373特 集 With COVID-19時代のシミュレーション教育・オンライン診療図₃ 「産婦人科オンラインジャーナル」と「小児科オンラインジャーナル」図₄ オンラインで取得しているEPDSの画面イメージEPDS合計点が9点以上のハイリスク者は574件(35%)あり,産後0~2,3~5,6~11か月の時期で区切るといずれも30%以上という結果であった.産後1年間を通じて産後うつのリスクをもつ女性が少なくなく,長期的なスクリーニングとフォローアップの必要性があることが示唆された.こちらの結果は,第395回東京産科婦人科学会例会において学術発表を行った3).4.医療施設への情報連携 オンラインで閉じることなく,対面サポートへの連携が重要と考えている.その実現のため,オンライン相談の内容を中核病院へ連携する仕組みを運営している.一例として,現在,「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」が小児科 Vol. 62 No.4 20213.ハイリスク者の把握 EPDS(エジンバラ産後うつ質問票)を産後1,3,5,11か月の会員に対してメールで送付し,9点以上の産後うつのリスクが高い会員には,相談を促したり,自治体の産後サポートの利用を促すメッセージを送信したりしている(図₄).また,相談時は利用者の過去のEPDSの点数が相談カルテに履歴として記載されているため,リスクに応じた相談対応が可能となっている.通常産後うつのスクリーニングは,産後数か月までとなっている自治体が多いなか,その後の継続フォローの必要性を示唆する知見もある2).本システムによって産後1年間の継続的なフォローが可能となっている.2020年2~6月に回答があった1,639件を解析すると,
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