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376夜間受診あり0件翌日昼間受診あり翌日昼間受診なし※評価対象の129件全てを突合※利用後24時間以内の緊急入院例は0件図₇ 小児科オンライン利用後の受診行動発表した7). 非感染性疾患中心の疾患構造にシフトした今だからこそ,オンライン相談が果たし得る役割があると考えている.ワクチンの整備,栄養状態および衛生状態の改善によって,小児科において重症細菌感染症を含む感染性疾患中心の疾患構造は姿を変え,虐待,産後うつ,発達障害,アレルギー,不登校,自殺といった非感染性疾患中心の疾患構造へシフトした.なかでも子育ての孤立や育児不安はこうした非感染性疾患に大きな影響を及ぼす.核家族化,インターネット上での情報の氾濫などを背景に子育ての孤立が問題視されている.報告しやすい体制の整備がなされたという背景もありながら,児童虐待の報告数は10年間で3倍に増加し,妊産婦の死因の一位は自殺となり,背景には産後うつの影響が想定されている.さまざまなセーフティネットを張り巡らせ,孤立を防ぐ重要性が叫ばれている.愛知県における調査で,育児に関して相談者できる人が6名未満である場合,6名以上にくらべ約2倍,母親が乳児の口を塞ぐという虐待前駆行動が多い,という研究結果もある8).一方で,こうした孤立に関する保護者からのSOSは,既存の電話や対面での窓口の提供だけでは気づくことができないことも認識されている.今の子育て世代の日常のコミュニケーションの主な手段は電話からチャットに移行していることが背景として考えられる.この現状をふまえ,東京都は虐待相談をLINEで受けるという試みを2018年に行った.こちらの「東京 親と子の相談ほっとLINE」には2週間で576件の相談が寄せられ,既存の電話相談「4152(よいこに)電話相談」の同期間の対応数390件を180件ほど上回り,あらためて今の子育て世代のニーズが確認された9).オンラインという身近なタッチポイントを確保し,子育ての孤立予防や育児不安軽減として機能することは,非感小児科 Vol. 62 No.4 2021結果(レセプトとの突合)全相談129件病院に行こうか迷っている「はい」65件夜間受診なし65件翌日昼間受診あり0件10件翌日昼間受診なし0件55件病院に行こうか迷っている「いいえ」64件夜間受診あり夜間受診なし0件64件翌日昼間受診あり翌日昼間受診あり0件翌日昼間受診なし翌日昼間受診なし0件6件58件非感染性疾患中心の疾患構造におけるオンライン相談

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