444Ⅰ-8手術支援ロボットを使用しないと難度が高い。本手技は,反復自己練習が重要な点でVRシミュレータに適しており,実際,多くのシミュレータが縫合・結紮手技モジュールを装備している。いずれも結紮手順を教授する工夫を盛り込んだプログラムではあるが,肝心の実技練習としては糸の弾性や重力を反映したグラフィック表示,針と糸の把持感のリアリティが低いため実用性が低い。われわれの施設でも本手技を練習する外科系医師はもっぱらボックス・トレーナを使用している。ただ,新しいLaparoSTM(VirtaMED,2021)では,糸のリアリティに改善がみられる。LAP-リッド・シミュレータであるが,評価機能はかなり限定的でボックス・トレーナに近い(図6)。LAP MentorRobotiX Mentoraabbロボット支援手術は,従来腹腔鏡手術と共通点が多い一方,ロボットに適したトロッカー配置,ドッキングなどの知識に加え,フットペダルやクラッチ操作などロボット特有のスキル習熟が必要である。ペグ移動(図5)など,FLS以来の古典的タスク以外にダビンチ操作に適した基本動作タスクが開発されている。ダビンチで手術するには,ボ訓練プログラム修了で与えられるサーティフィケイトが必要であるが,dV-TrainerやdVSSは,このドライラボ訓練と同等の効果があることが示されている6)。手術 2025年4月臨時増刊号VRシミュレータを用いた手術トレーニング図5. ペグ移動モジュール従来内視鏡手術(a)とロボット支援手術(b) C 内視鏡下縫合・結紮操作ARO Analyticは,実際の糸を使用するハイブ B ロボット支援腹腔鏡手術Intuitive Surgicalが構成した実機使用のドライラ
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