024532024115T
10/14

脈絡膜血管からの漏出強弱弱強2脈絡膜肥厚を伴うSRDを呈する疾患を鑑別する必要がある。重要なものを図4に示す。フォークト・小柳・原田病は色素細胞に対する自己免疫疾患で,急性期には脈絡膜へのびまん性細胞浸潤による脈絡膜肥厚が起こる。CSCでは脈絡膜大血管の拡張を伴う脈絡膜肥厚が起こるのに対し,フォーク図2 中心性漿液性脈絡網膜症の病態シェーマ中心性漿液性脈絡網膜症では,脈絡膜大血管が拡張し,正常眼より脈絡膜が肥厚している。脈絡膜血管透過性亢進により網膜色素上皮の外側血液網膜関門(バリア機能)の破綻が起こり,網膜下腔に漿液が漏出して漿液性網膜剥離が形成される。図3 中心性漿液性脈絡網膜症における漿液性網膜剥離(SRD)の形成要因脈絡膜血管透過性亢進により網膜色素上皮のバリア機能の破綻が起こり,網膜色素上皮のポンプ機能を上回る漿液の漏出が持続するとSRDが遷延する。(文献1図3A, Bより許諾を得て改変・転載)正常眼SRDありRPEのバリア機能+ポンプ機能網膜色素上皮SRDなし外側血液網膜関門(バリア機能)の破綻感覚網膜漿液性網膜剝離脈絡膜CSC眼SRDが貯留し続けることになるため(図3),RPE機能の低下が起こる前に治療する必要がある。重要な鑑別診断ト・小柳・原田病では炎症細胞の浸潤による間質の浮腫が主体の脈絡膜肥厚が起こり,脈絡膜内部構造は不鮮明となる。Bullous retinal detachmentはCSCの劇症型で,網膜下腔への漿液の漏出が多発性に起こり,眼底後極部から下方にかけて網膜下フィブリンを伴う多量のSRDがみられる。SRDは移動性に富み,下方周辺部では胞状となる。患者に頭位変換をしてもらいながら眼底を観察すると,SRDが移動する様子を観察できることがある。Pachychoroid neovasculopathyは拡張した脈絡膜1269

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る