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566表2期前に正しく伝えることが重要であると思われる。3. 『子育て支援』から『子育ち支援』へパラダイムシフト 昭和50年代以降,日本は高度経済成長期を経て大量生産・大量消費の世の中になった。高学歴指向や商業スポーツの低年齢化・勝利至上主義,テレビやゲームの普及,子どもをターゲットにした産業の活性化などの結果,子どもの評価ポイントが健康優良であることよりも学力やスポーツなどの成績に重点が置かれ,子どもが子どもらしく生きる世界が徐々に失われているように思える。また社会情勢の変化や政府の施策により,保育園の造設や保育料無料化,働くお母さんへの援助など,いわゆる“子育て支援”は徐々に拡大しつつあるが,肝心の“子どもたち自身が元気になる”支援はまだまだ不十分である。 子どもが自由にのびのびと体を使って遊べる遊び場をしっかり整備したり,ちょっと風邪を引いた子どもがゆっくり休める場を作ったり,働く親が子どもと遊べる時間を自由に確保できるように企業などへ助成するなど,子どものニーズに応える“子育ち支援”を社会全体で考え整備することが必要である。遊び場一つとっても,街中の公園では遊び道具の規制や周辺への騒音を配慮するよう求められ,子どもがのびのび遊べなかったり,公園そのものがビルの影の薄暗い所に設置されていたり,およそ利用者を第一に考えた設計にはなっていないところも多い。子どもの遊びを豊かにするには,3つの『間』が必要であると言われているが,現代の子どもを取り巻く環境から完全に失われてしまっている(図3)。 また保育や教育現場では,様々な問題を抱えた子どもが増えてきているという訴えがある。複雑化した家庭環境や脆弱になった親子関係,貧困や虐待などによって,精神的に不安定な子どもが増え,現場での対応が非常に難しくなってきているという。はたして震災の影響がどの程度あるのかは不明であるが,現場の共通の意見としては“震災後から”というキーワードが挙がる。そこで筆者は地元で小児科を開業する酒井信子医師(じんキッズクリニック)と協力し,保育教育現場でのスキルアップと課題解決に向けた取り組みを始めた。『気になる子どものケースカンファレンス』では,現場で対応している実際のケースを掲示してもらい,その対処方法の検討や情報共有をする場を定期的に開催している。さらに,『施設訪問事業』として,園医を担っている幼稚園や保育所にこちらから出向き,個々のケースへの対応や職員間のスキルアップを図る活動を行っている。 従来の地域医療のスタイルでは,疾患や健康課題を抱えた子どもが医療機関を受診し,個々テーマ食べ物の好き嫌いを少なくするためのきっかけ作り屋外で体を沢山使って遊ぶことの大切さを伝える基本的な生活リズムの重要性を伝える靴の脱ぎっぱなし,手の洗いっぱなしなど,やりっぱなしをなくすことを伝える排便の重要性と,良いうんちを出すための食事について伝える3色食品群のうち,赤色の食品群の働きと摂り方について伝える内容子どもの健康アップレンジャーショー実施例第1回5人のレンジャーと仲良くなろうレンジャーの自己紹介第2回好き嫌いについて考えてみよう第3回外で元気よく遊ぼう第4回早寝・早起き・朝ごはん第5回“そのまま”っていいのかな?第6回バナナうんちで今日も元気!第7回お菓子の食べ過ぎはイエローカードお菓子の取りすぎに注意することを伝える第8回筋肉レッドのパワーのひみつ

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