12121211199213141415435214216416972181813873411661312113919242419表1産婦人科の実際 Vol.67 No.4 2018することが推奨されているが,これを満たす子どもはかなり少ないのが現状であった。中学生では,運動系の部活や地域のスポーツ団体に所属している子どもについてはほぼ毎日の運動実施が行われているが,女子ではおよそ40%以上の生徒が授業での体育以外にはほとんど運動していなかった。つまり,運動する子としない子の「運動実施の二極化」がはっきりと読み取れた。幼少年期における運動・スポーツなどの身体活動の不足により,体力・運動能力の低下のみならず,様々なケガの増加や肥満につながり,将来において生活習慣病に罹患してしまう可能性が非常に高いことを危惧する。 一方,実際の活動量を評価するために,歩数計による1日の歩数を計測した。未就学児から小学生は1日平均12,000~14,000歩であったが,休日より平日が多い結果であった。未就学児では,保育園や幼稚園内での歩数が園外に比べて圧倒的に多く,園での体を使った授業や遊びによって運動量が確保されていることが推測される(表2)。一方小学校では,校外の歩数が多く休日の歩数が極端に減少することから,一日の身体活動の多くの部分を登下校時の歩行が担っていると考えられる(表3)。2 メディア漬けの子どもたち 近年の子どもたちの生活習慣における重要な問題の1つとして,テレビ・ゲーム・インターネットといった各種メディアとの接触機会の増加が挙げられる。今回の調査でも,「ゲームをする時間」は,小学校高学年をピークに増加し,中学生になるとやや減少するが,最低1時間はゲームをしている子が多いという結果となった。また,「インターネットや携帯メールの使用時間」は,学年が上がるにつれて増加し,特に中学生になると顕著で,女子では1日1時間以上と長時間になることもわかった。「テレビやビデオ,DVDの視聴時間」については,年齢による大きな違いはなく,90分前後の視聴時間であった。 運動実施の状況を併せてて考慮すると,多くの子どもは体を動かして遊ぶ時間が極端に少なく,その代わりテレビやゲームなどスクリーン男子差全国3.972.780.934.392.995.657.527.245.019.529.499.996.649.692.739.893.638.691.938.041.1111.579.934.7410.71▼2.09全国順位(前年)県内6.316.869.4310.489.7213.3314.0512.2111.1211.6111.5811.489.69全国2.674.425.246.557.77.748.728.017.457.017.967.387.96(文部科学省学校保健統計より.単位%)女子差3.642.444.193.932.025.595.334.23.674.63.624.11.73全国順位(前年)2017年度 福島県内の肥満傾向児の割合県内6.755歳5.326歳7歳8.648歳14.769歳14.5310歳19.4811歳16.3312歳12.6213歳12.3214歳9.9715歳12.6816歳14.6717歳8.62
元のページ ../index.html#9