8666552258881658┃表4┃各抗菌薬における術中再投与のタイミング半減期≧503〜42〜32〜32〜31.3時間50分3〜4**半減期以外の因子が関与(術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン)。抗菌薬(腎機能正常者)1.2〜2.2時間0.8〜1.3時間CEZSBT/ABPCPIPCCMZCTMFMOXAZTCTRXCLDMCPFXLVFXGMVCMTEICMNZ *eGFR-IND(mL/分)=eGFR(mL/分/1.73m2)×(患者体表面積/1.73m2)eGFR(mL/分/1.73m2)は患者の体表面積(bodysurfacearea;BSA)が国際的成人標準(1.73m2)と仮定したnormalizedBSAeGFRであり,標準体表面積を個々の患者の体表面積に変換(conversion)したのが,individualizedBSAeGFR(eGFR-IND)(mL/分)である。欧米のノモグラムを使用する場合Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランスではなくeGFR-INDが推奨されている。患者が標準体格の場合にかぎり簡便性の面からeGFR(mL/分/1.73m2)を代替指標とすることも可能である。1〜1.3時間60〜68分1.6〜1.8時間5.4〜10.9時間2〜4時間3〜7時間6〜8時間2〜3時間4〜8時間85.7時間6〜8時間8再投与の間隔(時間)eGFR-IND*(mL/分)20〜508〜1012612報告なし薬剤師と相談1612**<2016121212101012〜16適応外適応外適応外も有効な抗菌薬が選択される(表5b)1)。対象とする臓器そのものは常在細菌が存在しないが,隣接する臓器の常在菌の汚染が起こり得る場合,たとえば呼吸器の手術では,口腔内の常在菌である嫌気性菌やレンサ球菌も合わせて予防するために,スルバクタム/アンピシリン(sulbact-am/ampicillin;SBT/ABPC)などを選択する(表5c)1)。常在細菌以外の細菌がすでに検出されている症例では,その細菌に活性を有する抗菌薬を選択する。また,術前1カ月以内に抗菌薬の投与を受けている患者では,投与した抗菌薬に耐性の細菌が選択されている可能性を考慮して抗菌薬の選択を考慮する。選択しようとする抗菌薬にアレルギーを有する場合には,感染症の専門医や薬剤師にコンサルトを行うほうがよい。MRSA保菌者(鼻腔など),手術前からMRSAが検出されている患者,および心臓手術,胸部大動脈手術,人工関節置換術,脊椎インストゥルメンテーション手術などにおいて同一施設でMRSAによるSSIの多発症例が認められた場合には,VCMなどのグリコペプチド系抗菌薬による周術期感染予防を行う場合がある。VCMは,手術前2時間以内にレッドネック症候群を避けるために1時間以上かけて点滴静注する。投与量は15〜20mg/kgとし,1回2gを上限とする。複数回投与する場合には1日2回投与とする。鼻腔保菌者には術前にムピロシンによる除菌を試みる。保菌者は高率に皮膚にもMRSAを保菌しているため,4%クロールヘキシジンにⅧ.MRSA感染予防
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