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* 株式会社Kids Public代表取締役(小児科専門医)橋はし本もと 直なお也やWith COVID-19時代のシミュレーション教育・オンライン診療 9Ⅱオンライン診療 本稿では遠隔健康医療相談について,産婦人科・小児科に特化した遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」の活動を中心にまとめる.371 「小児科オンライン」(https://syounika.jp/)は,スマートフォンから直接小児科医に相談ができる遠隔健康医療相談である(図₁).厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」平成30年3月(令和元年7月一部改訂)1)に記載がある「遠隔健康医療相談」に準拠し,筆者が代表を務める株式会社Kids Publicが運営する.あくまで相談にとどめ,断定的に診断を伝えることや処方といった,オンライン診療は実施していない.なお,本稿では,遠隔健康医療相談をオンライン相談と表現し,記載する.株式会社Kids Publicは,2015年創業,2016年より「小児科オンライン」を開始した.2018年には産婦人科医,助産師に相談ができる「産婦人科オンライン」(https://obstetrics.jp/)を開始し,産前から産後,子育てをオンラインで切れ目なく支えることができるようにしている.基本的に妊産婦・保護者は無料で利用できるよう,自治体の行政サービスや企業の福利厚生として導入を進めており,2021年2月現在約40の法人に導入されている.相談に対応する小児科医,産婦人科医,助産師は160名.病院で待っているだけでは届かない妊産婦・保護者の不安や孤立に,スマートフォンという接点を活用してリーチすることを目的としている. 1.オンライン相談,2.情報発信,3.ハイリKEY WORDSオンライン医療,遠隔健康医療相談,オンライン相談,産後うつ,育児支援,母子保健*要 旨  子育て世代や妊産婦の主なコミュニケーション手段がSNSとなっている今,スマートフォンから医師に相談ができる遠隔健康相談への注目が集まっている.コロナ禍によってICTを活用した母子保健の施策拡充の機運はいっそう高まりをみせている.本稿では,母子保健におけるICT活用の一例として,スマートフォンから直接産婦人科医,小児科医,助産師に相談ができる遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」の活動を紹介する.そしてその母子保健への貢献,寄せられる相談の内訳,利用者からの反響,限界点などに触れる.はじめに事業概要事業詳細:₅つの機能オンラインでの健康医療相談(遠隔健康医療相談)

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