像診断)にも浸透してきており,ここ数年で多くの医療AIが登場している.小児医療においても例外ではなく,診療に有用なツールとなりつつある. 本稿では,小児科領域で進められているAI診断支援システム(開発中を含む)全般を簡単に紹介し,筆者らも行っている希少疾患に対するAI診断支援システムの現在について解説する.最後に,AI診断支援システムを活用した医療の今後について私見を述べる. 近年,いろいろな場面で「AI」という用語を目にするが,実はAIは明確な定義があるわけではない.AIは,概して大量のデータを計算に基づいて判定,予測を行うものといえ,計算法などで分類される.ただ,AIシステムの構築時に,均一(一定の条件下)でできるだけ間違いのない大量のデータが求められることは共通している.現在のAIが最も得意とする事項は,違いを感知することである.一般的には,教師あKey words要旨 要かなめ 匡ただしはじめに人工知能(AI)とは14AIによる診断支援システム

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