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ab1656置換された人工関節表面GlycoproteinGlycocalyx遊走してきた好中球Glycocalyxと生体物質により形成されたbiofilm置換された人工関節表面Glycoprotein遊走してきた好中球┃図1┃人工関節置換手術時の細菌感染症の発症機序a)抗菌薬が無効な場合,あるいは投与がなされなかったり,タイミングが不適切であったりした場合b)適切な抗菌薬が,適切なタイミングで投与されている場合汚染した細菌汚染した細菌適切な抗菌薬貪食され,貪食空胞(phagosome)中で殺菌される細菌1.数時間で人工関節の表面がglycoproteinによって覆われる。Glycoproteinは細菌にとっての付着受容体。2.細菌は増殖し,glycocalyxを産生する(slime, biofilm)。Glycocalyxは抗菌薬の浸透や,好中球の貪食を阻害する。3.好中球の遊走は2から5時間後に反応し,遊走して来るが,biofilmに阻まれる。1.細菌が人工関節表面を汚染する。2.術中の適切な抗菌薬投与で,汚染した細菌は殺菌されるか,増殖が抑制される。3.遊走してきた好中球に貪食され,殺菌される。抗菌薬はその半減期を参考に再投与を行う。最近のガイドライン2)では,必ずしもこの追加投与についてはSSIを予防するという明確なエビデンスが得られていないとされているが,追加投与しないでもよいというエビデンスもないため,現状では半減期の2倍を超えたら抗菌薬の追加投与を推奨するのが一般的である。なお,初回再投与までの間隔は,手術開始時からでなく,術前抗菌薬投与終了時からの時間とする。腎機能低下症例では,腎機能に応じて,再投

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