4CChにDEやMGDが合併する場合は,DE,図2 上輪部角結膜炎(SLK)の比較的軽症例左上:ディフューザー所見,右上:リサミングリーン染色所見,左下:イエローフィルタによるフルオレセイン染色所見,右下:上方球結膜の結膜弛緩症所見SLKでは,上方の球結膜に充血を伴わない比較的軽症例(左上)でも高度の上皮障害が認められる(右上,左下)。上方球結膜が強膜から剥離しているため,上眼瞼越しに擦り下ろすと,剥離した結膜が上方メニスカスから顔を出す様子が観察される(右下)。Ⅰ 角結膜障害が弛緩結膜にみられる場合は,CChが,瞬目摩擦を介して異物感/眼痛の原因になっていると考えることができる。また,異物感/眼痛の原因として,上眼瞼に隠れたCChが関係している場合がある。上輪部角結膜炎(SLK)(図2)5)は,上方球結膜の充血/血管走行異常,あるいは上皮障害を特徴とするが,上方球結膜のCChが病態に関与し,SLKの軽症例では,上方の球結膜の上皮障害と弛緩が主たる他覚所見である場合もある。一方,下方涙液メニスカスにCChが高度に分布していても,涙道の通過障害や眼瞼弛緩(涙道のポンプ機能低下を伴う)が流涙症状の主たる原因になっている場合があるため,それらを考慮したうえで,CChの治療を考える必要がある。CChの可動性は,下方涙液メニスカスに着目し,早く,繰り返し瞬目させることで,評価することができる。上眼瞼に隠れたCChは,下方視させて上眼瞼を介して上方球結膜を擦り下ろすようにすると上方の涙液メニスカスに弛緩結膜が現れる様子から看破することができる。一方,流涙症状をきたすCCh以外の原因は,通水テストやsnap back test(下方に引いた下眼瞼がすぐに元の位置に戻るか否かを確認する。元に戻りにくい場合は,下眼瞼の弛緩を意味し,涙道ポンプ機能の低下が疑われる)が有用である。治療方法1130
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